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  • 2018/08/05突撃リポート

             夕方6時半。新宿にやってきた。駅の東口から歌舞伎町にかけては、いつもどおりそこかしこに居酒屋の客引きが立っている。同行者の友達と、飲み屋を探しているテイで歩く。歌舞伎町の『一番街』で、迷彩ジャケットの男が近寄ってきた。「居酒屋とか案内しますよ」キタキタ!「どういう感じなの?」「飲み放題で1500円って店があるんですけど…」いったん言葉を切り、少...

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  • 2018/03/17おすすめ突撃ドキュメント

           4月下旬、平日の午後7時。秋葉原駅。仕事帰りの人通りで混雑する「電気街口」で黒いスーツの女が通行人の男に声をかけていた。20代前半くらいの美人である。通行人のフリをして近付くと、女が口を開く。「すみませーん。アンケートをお願いしてるんですけど」彼女は首から下げた名札カードをかざして見せた。「私、●●にあるジュエリーショップの相田(仮名)と言います」宝石か。ふー...

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  • 2018/02/20突撃リポート

     西荻窪に住んでいる僕は、この教団の前をよく通ります。日曜日になると、建物の前で信者が大声を張り上げます。「10円バザールでーす。見に来てくださーい」 中に入れば、醤油や洗剤、古着やDVDなどがたったの10円。さらに冷たい飲み物やアイスなんかもタダで食べ放題。しかしうまい話ばかりじゃありません。当然のように、宗教に興味ありますかと勧誘されてしまいます。AV撮影クルーの待ち合わせのメッカになってるの...

