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ドヤ街・違法博打や借金から逃げ出してきた人間が集まる街の実態

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JR石川町駅に降立った。ここから駅南口に出れば元町、下公園など横浜を代表する観光地へ、北
へ進むと寿町に行き当たる。つまり、ハソな世界とスラム同然の別世界が駅を挟で隣接しているのだ。これほど壮大な皮も他にないだろう。そんな感慨にふけりながら歩くことしば、松陰2丁目交差点を通過したあたりで並みがガラリと装いを変えた。道の両側にぎっしりと建ち並ぶドヤ(○荘など)の看板。午前中にもかかわらず、でにオープンしている無数のスナックや酒屋。そして、道端のあちこちでは男どが寄り集まり、缶ビールやワンカップで盛りを開いている。これですよこれ。このフリーダムな空気そがおれの求めていたものだ。ただひとつ、気になる点が。先ほどからにつく人間がことごとく高齢者で、若い男の姿がまったく見当たらないのだ。いや、そもそもこういう場所で20代の若者など滅多にいないものだが、30代や40代の層までほぼ皆無ってどういうこと? まるっきりジジイ天国じゃん。不思議に思いつつ、1軒のドヤに入った。とりあえず今晩の宿を決めて荷物を下ろさねば。
「一泊したいんですけど部屋空いてます?」
「は?ねえよ」
ぶっきらぼうな受付のオヤジに追い出され、次のドヤへ。しかし。
「1泊は無理だね。うちは長期滞在向けだから」3軒目でも、
「満室だよ!」
結局、6、7軒目のドヤでようやく部屋を確保できたものの、エアコン、テレビ付きの3畳間が1泊2500円と聞き、少し驚いた。ドヤってこんな高いものだっけ(西成では同条件の部屋の料金相場は1500円程度)? 漫画喫茶やカプセルホテルとたいして変わんねーじゃん。
首をかしげるおれに、受付のオッサンが眉をつり上げる。
「コトブキのドヤはどこもこんなもんだって。福祉で暮らしてる人ばっかりだしよ」
オッサンによれば、現在、寿町にある120軒以上のドヤには5、6千人の宿泊者がおり、その8割強が生活保護受給者であるらしい。ドヤは事実上、彼らの住居となっており、その宿泊費は横浜市が負担しているため、どこも料金設定が強気なんだとか。ふーん、ちゃっかりしてますなぁ。
「いまは日雇いの仕事もめっきり減ったからな。あんちゃんも見たろ? そこら中、福祉のカネで呑気に飲んだくれてるジッチャンばっかだよ」
さらに驚いたのは、部屋のカギをもらって館内に入ってからだ。通りかかった共有スペースで50代らしきオバチャン宿泊者4、5人が談笑しているではないか。粗末な身なりからしておそらく生保受給者なんだろうけど、まさか男天国が常識のドヤに女がいるなんて。何だかコトブキってところは、西成とはいろいろと状況が違うようだ。いったんドヤ街を出て、リサイクルショップで古着のスウェット上下とサンダルを購入した。街にすんなり溶け込むには、やはりナマポ(生活保護受給者の俗称)らしい変装がベストだろう。着替えを終えてコトブキに戻り、徘徊を開始した。あらためて思うのはこの街のいびつな光景だ。ドヤ、ドヤ、飲み屋、ドヤ、デイケア施設、飲み屋と、軒を連ねる建物があまりにも偏りすぎている。目の前の角を曲がってもその先にはやはりドヤ、ドヤ、飲み屋、そして電気店…。ん、電気店?違う。違法博打のノミ屋だ。間口いっぱいに開け放った入口に大型テレビが何台も並んでいるので、てっきり売り物と勘違いしてしまった。よく見れば各スクリーンに競馬、競艇、競輪の生中継が映っている。てか、何でこんなあけっぴろげに営業してんだよ!
ノミ屋はなかなか繁盛しているようだ。外から丸見えの店内をポカンと眺めている間にも、赤ら顔のジーサンやオッサンが次から次へと吸い寄せられるように入っていく。面白い。おれもいっちょ勝負していくか。店内に足を踏み入れた直後、いかにもソッチ系の強面オヤジ店員が足早に近づいてきた。「おめぇ、見ねぇ顔だな。何ウロウロしてんだよ?」
「え、これから遊ぼうかと…」
「あ? 遊べるわけねぇだろ。出てけよ、おら」
商売の性質上、一見客を警戒しているのかと思ったが、まんざらそういうわけでもないらしい。なぜなら門前払いを食ったあと、すぐに見つけた別のノミ屋にはすんなり入場できたのだ。ただこのノミ屋、賭けを受け付けているのは競輪と競艇のみのようで、素人のおれには予想の立て方がさっぱりわからない。とりあえずオッズ表を見ながら手堅い車券や舟券を買ってみるも、軍資金は目減りするばかりだ。うーむ。途方に暮れていたところ、いきなり関西弁のオッサンが話しかけてきた。
「お、おう、ちょ、ちょ、ちょ、調子はどや!」
何だろう、この人。えらいドモリのうえに、小石を口の中でコロコロ舐めてるんだけど。飴ちゃんの代わりか?
