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こんな記事が目にとまった。ムッチリボディがキミの部屋に。極楽ー愛の風俗宅急便
コレ、エロ雑誌によくある読者参加企画である。写真を見れば、いかにもサエない素人男が吉野公佳似のヘルス嬢からフェラチオされ、気持ちよさそうな顔で写っているではないか。ちくしょう、なんてウラやましいヤツだ。こんなコが自分の家に来てくれるのかと思うと、想像するだけでヌケてしまう。
翌朝、さっそく便せんに思いの丈をしたためてエロ雑誌の出版社に送った。手紙には、工場の慰安旅行で撮ったスナップ写真を同封。浴衣姿で畳に寝そべってピースをしている、心底情けない1枚だ。他に写真がなかったのだからしょうがない。それから1カ月後。応募ハガキを出したことすら忘れかけていた私の元に、1本の電話が入る。
「もしもし、トップマガジン編集部の××といいますけどお、宍戸さんいる?」
「ハイ、自分です」と上ずった声で答える私。
「あ、本人か。こないだウチにハガキくれたでしょ。あのさ、こういうのって出たことある?」
馴れ馴れしいギョーカイ口調が鼻についたが「ありませんが、出たいです」と答える。
「じゃあ、明後日の水曜日空いてる?そっち行きますよ」
「…いいんですか」冗談かと思った。応募するときはあれほど胸を弾ませていたのに、いざ採用となると逃げ出したい気分にすらなって来る。
当日の昼1時、私のアパートの前に1台のバンが停まった。降りてきたのは、カメラマン、担当の編集者、そして…「コンニチワァー。今日はよろしくう」っわあ、ホントに来ちゃったあ。まりあと名乗るそのボディコン娘は予想以上に若くてカワイイ。なんでも、現役のイメクラ嬢でプライベートでも100人は経験済みとのこと。それでも彼女は、オドオドして目もロクに合わせられない私に笑顔で接してくれた。編集者が笑いながら
「いやあ、なんかいかにもサエない独身男の部屋って感じだね、え。ここにボディコン女が来るっていうギャップがイイな」
まったく、ホメてんのか、けなしてんのか。ま、当たっているから何も言い返せない。
「じゃあパパッと撮影していきましょうか。まず、彼女の足を軽くナメてくれる?」
「え?あつああ、こうですか」カメラマンの指示に、ワケがわからないまま、ポーズを取る私。
何のためらいもなくスカートをまくり上げる彼女。こんな派手な生下着がスグ目の前にあるなんて。「じゃあ次はいっしょにお風呂入ってくださいよ」
脱衣場でいっしょに服を脱ぐと、まりあの白い裸が目に飛び込んできた。そしていっしょに浴槽へ。心臓が破裂しそうになりながら編集者の注文どおりポーズを付ける。フロから上がったら、いよいよベッドでのプレイである。ヤってるフリだけじゃ臨場感が出ないと思ったのだろう。編集者から「ヌいてくれ」との指示が飛んだ。
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「じゃあ、まりあちゃん、フェラチオしてもらっていいかな」
そして彼女が私のベニスを口に含んだ。やさしく舌で転がし、丁寧に丁寧に弄んでくれる。ああ、こんな快感が世の中に存在していたなんて。「イ、イっていいんですかあ」30秒足らずでもう限界。私は、丸2日溜まっていた精液をカメラマンと編集者が見ている前でドクドクと放出した。目に線が入れられ、彼女の股間に顔を埋める自分の姿が「ザ・トップマガジン」に掲載されたのは、それから約3週間後のことだった。
月収が7万を超えたら男優が本業になっていた
この一件ですっかり味をしめた私は、いろんなエロ雑誌の読者参加コーナーに応募しまくった。とこれが、どういうわけか続けざまに採用されるのだから世の中わからない。
