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世に言うところのへアヌード・プロデューサーは、出版社と芸能プロダクションの間に入って女優やタレントをヌード、それもヘア丸出しにするのが仕事だが、同じ職を名乗るオレのはちょっと違う。
女優やタレントがヘアヌードになることで破格のギャラを手にするのに対し、オレが脱がせる女たちは自らカネを払って裸になる。あくまでもギャラをもらうのはオレの方。「私も江角のような写真集を作ってみたい」などとホザく素人女たちのワガママな願望が懐を満たしてくれるのだ。やるからには上をめざしそうと必死で仕事に打ち込んだ。結果、入店半月でマネージャー、1カ月で店長を務めるまでになった。
ヘルスの店長といえばフロントに座ってカネ勘定をしたり、新人の講習をやったりと、オイシイ仕事ばかりだと思われがちだが、実際は違う。周囲にオレを店長の座から引きずり落ろしたいと企む連中がゴロゴロいるのだ。そこでオレは、そいっらを逆に蹴落とすため、自分に対して忠実な女、それも稼げそうなイイ女を店に入れるべく、街頭で声をかけたり、テレクラに通ってはキャッチした女たちを店で働かせた。
その後、8年間、オレはこの業界に籍を置く。当然、女性観は180度変わった。それこそ昔は風俗で働く理由なんて借金苦や流れ者といった暗いイメージが付きまとったものだが、今じゃ高校出たての皿代がブランド品欲しさに平気で見知らぬオヤジのチンポをしゃぶっていやがる。ただ、女なんて皆こんなもんかと諦めがつくだけならまだマシだ。ほとんど毎日、講習やら何やらで店の女にチンポをしゃぶらせていたせいで、完全な不感症になっていたのだ。よほどのことでない限りコーフンしないし、チンポも反応しやしない。フェラチオの練習台になるためにむりやり勃起させることほど、ツライものはなかった。ヘアメイクの経験を活かして、店のアルバム撮影や風俗誌の撮影のときに女に化粧をしたり、髪の毛をセットしてやったり鶴するのも日課の一つだ。女というやつは髪の毛を触られながら「カワイイじゃん。いつもと全然、雰囲気が違うよ」などとホメ言葉を浴びせられると舞い上がってしまい、大胆になるものだ。
中には親バレや彼バレがコワイと言って雑誌掲載などを断固拒否する女もいたが「顔出しすれば指名がどんどん入るようになる」とオイシイ面ばかりを強調して口説くと、服を着ての撮影のはずが
下着になり、やがては全裸ヌードになっている。
不動産屋のオヤジさんが「いつしょに組まないか」と一層笹かけてきたのは、そんな取材現場でのこ
とだった。彼には当時、店の女たちの寮を探してもらうなど、いろいろと世話になっていた。たまたま書類を持って立ち寄ったオヤジさんが、オレがおだてて脱がせているところを目にし、興奮して耳打ちしてくる。
「なあケンちゃん。こういうのをお店のコだけじゃなくて、ホントの素人に作ってあげたらナンボか
金が取れんもんかね」
「ナニを言ってるんすか」
冗談混じりに返したが、オヤジさんはマジだ。
「知らんのか?最近、オリジナルアルバムとかなんとかが流行ってるってテレビでもいつとったで。
やろう、金はワシが出すで」
以前から「いっしょに何か商売をやる」とは話していたが、本気だったのか、このオヤジ。しかも、東京じゃあるまいし、素人相手にヌード写真集を作ろうなんて、お笑い草もいいとこだ。金まで払
って脱ぐ女がいるとは思えない。
「でも、素人のハダカが拝めて金までもらえるんだぞ。これ以上あるか?お店の.のハダカじゃも
うおもしろくないって言ってたろ
うに、ケンちゃん」
一度はあきらめたオレだったが、機材は空抑えるし、スタジオは手持ちの空き物件をなんとかすると強引に丸め込まれ、ヘルス店を僅輩に任せて渋々オヤジの誘いに乗ってしまった。これが「ABCフォト」(仮名)の始まりだった。値段設定は、A5版撮影代込みで1冊5万9千円。これなら素人女でもどうにか手が出せる額だろう。
あとは宣伝だ。手始めに、地元の情報誌や求人雑誌などに広告を載せた。
(作ってみませんか?世界でたった1冊、自分だけの写真集)広告は、あえて健全なイメージを出すため、子供やペットの写真で構成。とにかく、ヘルスの面接と同じで女が事務所にさえ来れば何とかなるだろうと踏んでいたところが、これが思わぬリアクションを呼ぶ。素人女がわんさか来ると思いきや、ふたを開けてみれば子供やペットの写真集の依頼ばかり。みんな広告を真に受けたらしい。
ったく、畜生どものために6万円近くも払う客の頭の構造は理解しがたいが、だからといって撮影依頼を断るわけにもいかない。楽勝のノルマ仕事と踏んでいた畜生どもの撮影は、正直言って神経がすり減るほどハードなものだった。赤ん坊はポーズを付けようにも泣いてばかりで言うことを聞かないし、動物にいたってはスタジオで走り回った挙げ句しやがる。が、客の前で殴るわけにもいかない。そんなわけだから、カメラマン側からも「やってられね-よ」と不満が漏れてくる。客とカメラマンの板挟みになっていたオレは、気遣いで倒れそうな毎日が続いた。このままではせっかく集めたスタッフも離れていってしまう。もう一度、雑誌に載せた広告をよく見直してみると、一つの打開策が浮かんできた。
女性ヌードのサンプル写真がないじゃないか。
そう、オレは致命的なミスを犯していた。広告を見た読者が世界でたった一つの自分だけの写真