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ロリコンにつけこんだキャッチ詐欺にご注意

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居酒屋のキャッチ客引きについていってみた

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夕方6時半。新宿にやってきた。
駅の東口から歌舞伎町にかけては、いつもどおりそこかしこに居酒屋の客引きが立っている。
同行者の友達と、飲み屋を探しているテイで歩く。歌舞伎町の『一番街』で、迷彩ジャケットの男が近寄ってきた。「居酒屋とか案内しますよ」
キタキタ!
「どういう感じなの?」
「飲み放題で1500円って店があるんですけど…」
いったん言葉を切り、少し間を空けてから続ける迷彩服。
「でも1200円くらいには下げれるんで。個室の店ですし、どうですか?」
こちらが承諾すると、迷彩服は店に電話をかけ、
『一番街』を歩き出した。
「ここの4階です」
足を止めたのは、箱ヘルやオンラインカジノや中国エステが入った雑居ビルだ。入り口に『4階・全室個室・山久農場』という看板が出ている。とてもマトモな飲食店が入っているとは思えない建物だし、店名が大手居酒屋チェーン『塚田農場』のマネっぽいのも気になる。エレベータを4階で下りたところで迷彩服がボソリとつぶやいた。
「そうそう、一人一品ずつ料理を頼んでもらうのがキマリになってまして」
店の前まで連れて来てから、そうくるか。何が「そうそう」だっつーの。入り口の戸をガラリと開けると、女のスタッフが顔を出した。
「いらっしゃいませ」客引きからすでに話が通っているのだろう、人数を聞かれもせず、奥へ通された。通路に面したトビラを開け、個室へ……。は〜!これのどこが個室なんだよ!
隣のテーブルとの仕切りは、暖簾をたらしているだけ。横のニイちゃんの顔、普通に見えてるし!
会話、めっちゃ鮮明に聞こえてるし!のっけから辟易していると、スタッフが箸とおしぼり、そして小鉢を持ってきた。
「お通しです」
ほんのちょっとの量のキムチだ。
「…ちなみにいくらですか?」
「480円です」
高っ!ひとまず、飲み放題メニューから酒を選び、料理も5点ほど注文して飲み始めた。
意外と味は悪くない。生ビールはちゃんとキレがあるし、料理は値段が少し高いが、そこそこ美味かった。が、やはり、やかましいのが如何ともしがたい。だんだんイライラしてくるが、隣の連中だって『個室です』と言われて来たんだろうと思うと、恨めしいのは客引きだ。くそっ!
1時間で店を出て、会計は6240円。飲み放題2人分と、しょぼい料理5品でこの値段。ビミョーにボッてる感じだな。ま、とにかくこの店は、あれを個室と呼んでるとこがまったくダメ!釈然としないまま店を出たところで、ひと息つく間もなく、新たな客引きが声をかけてきた。
「居酒屋どうですか?」
「…いま行ってきたとこなんで」
「もう帰られます?ワンチャンもらえません?」
慣れ慣れしいやつだ。
「ドリンクのほうは全品20%引きにできますんで。でも、お酒けっこう飲みます?」
「まあ普通には」
「だったら、飲み放題90分、キュッキュッパでどうですか?」
998円か。こなれた言い方が怪しいっつーの。
「ビール、サワー、カクテル、ウイスキー、だいたいありますんで。ただ、お通し代500円と、一人一品の注文はお願いしたいんですが」
やっぱそういうシステムか。でもまだ隠していそうな気がするんだけど…。
「じゃあ、まあ、行ってみるけど。店はどこなの?」
「ここです」
見せてくれたビラには、パラソルが並ぶ店内写真が。ビーチリゾートのようだ。店名は『屋内ビアガーデン HANA』。ニイちゃんはビラの裏側に『998 2名』と書き込み、こちらに寄こしてきた。「店には連絡しとくんで。これ持って、そのビルの7階に行ってください」
外壁の荒れ果てたビルのエレベータに乗り7階へ。待ちかまえていたスタッフに、席へ通される。店内は一応写真の通りだが、キラキラした雰囲気は皆無だ。スタッフがお通しの揚げパスタを持ってやってきた。これが1人500円。ショボイもいいとこだ。
「じゃあ、生ビールを2つお願いします」
「生は、飲み放題に含まれていません」えっ!?
「飲み放題のビールは、金麦になります」
第3のビールかよ!たしかに客引きはビールとしか言ってなかったが…。仮にも『ビアガーデン』なんて謳ってる店なのに、生が別料金ってギャグじゃん。バカらしくなってウーロンハイとハイボールを注文したところ、味がやけに薄かった。オレの感覚的には、ほぼジュースだ。