驚いたのは、タダで女のコとカラめるどころか、金までくれる出版社もあることだった。額は少なくて5千円、多くても1万円程度だが、失業中の身には何よりありがたい。そして、私はこの仕事で運命の出会いを果たす。老舗のAV情報誌「オレンジ通信」の企画で知り合った監督である。
その日の現場は、麻布にあるスタジオだった。まずビルの屋上で野外フエラをかまし、その後は室内のベッドに移ってのバイブでイジメるポーズをいくつか撮影。そのとき、バイブの指導をしてくれたのが5監督だった。撮影は約3時間ほどで無事終工そのままギャラの5千円をもらつて帰ろうかとい、つンーき、監督が私の肩をポンとたたいて
「キミ、自宅の電話番号教えてくれないかな」
断る理由もないのでメモ帳の切れ端に書いて渡す。
ここで「仕事くださいー」と売り込む積極性があればいいが、しょせん自分は単なる素人。そう思うと、軽く挨拶をして帰るのが精一杯だった。
しかし、まさかの思いは現実に。1カ月後の夜12時。電話が鳴ったので出てみると、聞き覚えのあるオヤジ声が。
「こないだはどうも。5だけど。明後日とかって空いてない?」
誰かと思えば5監督だ。「ビデオに出てくれるヤツ探してんだよ。都合付かないかなあ」
ギャラは1万5千円。カラミなどはなく、女優にフェラチオされるだけらしいが、なんせ初めて回ってきた男優の仕事、誰が断われようか。「や、やりますっ。やらしてくださいー」2日後の3時、新宿のとあるスタジオで、私は金太郎のオべべのような衣装を身にまとい出番を待っていた。
「じゃあ、5人ヌキ始めまーす」スタッフの声で、我々5人が登場。女優に次々とフェラチオをさせていき、最後は顔面シャワーでフィニッシュ。「チュパチュパ倶楽部」というタイトルに違わない、そのまんまの内容だ。夢にまで見た男優デビュー。それでも、自分でも驚くほどスンナリこなせたのは、雑誌の出演でそれなりの度胸がついていたからなのもしれない。
「なかなかいいヌキっぷりじゃないの。キミ、シルダン向きだよ」「シルダン?」
「エキストラのことだよ。まあ次のヤツも頼むからさ」
正直、涙が出るほどうれしかった。人から褒められるなんて何年.ぶりだろ、スそれからというもの、「アイツならいつでもどこでも来てくれる」と評判になったのだろうか、自分で売り込みをかけたのも手伝い月6、7本のペースでAVの仕事が舞い込むようになった。もっとも、そのほとんどはザーメンのぶっかけシリーズや、似たような企画モノ。有名どころの男優のカラミ以外の時間を縫って5人、10人で登場、いっせいに射精をしてササッと消える役どころである。さすがに射精のタイミングを間違、っとギャラがゼロや半額になったりするものの、汁男優がもらえるのは、ほぽ1回1万円。つまり私の月収は7万円ほどになった。これ、普通に考えれば、とても食えた額じゃないが、なんせ干葉の田舎にあるアパートは家賃が2万5千円。私はこの収入だけで生活をギリギリまで切りつめ、なんとか飢えをしのいだ。知らず知らずのうちに男優が本業になっていたのだ。
このまま順調に進むと思われた我がンルダン人生も、最大のピンチを迎える。寒風が吹きすさぶ12月8日の朝9時、JR山手線の新大久保駅改札口には、監督兼カメラマンのA、私を含めた男優3人、そして女優2人が集まっていた。なんでも、野外露出モノを撮るらしい。撮影の前に、新宿駅のそばにあるAの個人事務所に行き、各々のバッグを置いて出発。撮りは人通りの多い交差点からスタートした。コートを羽織った女のコがパッと脱いで全裸になり向こう岸ヘダッシュ。
その後は、電話ボックスに裸の男女を入れて擬似本番だ。白昼の女ストリーキングに、通行人のサラリーマンはまるで狐にでも摘まれたような顔をし、オバチャンらは嫌悪の表情で2人を凝視しながら公衆ボックス横切っていく。私の役目はそれを見張ることだった。さすがにこんなことをノーガードでやるには危険過ぎる。ただ、この日はまだマシな方だった。深追いせずにすぐにロケを切り上げたので、警察とも遭遇しなかった。そして、撮影2日目の12月9日。