「いや、ハズレてばっかです。勝ってます?」
「ま、ま、まあまあや! い〜〜今も、ごごごご5レース、と、と、獲ったで。えへ、へへ」
ドモリのオッサンのポケットにはしわくちゃの千円札が大量に詰まってる。たしかに調子はいいみたいだ。負けもだいぶ込んできたし、いっそこの人の予想に乗っかってみるか。
「次のレース、買い目教えてくださいよ。もう自分の力じゃ勝てる気しないんで」
「え!」オッサンがキッと目を見開いた。ちょっとぶしつけなお願いだったかしら?
「え、え、ええよ!」ドモっただけかい!
「ほ、ほ、ほやけど、ワシ次で、か、か、か、か、帰るで! ひ、ひ、ひ、昼寝の時間やさかいな」
 ドモリ氏に教えられた2連単の舟券は見事的中した。12倍の配当に1千円突っ込んだので払い戻しは1万2千円。これでトータルマイナス1千円まで押し戻した。この調子でドンドン行きたいところだが、頼みのドモリ氏も帰ることだし、バクチはこのへんでやめておこう。
「勝たせてもらってありがとうございます。酒でもおごらせてくださいよ」
「か、缶コーヒー買うて。さ、さ、酒は、の、の、飲まへんねん」
「ところで何で石なんか舐めてるんですか?」
初っぱなから気になっていたことを尋ねると、ドモリ氏は困ったように頭をかいた。
「が、が、ガキの頃からの、く、く、クセやな。せ、せやけど、あ、あ〜アカンわ。は、歯ぁが弱なってもうてすぐかけるねん。み、み、見とけよ」
そう言って彼は口の中で「チッ」と音をさせ、手の平に数ミリ大の灰色のカケラを吐き出した。
「な? こ、こ、これやもん。も、もう歯ぁ、ぎ、ぎ、ギザギザやでホンマ」
歯のカケラを路上に捨て、ドモリ氏は缶コーヒー片手に帰っていった。なんだか、いろいろとスゴイ人だったな。夕方。コトブキの中心地、寿労働センター内の銭湯でひと風呂浴びた。さっぱりして外に出ると、街はどしゃぶりの大雨だ。この天気に街のジーサンたちも酒盛りをあきらめたようで、通りにはほとんど人影はない。と、そのとき、目を疑うような光景が。すぐ目の前のドヤに若い女らしき人物がスッと入っていったのだ。後ろ姿しか確認できなかったが、スウェットズボンにTシャツという出で立ちでスタイルは悪くない。あれもナマポのドヤ住人なんだろうか? マジ?適当に入った居酒屋で、隣のオヤジに聞いてみる。
「この辺りのドヤって若い女も住んでるんですか?」
「ああ、何年か前からたまにそういうのがコトブキに流れてくるんだよ。最近も2、3人見たな。どれも30前後くらいだったよ」
「やっぱ福祉とかもらってるんですかね」
「若いからどうだろうな。けど、よほどのワケありだよ。こんなとこに住みつくなんてさ」
ふいに店のママがオッサンに声をかけた。
「●●ちゃん、はやく出してよ」
「あ、悪い悪い。すぐ書くよ」
オッサンがメモ紙にいくつかの数字のようなものを書きつけ、慌ててママに渡す。どうやらギャンブルの買い目のようで、ママが客相手にノミ行為を働いているっぽい。よく見れば店内には、普通のテレビの他にもうひとつ、ボートレースを放映中の専用スクリーンが設置してある。いよいよ何でもアリだな。まさかこんな普通の居酒屋でもバクチが打てるだなんて。
半ば感心するおれをよそに、店の入口付近ではジーサン客たちが50代のおばさん店員を捕まえからかっている。
「おい、●美。ちょっとおまえ、アワビ見せてみ、アワビ!」
「そんな立派なもんありません。アタシのはシジミですから」
「おう、シジミもいいな。酒の後に最高よ、シジミ汁は。ちょっと吸わしてくれんか。なあ、おい。●美のシジミ汁ちょうだい」
何か感慨深いものが胸にこみ上げてきた。衣食住を保証され、生活保護で酒を飲みバクチに明け暮れ、医療費までタダのコトブキ住人たち。ある意味、そこらの年金暮らし老人より100倍幸せなんじゃないの?