ウマくもない酒を無理して飲み続けてもしょうがない。客引きとの約束の一人1品ずつの料理を頼み、1杯目の酒を飲み終わったところで、店を出ることにした。
「いくらですか?」 伝票が出てきた。ん?
『奉仕料406円』って何なんだ?
「奉仕料ってのは何ですか?」
「サービス料の10%ですが」
納得できないな。高いお通し代を取ってるくせに、さらによーわからん料金を加算するなんて…。  ごねていると、スタッフがおもむろにオレたちが座っていた席へ向かい、メニューを取って戻ってきた。そして一番最後のページを開いて見せてくる。
「ほら、ここに書いてあるでしょ?」
かなり小さい文字で、「サービス料10%を頂きます」と記されている。…これがヤリ口かよ。「こういうシステムなら、最初にちゃんと言うべきだと思うんですけど」
「でも、書いてますんで」
「書いてるって言っても、こんなに小さい文字じゃ、不親切じゃないですか」
「うちはこういうシステムでやってますんで」
「…システムねぇ」
たかが数百円くらい払ってやるか。…ってのがまさにこいつらの狙いなんだろうな。今度はフラフラと駅東南口を歩いていると、声をかけられた。
「居酒屋とかどうですか?」
「…安いの?」
「普通に入るよりも15%引きくらいにはできるんで。だいたい、みなさん、2〜3千円くらい使う感じですかね」
「安そうね」
「もしかして、お腹とかはあんまり空いてない感じですか?」「そうねぇ」
「お酒を飲まれるなら、飲み放題で1300円でやりますんで。お通しとは別に、一人1品の注文をお願いしたいんですけど」
また例のシステムか。これが一番儲かる勧め方なんだろうか。  こちらが応じると、スタッフはどこかに電話をかけてから、こう言ってきた。
「席は広いほうがいいと思いまして。ちょっと遠いんですけど、4名席が空いてるお店があったんで、そちらを取りました」
「そうなんだ」
「もうお席は取ったんで、ここで予約金として1000円を預からせてもらいたいんですが。お店に着いた時点で、この紙を渡してもらったら、お金はお返ししますんで」客引きから教えられた店『天空の囲』は、歩いて5分ほど、1階にサラ金が入った薄暗い雰囲気のビルの9階だった。入り口でキョロキョロしていると、坊主頭の男性スタッフが近付いてきた。客引きから渡された紙を見せる。
「すみません。これなんですけど」
「はいはい。どうぞ」
約束どおり千円は返ってきた。よろしい。店内をキョロキョロ見渡す。割とゆったりした間隔でテーブルが並べられており、ぱっと見落ち着いた雰囲気だが、内装はどこか安っぽい。若い女の子のスタッフがやってきた。テーブルにおつまみのマカロニサラダを出す。たぶん500円くらいするんだろう。「じゃあ、とりあえずビールを2つと、料理を一品ずつ頼まなくちゃいけないんだよね」
「あ、お願いします」
メニューを見る。ん?どれもこれも明らかに高いんだけど。焼き鳥が4本1080円、お茶漬け680円、もつの味噌鍋1人前1450円。
「…じゃあ、たこわさと、だし巻き卵で」
「15%引き」なんて言ってたが、一般的な居酒屋値段よりも30%くらいは高いんだけど。運ばれてきたたこわさを見て、さらに驚いた。小鉢の底にシソの葉を敷き詰め、これでもかってほど上げ底にしてやがる。 料理は一人1品ずつしか頼まず、2杯ずつ飲んだところで、会計をすることにした。
「すみません。チェックを」 
坊主頭スタッフが伝票が寄こしてきた。おそるおそる見て、目を疑った。飲み放題なのに、2杯目のドリンクが単品料金になってるではないか。しかもまた『サービス料』が10%付いてる。合計6732円だ。「これ、どういうことですか?なんで、飲み放題なのに?」「あ、そうですね」
坊主頭が伝票を引っ込め、特に詫びることなく訂正した伝票を出してきた。
「こちらでお願いします」
お願いしますじゃないだろ! 
「こんなミスってありえますか?」
「すみません。バイトの子が注文を受けるときにうっかりしちゃったんだと思うんで」
軽く言ってくれるなぁ。
「納得できないなぁ。このサービス料ってのはなんですか?」
「サービス料です」
「こういうの取るなら、客引きさんにも言っておいてほしいんですけど」
「それはすみません。でもあの人たちは、うちの人間ではないんで」
「関係ないってこと?」
「関係ないとは言い切りませんけど、うちはこういうシステムでやってるんで。そのへんは理解してもらえませんかね?」
そう言って、睨むように見据えてくる。くそ〜!