この日、ロケは、新宿の路上でパンツを脱いだ男3人が、女のコに順々にフェラチオされるというものだ。前日にも増してトンでもない内容である。私自身、あれほどヒヤヒヤしながらフエラチオされたことは前にも後にもない。なんせ場所は、新宿駅から徒歩5分の裏通り。ふと気づけば、ちょっとしたギャラリーができあがっていたのだ。サラリーマンが数人ニヤニヤしながら見ているかと思えば、ホームレスらしきオッチャンがこれ以上ない真剣なまなざしで女優の口元を見つめている。それでも私は、踏ん張って勃起だけはなんとかキープし続けた。「ヤベェ、逃げるぞっ」やっとのことで爆発になったとき、突然A監督が叫んだ。
とっさに大通りの方を見ると2、3体の紺色の影が。それが驚備員だとわかった私は、慌てて女のコにコートを被せて一目散にダッシユした。そんなアブない状況でも、A監督は撮影をやめなかった。警察近くのコインランドリー内でフェラチオシーンは撮るわ、都庁のすぐそばで擬似本番シーンは撮るわ。もう捕まえてくれと言わんばかりの無茶苦茶ぶりである。
極めつけは、靖国通りの歩道橋の上でちかんプレイを見張っていたときだ。歩道橋とちょうど同じ高さにあるビルから中の女性事務員がこちらをチラチラ見ながら電話をかけているのが目に映った。あのババァ、何やってんだPまさか・・
「監督、ヤバイって。あのオバチャン110番してるよ。ここは引き上げよう」これにはさしものA監督も危険を察知したのか「カット」と中断せざるをなかった。
「通報が入ったんだよ。」
イヤな予感はしていた。行く先々でこんなにもヒヤヒヤさせられるのは初めてだ。が、それでも監督はヤメようとしない。ムリもない。スケジュール的にも今日しか残されていないのだ。
「よーし、これ撮ったらお昼休憩にするぞ。宍戸ちゃん、次のシーン、カラミやってよ」
見張り役に徹するハズだったが、監督に言われれば断われない。私は次のロケ場所である新宿御苑近くの道ばたで段ボール敷き、女のコにフェラチオを促した。と、またまた途端に観客がどこからともなく寄ってくる。クソ、ちょうど昼メシどきなのがマズかったか。
「昼間っからエエことやってんなあ、ニイチャン」
ニヤニヤした顔で中年サラリーマンが話しかけてきた。見るなよ、散れ、散れっ。が、カラミをやめるわけにもいかないので、しょうがなくズボンをずらしいざ挿入の体勢に。と、その瞬問・・o
「警察だあーっー」
誰が叫んだのかはよく掌えていない。気がつけば、私は女のコの手を引いて、近くにあったオフィスビルの階段を駆け上がっていた。呼吸と精神状態を整えるために、最上階で15分ほどうずくまっていただろうか。
「もうそろそろ降りてもいいんじゃないの」「そうだな」
1階までエレべータで降り、裏口のドアを開ける。「おわーっ」よりによってなぜ婦人警官がここに。再び逃げるようにビルの屋上へ逃げる2人。こうなればもうかくれんぽ状態である。どちらが勝つかは誰の目にも明らかなのだが。
「オイッ、そこで何やってる。路上でワイセツやってたの、君たちだろ?ちょっと来いっ」
私と女のコはあっけなくビルの屋上で捕まってしまう。他の男優2人はウマク逃げたらしいが、A監督はすでにパトカーの中で事情聴取を受けていた。警察によれば、どうやら前日から巡回中の警官には情報が回っていたらしい。取り調べの初っぱなで、担当官は
「昨日から何件か通報が入ってたんだよ。路上でイヤラシイことしてるヤツがいるって」
これほど自分の浅ばかさを自覚したことはない。事件は起こるべくして起こったのだ。初めて受ける取り調べ。初めて入る留置場。悪い夢でも見ているかのようだった。凶悪犯のニュースを見るたび、警察にだけは世話になるまいと思っていたのに、なんだこのザマは。結局、私は17日間の留置キ経て、罰金10万円で保釈された(ちなみに、罰金はA監督が払ってくれた)。千葉の狭いアパートに戻り、一服したときのあの安堵感をどう表現すればいいだろう。