入れ食い状態を満喫できる出会いメディアは、時代と共に移り変わっている。25年前ならテレクラ。出会い系の創世記はエキサイトフレンズやスタービーチ。その後はヤフーメッセンジャー。ここ数年はミクシィやフェイスブックを挙げる声もよく聞いたものだ。
 では現在は?
 即答できる人はいないだろう。そう、ワリキリ女や風俗業者が跋扈する昨今、素人とタダマンしま
くれる舞台はすぐには出てこない。どこも一長一短、いや一長三短ぐらいで、どうにも食指が動きにくいのが現状だ。
 しかし、私、編集部・スズキは断言する。いま入れ食い状態なのはずばり『タップル誕生』である。このアプリ、まあとにかく凄い。針を垂らせばすぐに魚が引っかかるワカサギ釣りのような状況なのだ。以下に報告するヤリチン体験は、このアプリを使ってわずか一週間で我が身に起きた出来事である。
 6月1日。アプリをダウンロードし、簡単なプロフを作成した俺は、とりあえずアポに至りやすそうな「恋愛体質かも」「お酒を飲みながら」カテゴリーの女性プロフィールを順順に見ていった。特に考えもないまま「いいかも!」を押していくうち、あっという間に上限の20人だ。
 すると、すぐに画面上に「タップル誕生」の通知が表示された。俺に対して「いいかも!」を押し
てくれた女性がいたらしい。めでたくメッセージのやり取りスタートだ。
 お相手は、バンドが好きで、ライブによく行くらしいみゆきちゃん。20才の学生だ。好きな歌手に
は「乃木坂46」と書いてある。アイドル好きなら話が盛り上がるかも。
はじめまして!アイドル好きなんですね!
毎朝、通勤のときに乃木坂46の『ガールズルール』を聞いてます♪ みゆきさんは好きな曲ありますか?乃木坂だったら『気づいたら片思い』ですね〜!
 そこからアイドルトークに花を咲かせること1時間。さらにLINEに移行してから30分。他愛の
ないチャットのみで、翌日ランチをする約束になったのだった。
 当日やってきたのは、なでしこジャパンのフォワード・宮間あや似の女子だった。ニットキャップにTシャツ、下はデニム。スポーティなスタイルだ。
「アイドル好きな子ってもっと暗いと思ってたよ」
「ヒドイ! みゆき、意外とムードメーカーなんですよー!」
 さてこの彼女、まだこの時点ではアプリの善し悪しを判断できていなかった俺に、あるヒントを与
えてくれた。なぜタップル誕生をやり始めたのか、という問いに対してこう答えたのだ。
「アメブロ見てたら広告があったのかな?」
 そう、タップル誕生はサイバーエージェントが手がけているため、アメーバ関連のいわゆる真面目系サイトにリンクが貼られているのだ。
 みゆきちゃんは、出会い系などこれまで一度も使ったことがないという。そんな彼女すら取り込ん
だこのアプリ、相当な力量だとは言えないだろうか。
「あーおなかいっぱい! ていうか、みゆき食べたらすぐ眠くなるんだよねえ」
「いま家だったら間違いなくここにゴロンって寝転がるよね」
「うんわかる! ていうかダラダラしたい! どっかダラダラできるとこ知らない? って、こんな都会でそんな場所ないかあアハハ!」
 この台詞。遠回しにラブホに誘ってるとしか思えないではないか。
「うーん、ここらへんでゆっくりできるところかぁ。ちょっと思い当たるとこもあるからブラブラ探
してみよっか」
 店を出て、すっと右手を握ってみたら、すぐに握り返してきた。そのままラブホ街へと入っていく。「どこがいい?」
 冗談交じりで尋ねると、みゆきちゃんはニコニコしながら、噴水の流れるホテルを指差した。
「あそこに入ってみたーい!」
 そして一銭も払わずにセックスへ。どうだろう、この展開。単なるフロックなのか、それともアプ
リの実力なのか。答えは報告を読み進むうちにわかるはずだ。
 みゆきちゃんとセックスし終えたその夜、つまり6月2日。また何人もの女性に「いいかも!」を
押しまくった結果、タップルが成立した。
 都内で事務の仕事をしているというかおるさん。プロフィールには「32才のバツイチ」と書かれてある。プロフィール写真は小保方さんが少し老けたようなカンジで、
「バツイチなのでたまに寂しいときがあります。家と会社の往復なので、なにか自分が変わるきっか
けになればと思い登録しました」とある。こんな真面目な女性を招き寄せる理由かもしれない。
はじめまして☆寂しい夜ってありますよね!毎日、さみしいから猫と一緒に寝ています笑
僕も一人で寝る前、ふと人恋しくなって温もりを求めたくなるときがあります(つд⊂)笑
かおるさんは、そういうことってありますか?
ほんとうは人間と布団の中で寝たいんですけどね笑
僕でよければ一緒に寝させてください笑
だったら。。。いまから来て!…って何言ってんだろ私(・・;)笑
こんなおばさんなんかと話してホントにいいの?
お仕事って、平日は何時頃終わるんですか? もし早めに終わる日があれば、ぜひかおるさんの「寂
しいトーク」の聞き役にならせてください笑
 こんな調子で続けること30分。
いとも簡単に、2日後水曜日の夜に食事アポが成立したのだった。
 当日。かおるさんはリアルの顔も小保方さんだった。まずは乾杯して、普段の生活を聞いてみる。
「仕事終わったらすぐに横になってね、お風呂入って寝るの。ほんとにそれだけ! あははは!」
「そういうの、いいですよね。リラックスできるのが一番じゃないですか」
「ほんと? こんなダラダラしたおばさんのどこがいいの?」
 職場の話や、小保方さんに似てると言われる話、さらにタップルは本気で「恋活」をすべく始めたことを彼女は教えてくれた。出会い系サイトが持ついやらしいアングラなイメージはこのアプリに持
っていないらしい。
 アプリがリリースされてからすぐにダウンロードしたのは、すでにサイバーエージェントが提供す
る他のアプリを落としていたから「ついでに」といった意味合いもあったようだ。
 すっかりリラックスしたかおるさんが一瞬真面目な顔になった。
「あのね、もう仲良くなったから素直に言いたいことがあるの。いい?」
「だいじょぶですよ」
 まさか、いきなりの告白? そう思ったが、予想外の答えがかえってきた。
「実はね、わたしタバコを吸うんだけど」
 彼女、本当に真面目なのである。
「ぜんぜん大丈夫ですよ。タバコ吸う女の人ってカッコいいし」
「ほんと? そんなこと言ってくれるの初めて!」
「さっきからずっと我慢してたんですよね? そしたらタバコが吸えるゆっくりしたところいきまし
ょうよ」
 手をつないで店を出て、最初の横断歩道で小保方さんの唇をじっと見つめた。
「ちょっと一瞬目つぶってもらっていいですか?」
 素直に目を閉じた小保方さんに、一気にキスをきめる。抵抗はなかった。
 横断歩道が青になったところで手をつなぎなおし、あっさりとホテルへ。終始マグロではあったも
のの、これぞ素人という地味なセックスは感激モノだった。