恋人商法を仕掛けてくるキャッチ嬢のやり方

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4月下旬、平日の午後7時。秋葉原駅。仕事帰りの人通りで混雑する「電気街口」で黒いスーツの女が通行人の男に声をかけていた。20代前半くらいの美人である。通行人のフリをして近付くと、女が口を開く。
「すみませーん。アンケートをお願いしてるんですけど」
彼女は首から下げた名札カードをかざして見せた。
「私、●●にあるジュエリーショップの相田(仮名)と言います」
宝石か。ふーん、男に宝石をどうやって売るつもりだ。アンケート用紙には、質問が4つ並んでいた。最初の3つは腕時計に関するもので、いくつかのデザインから好みを選べとか、パートナーの女性とペアウォッチを付けたいか、などの問いだ。そして4問目は、結婚に関する質問だった。
「お兄さんは結婚してるんですか?」
「まだだけど」
「じゃあ、いつごろ結婚したいですか?」
「まだわかんないな」
「でも、将来は結婚したいと思ってるでしょ?」
「ですね」
「そのときは、相手に指輪を渡さなくちゃいけないじゃない」
「…まあ」
「でしょでしょ。うちはジュエリーショップだから、そういうエンゲージリングのお話をさせてもらいたいな」
なるほどね。結婚指輪の準備をさせようってか。まだ彼女もいないだろうアキバの男どもにそれはどうなんでしょ。アンケート用紙の最後には連絡先の記入欄があった。素直に記しておこう。アンケートを書き終えるのを確認し、彼女は「また連絡しますね」と足早に去って行った。
その日の夜、見知らぬ携帯番号からの着信があった。相田からだった。
「もしもし、今大丈夫ですか?」
時刻は夜10時半。常識のある人なら電話は控えるべき時間帯である。
「今日はありがとう。あれから真っ直ぐ家に帰ったんですか?」
彼女は親しげにしゃべり始めた。仕事は何?休みはいつ?好きな食べ物は? 
たわいもない雑談をするうち、口調が次第に馴れ馴れしくなってきた。
「私、仙頭さんのことをセンちゃんって呼んでいいかな」
「ああ、いいけど」
「センちゃん、週末にでもまた会えないかな」
デートのお誘いか。結婚相手がいないなら私に買ってよ、と迫ってくるのだろうか。
「ねえねえ、お店に来ちゃいなよ」
お店かよ!居酒屋あたりでしっぽり色恋営業をかけてくるんじゃないのか。
「私は、センちゃんがいつか結婚するときに必要な、エンゲージリングの話をしてあげたいの」
「……はあ」
「センちゃんは、まだ結婚が未定だから、エンゲージリングの話とかピンとこないんでしょ。だけど、それがどう大切なのかを話したいの」
「……はあ」
あえて何も反論せずに聞いているオレは、素直なカモとでも思われたようだ。
「いいモンはいいと薦めるよ。買う気まんまんで来なくてもいいけど、絶対に買わないぞ、という気
持ちでは来ないでね」
バカ野郎、絶対に買わない気持ちで行ってやるよ!週末の夕方5時。店は5階建ての綺麗なビルに入っていた。看板もちゃんと出ている。さて、中で何が行われてるのやら。
 相田はビルの前に立っていた。
「センちゃん、こっちこっち」
エレベータで4階へ。フロアには、壁に沿ってテーブルが5〜6台並んでおり、それぞれ美人の女
性スタッフが、おそらくオレと同じようなパターンでやってきたらしき男と向かい合って座っている。オレは一番奥のテーブルに通された。
「今日は来てくれて本当にありがとう」
相田は向かいに座ると、一枚の紙切れを取り出した。
「まずはこれを書いてもらいます。あ、一番上の枠組みのとこは飛ばしといてね」
 アンケートだった。「いつ結婚したいですか?」「血液型は?」「一ヶ月の出費の内訳」などが並んでいる。オレが書き終えると、彼女はそのアンケート用紙をチェックすることなく、テーブルの横においた。
「センちゃんは、高知出身とか言ってたでしょ?」
「そうだけど」
「テレビで高知城を見たよ。スゴクきれいだったよ。それからね…」
修学旅行の話、自分自身の出身地の話題、東京での暮らしなどなど、彼女の雑談はなんと1時間もつづいた。よくもまあそんなにネタがあるもんだ。ようやく彼女が先ほどのアンケートを持ち出した。
「じゃあ、さっき飛ばした枠組みのとこ見て」
 そこには『法令に基づき、適正に販売を行っております』と書かれている。
「これは、事前にウチの目的をちゃんと聞きましたよ、という確認なの」
「……はあ」
「私、電話でウチは宝石屋さんだから宝石を薦めるよ、と伝えたよね? だからセンちゃんには、今
日は了解して来てますよ、というサインをしてほしいの」
 法律に問われないためなのだろう。ムダ話で好感度を上げてからサインさせるとは狡猾だ。はいは
い、了解してますよ。どんどん薦めてちょうだいな。相田が引っ込み、サイン担当の先輩とやらがやってきた。これまた美人だ。イスに座ると、彼女は小さなビニール袋を差し出してくる。
「はいプレゼント」
 お香だった。雑貨屋で30円くらいで売ってるシロモノだ。
「今日の交通費にどーぞ」
「ど、どうも」
「お香でリラックスとかしないの?」
「しないけど」
「じゃあ、普段のリラックス方法は?」「…飲みに行ったり」
「私もお酒好き。ちなみにどこらへん行くの?」
「新宿とか」
「新宿かあ。ちなみに新宿ならやっぱ東口?」
 彼女はその後も、ちなみにちなみにと雑談を展開していった。なんとこれまた1時間もだ。ようやく目的のサインに移ったかと思えば、これはほんの数十秒で終了。さっさと去っていく。さすがにもう気付いた。こいつらわざと時間を引き延ばし、オレの思考能力を麻痺させるつもりな
のだ。相田も先輩も、ちょうど1時間で席を立ったのは、休憩のローテーションが決まってるんだろう。午後7時10分。相田が戻ってきた。「じゃあ、そろそろ説明を始めていこうかな」
 そろそろとはムカつく言い方である。2時間もダラダラしたくせに。
「うちの店は、担当さんとお客様の関係を大切にしてるの。センちゃんの場合、担当は私になるの」
 彼女が紙に、男、女、宝石店などの絵を描いていく。
「男の子はセンちゃん。女の子は私ね」「……」