集から、ヌード写真集のイメージを抱かなければ意味もない。
打ち合わせのために事務所へ来られても、サンプルがなければ皆怖じ気づいて、自分からヌードの話なんてできないはずだ。さっそく、かつてのヘルス店へ足を運び、話をつけた。そこは元店長、やはり頼るべきは自分のスカウトした女の子たち。さっそくルイという女子大生風俗嬢が、サンプルモデルを買って出てくれた。ただ、最初からヌードをほのめかしたりはしなかった。「たまには服を着たままで写真を撮ってみようよ」と口説いただけだ。
翌日の撮影日、ルイはド派手な赤いブラウスを着てスタジオに現れた。時間がないので、すぐに撮影に入る。
「よしっ、イイよっ。そう、その表情!ノってきたねえ」
この日が来るのを待ち望んだのだるえ誰よりもカメラマンがいちばん入っている。
風俗誌の取材に慣れているのか、ルイがシャッターを切られるたびにポーズや表情を変える。まんざ
らではなさそうだ。
「じゃ、上に羽織っているその赤いカーディガン、脱いでみようか。事務所のソファに向かい合って
座ると、ミニスカからはパンツが丸見え。しかも毛までハミ出させている女もいたりする。ルックスの悪い女に限ってコレだからかなわない。最初の打ち合わせではまず、客がどんな写真集を作りたいのかを事細かに聞いた。テーブルの上に、これ見よがしにサンプルのへアヌード写真集を置いておく。すると、お客は自らそれを開き、必ず似たようなリアクションを見せた。
「へえ、こんなの作る人もいるんだスゴーイ」
「あ、これ?最近のコは大胆でね、ヘアヌード写真集を作りたいという子がたくさんいるんですよ。
まあ確かに、フツーの服を着た写真ばかりだと薄っぺらい内容の写真集になっちゃうんで、多少の露
出はあったほうがおもしろくはなりますね。プロが撮ると全然違いますから」
説明はしつこくならず、あくまでサラリと「ご希望ならば」という態度に留めておく。実際、相手が脱ごうと脱ぎまいと、払う金は変わらないのだから、ムリに押す必要はないのだ。
その代わり、90点以上の女は皆タップリと視姦させていただいた。いったい、オマエはどんな下着を
つけているんだい。オッパイの大きさはどれくらいかよ・ヘアのカタチは?アソコの色は暇そんなコトを考えながら、撮影の日取りを決めていく。
そして当日。撮影がスタートし、1時間も経てば、彼女らはオレの口説きのシャワーを受けることになる。
「もちろん、自分の好きなようにすればいいんだよ。でも、どうせなら本屋に並べても何の違和感が
ない写真集にしてみようよ。大勢の人が買ってくれると思うくらいさ。だってホラ、もう女優の顔になってるんだから」
まったくこつ恥ずかしぐなるが、目を合わせて真剣な顔でこれを言われてマジにならない女はいない。ヌード志願者は別として、オレは「こいつのハダカが見たい」と思った女のほぼ9割近くを脱がせていた。そして、脱がされた女のほとんどが焼き上がった現像を目の当たりにして目をまん丸くする。
「これってアタシ?ウソみたいに痩せてるぅ」
当たり前だ。プロがポーズを付け、ライティングをし、シャッターを押したんだからクオリティは、
素人目にも全然違う。たいていの女は角度や照明だけで誰でも神田うのみたいなスタイルになれるのだ。冗談じゃなく。ただ一度だけ、できあがった写真集を見せても「こんな太ってるのは私じゃないわ」と何度も撮影を申し込んできた女がいた。さほど太ってないのを見るに、自意識超過剰ってところだろうか。やっと製本にこぎ着けたのは5回目のことだった。もちろん、撮影料5回分はキッチリいただいてやった。脱がせられるべくして来たようなタマばかりだ。脱がせる過程はそこそこ楽しめても、いざハダカになったら、股を大つぴろげてピースサイン。これじゃ、エロスもクソもあったもんじゃない。やっぱり人間、異性が見せる「ギャップ」ってヤツにいちばん興奮するのだろう。カワイイ顔してこんなにヤラシイのかよ・それがなきや、興奮は生まれない。
オレがその事実に気づいたのは、不覚にも冴えない少女との出会いがきっかけだった。
「あ、あの…。コスプレの写真集を作ってほしいんですけど…お願いできますか」
ある日、麻衣と名乗る女の.が事務所に尋ねてきた。何でも、自分で作った衣装が多くなったので、
写真集というよりはカタログのようなモノを作りたいとのこと。
「コスチュームよりも写真集の方がきっとコミケで友達に自慢できるから」
彼女は、蚊の泣くような声で話してきた。実は、アニメを生き甲斐にしているような女が自作のコスプレ衣装の写真集を作りたいとやってくるケースは珍しくない。こういう女の普段着はだいたいが地味で、化粧っ気もなく、ピン底メガネ。そして、元の素材もしっかりブサイクだったりするので、ヌードなど勧めたこともなかった。ところが、麻衣の場合、服装こそチェックのネルシャッに地味なパンツ、汚いスニーカーといかにもなスタイルなものの、メガネの下から除くスッピン顔はまんざらブサイクでもない。タレントの酒井美紀にも通じるダサカワイサがそこはかとなく漂っている。こんな女でもコスプレをやるということはひょっとして露出願望が…と考えてもみたが、肝心の裸がどうしても想像できない。
第一、冗談半分にサンプルのへアヌード写真集を見せても全く無反応。ほとんどの女は恥ずかしがったり、目を背けたりして何かしらの反応はあるが、無反応というのも珍しい。こうして終始、暗い雰囲気で麻衣との打ち合わせは終わった。