「担当さんとお客様の関係は、商品を買ってもらったあとも、ずーと続くの」
「……」
「だから私は、ずーとセンちゃんの担当さんとして、いろんな相談に乗ったりするの」
「……」
「商品のことだけじゃないよ。例えばセンちゃんが好きな人がいるなら、そんな相談にも乗るの」
なぜこんな小娘にオレが相談するのか。あんた、他人だし。とは突っ込まずに、うんうんうなずいていると、いきなり話題は結婚指輪に飛んだ。
「エンゲージリングは、ダイヤモンドじゃないといけないの。何でかって言うと、プロボーズには固
い意志が必要だから」
「…硬い石ってこと?」
「そうなの。センちゃん当たり」
 なぞなぞかよ!
「正解したセンちゃんに、今日は特別にダイヤモンドを見せちゃいます。じゃあ、見せる担当さんが
いるから呼んでくるね」
何気に時計を見る。また1時間が経っていた。ローテーションの時間か。午後8時10分。商品担当の女がやってきた。これまた目を奪われるほどキレイだ。
「これがダイヤモンドでーす」
彼女はダイヤを並べると、ルーペを差し出してきた。
「綺麗でしょ」
ダイヤは、ハートと矢が交差するようなデザインのものだった。
「ハートと矢だからバッキュン的な感じでしょ?」
指鉄砲でオレを撃つ。
「女の子はこういうロマンチックなのが好きなの?」
「そうだよ。あ、仙頭さんは、キングカズの話知ってる?」
「サッカーの三浦知良?」
「そう。カズが奥さんのリサ子さんにリングを渡した話がすごくすてきなの」
カズは十代でブラジルへサッカー留学する際、自分で自分のためにダイヤのネックレスを買った。
その後、スター選手に登り詰めるまで、お守りとして身に付ける。そして結婚の際、そのダイヤを指
輪にしてリサ子に渡す。
「カズは、プロポーズのときに言ったんだって。ぼくをずっと守ってくれたものが、今度はキミを守
ってくれるよって」
 それがどうした。オレ、カズじゃないし。てか、これまで何度も何度も話しまくったのか、こなれ
た感がハンパないんですけど。
「うちの店は、みなさんにそんなプロポーズをしてほしいの。だから男性のお客さまに、ダイヤのネックレスをお薦めしてるの」彼女なりにいい論法と思ってんだろうな。カズの逸話を知ったときは「これ使える!」と飛び上がったんだろうな。
午後9時。三度戻ってきた相田は、かわいらしく頬を膨らませていた。
「センちゃん、商品担当の子とすごく楽しそうに喋ってたね。ま、いいんだけど。私、ちょっと妬い
ちゃった」
来ました、軽めの色恋作戦。でもキャバ慣れしてるオレにそんなの通用しないし。
「次は、センちゃんの結婚について話をしたいと思います」
「はい」
「まず目をつぶって下さい」
意味がわからないが、素直に従う。と、彼女が朗読のように語り始めた。
「結婚生活の朝です。センちゃんがベッドで寝ていると、まな板のトントントンという音が聞こえて
きました。みそ汁のいい臭いもします。お嫁さんが、朝ご飯を作っているのです」
何を語ってんじゃ?
「そして、奥さんのスリッパの音がパタパタパタと近付いてきました。センちゃん、起きて」
オレが目をあけると、彼女が優しく微笑んでいた。
「おはよっ」
揺さぶってくるね〜。
「じゃあ、そんな素晴らしい朝を迎えるための、結婚に必要なお金の話をするね。あくまで相場だけ
ど、披露宴300万、新婚旅行100万、新居引っ越し代80万。こういう費用は、削ろうと思えば削れるの」
勝手に見積もりが始まった。頼んでもないのに。
「でも、エンゲージリングだけはケチっちゃダメなの。これは男の人の誠意の部分だから、ちゃんと
した物を買わないと。センちゃんは100万くらいの買ったほうがいいと思うよ」
なんて強引な論理だ。ケチっちゃダメって、君が作ったルールじゃん。彼女は続ける。
「エンゲージリングは、結婚するときに絶対に必要なの。私がしたいお話は、それを今から準備しと
きましょうってことなの」「でも、結婚相手も未定だし」
「カズの話を聞いたでしょ。ネックレスにして持っておいたらいいじゃない。絶対ステキだと思うよ」彼女は電卓を叩き、100万円の5年60回ローンの計算を始めた。
「うちの店は、買う買わないを、今日ここで決めてもらわないといけないの」
午後10時。そろそろまた1時間だが、相田はそのままテーブルに残った。最後は自分できっちり仕留めようという腹なのだろう。
「今日決めてもらわないと、私はセンちゃんの担当じゃなくなるの」
「どういうこと?」
「お店のキマリで、もう連絡とか取れなくなるの。これでバイバイなんてイヤじゃん」
 やはり色仕掛けで攻めてきた。せっかく仲良くなれたのになぁと、こちらを見つめる。
「うちは、お客様との関係を大切にするって言ったよね。だからセンちゃんが買ってくれたら、ずー
と関係が続くんだよ」
「関係って?」
「私の先輩とかは、普通にメールでやりとりしてるし」
「デートとかは?」
「…うーん、お店でならできるよ。実際、ここでお客さんとお弁当食べたりしてるもん」
「……」
「ここをセンちゃんの第二の居場所にしてほしいな」
たまにここに来て、弁当食ってけってか。よう言うわ。
「わかった。センちゃんは、担当さんが私じゃイヤなんだ。そうだ。先輩がいいんでしょ」
 嫉妬の演技が出た。ったく、あの手この手で揺さぶりをかけてくる女だ。
「高い買い物だから迷うのはわかるよ。でも将来絶対買うんだよ」「まだ恋人もいないし」
「私が相談にのるよ。メールでもいいし、ここに来たらいつでも話せるじゃん」
「うーん、でもなあ」
 話は平行線を辿った。だが、3人で継投してる敵より、1人で投げきってるオレのほうが疲れてる
ぶん、分が悪い。さっさとサインすりゃ楽になれるんだけど…。いや、ここは粘れ。敵だってそろそろ終電が気になるはずだ。深夜0時、ついに相田が根を上げた。
「じゃあ。先輩に頼んで、明日まで待ってもらえるか聞いてくるね」
援軍の先輩はあきれはてたように言った。
「もうこんな時間じゃん。こんなに長くいた人始めてだよ。じゃあ特別に明日まで待ってあげる」
 合計7時間の攻防はこうして終わった。翌日からの電話攻撃を無視しまくっていることは言うまでもない。

AV女優の素顔が楽しめる場所

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0054_20180220204308be0.jpg 0055_2018022020430996f.jpg西荻窪に住んでいる僕は、この教団の前をよく通ります。日曜日になると、建物の前で信者が大声を張り上げます。
「10円バザールでーす。見に来てくださーい」
 中に入れば、醤油や洗剤、古着やDVDなどがたったの10円。さらに冷たい飲み物やアイスなんかもタダで食べ放題。しかしうまい話ばかりじゃありません。当然のように、宗教に興味ありますかと勧誘されてしまいます。
AV撮影クルーの待ち合わせのメッカになってるので、高頻度でAV女優の素顔を見ることができます。狙い目は、最も待ち合わせの多い朝6〜8時ぐらい。ロケバスの前でたむろってるような一団がいれば、まず間違いありません。女優たちはタバコを吸ったり、談笑していたり。なにげない光景ですが、普段ハダカを売りにする彼女らだけに、ソソられるものがあります。ちなみにこの場所、一般のテレビクルーの待ち合わせスポットにもなっており、ときにはB級タレントを見ることもできます。興味のあるかたはぜひどうぞ。
このクラブは、海外のタレントが来日した際、お忍びで立ち寄ることで有名です。中でも多いのはミュージシャン系。プロモーターが東京公演の後にしょっちゅう連れてくるのです。アーティストのライブ日程をチェックしておき、東京公演の後に店にかけつけるのがファンのお決まりの行動。深夜1時ごろに店をフラフラしてれば、VIPから出てきたアーティストと話すこともできます。ちなみに私はボンジョビやマドンナなどにも出くわした経験があります。
先日、アキバの街を歩いていると、キャッチのメイドから1枚のチラシをもらいました。誘われるまま店に連いて行ったんですが……。メイド喫茶といったら、お茶を飲んだり、フードを食べながら、わきあいあいとメイドさんと話すもの。料金は安いと1千円、高くても3千円がせいぜいです。ところがこちらは、メイドがわらわらよってきて、次から次へと高い酒を注文しやがるのです。まるでキャバクラですが、気の弱い私は断ることもできません。んであれよあよれと代金がふくれあがり、結局、お会計は2万5千円。くそ、もう二度と行くか!
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