2杯目の生ビールを飲み干したところで店を出た。外は雨あしが一層激しくなっており、日はとっくに暮れている。やや飲み足りない気分で歩きはじめた矢先、1軒のスナックが目に止まった。軒先には小ぎれいな感じの中年ママが寂しげに立っている。彼女からお声がかかった。
「ひどい天気ね。どう、1杯飲んでかない?」せっかくだし、ここにするか。
「じゃ、ちょっと寄ってくわ」
足を踏み入れた店内は10畳ほどの狭さで客はゼロ。奥のテーブル席に座ってウーロン杯を頼むと、ママも向かい側に腰かけた。
「この雨だから全然お客さんがこなくて参ってたの。ね、私も一杯いただいていい?」
ママの口から熟れた柿のようなアルコール臭が漂ってくる。こりゃすでにだいぶ飲んでるな。
「あ、いいよ飲んで。でも結構、酔っぱらってるんじゃない?」
「そうでもないよ。…はあ〜」
「どうしたの、タメ息なんかついちゃって」
「何でもない。人生って大変だなって思って。でもさ、明るく生きてればいいこともあるよね?」
「まあ、そうかもね」
「うん、そうよ。オニーチャン、良いこと言うね!」
いや、良いこと言ったのはあなたでは?その後30分、同じようなやり取りが何度も繰りかえされた。世間話の合間にママが急に落ち込み、そのつど自分で激励してはハイテンションに。で、またしばらくしてタメ息をつく。よほど嫌なことでもあったのだろうが、だんだん酔っぱらいの相手も疲れてきた。いい加減おあいそするか。ところが、ママさんが急におれの隣に移動してきた。お、なんだ?
「そう言えばお兄さん、こんないい男なのにコトブキに住んじゃうってかわいそうね」
そう言ってしんみりと手を重ねてくるママさん。
「ドヤにいるってことは独りもんでしょ?あっち関係はどうしてるの? いつも自分で?」
どうやら彼女、おれを独身のナマポか何かと勘違いしてるっぽいが、こういう展開はちょっと予想外だ。これ、明らかに誘ってるよな。ならば。
「そう、いつもひとりで処理してるから、ママさんのお手々でやってもらうと嬉しいかも」
「やだぁもう。ふふ。こうやってやるの?」
やだとか言っても全然そんな素振りはない。むしろ嬉しそうにズボンの上から股間をナデナデしてきたぞ。彼女、どう見ても50は超えてるものの、そこそこの美形だし、この際、贅沢は言ってられない。せっかくのコトブキでのハメチャンス、モノにしたいぜ。しかし、おれの意気込みは空振りに終わる。この直後、ママさんの携帯が鳴り、彼女が長々と話し込んでいる最中に数人の客が来店してしまったのだ。何だよもう!いったんドヤに戻り、思案した。一度盛り上がったセクシャル気分は容易には鎮まらない。では、どうするか。
コトブキ周辺には曙町や福富町といったフーゾク街が点在している。そこでヌクのももちろん、ひとつの選択肢だ。だが、おれにはある事柄がずっと心に引っかかっていた。そう、昼間見かけたあの若い女ドヤ住人だ。どうせカネを払って女を抱くなら、あの彼女にエンコーを持ちかけた方が興奮するに決まってるし、それでこそコトブキ1泊旅行もキレイに仕上がるというものだ。
問題はどうやって接触するかだが、作戦は一応ある。コインシャワー前での待ち伏せだ。コトブキのドヤには風呂がない。ドヤの隣、あるいはごく近所に設置されたコインシャワーを使うパターンがほとんどだ。そしてこの汗ばむ梅雨の時期、若い女であれば毎日欠かさず寝る前にシャワーを浴びるハズ。ということはひたすらコインシャワーの前に待っていれば、必ず彼女は姿を見せるに違いない。懸念材料があるとすれば時刻が午後9時を少し回っていることか。すでにシャワーを終えていれば完全終了だが、とにかくそこは運に任せるしかない。どうか、上手くいきますように!
依然と雨が降りしきる憂うつなコンディションの中、彼女のドヤ近くにあるコインシャワー前に足を運んだ。シャッターの閉まった商店の軒先に身を潜め、ターゲットの到来を待つ。
午後9時半。シャワー利用者の姿はパラパラ見受けられるものの、すべて男だ。あの女はまだ来ない。午後10時。この時間になると利用者はかなり減り、通りの人影もまばらに。…大丈夫か?それからさらに30分。いよいよ諦めムードが漂いはじめたところで、ようやく待ち人が現れた。昼間見かけたときにはなかった黒のカーディガンを羽織っているが、あのシルエット、髪型は間違いない。よし、いけ。
「あの、ちょっといい? 別に怪しいもんじゃないんだけど」「は?」
警戒心を露わに彼女が足を止める。間近で確認したその顔は団子鼻のややバタ臭い造りで、32、33才くらいに見える。
「ここのコインシャワー使わない方がいいよ。さっき変なジーサンが中でゲロ吐いてたから」
「…え、マジで?」
「マジマジ。だっておれ、そのジーサンの後にシャワー使ったもん。おまけにゲロ踏んじゃったし」
「はあ? ふふっ」
お、クスッとしたな。多少は警戒が解けたか。
「どうせならキレイな風呂でゆっくりした
ら? ここからちょっと離れたところにラブホテルあるし一緒にいこうよ。もちろん、お小遣いもあげるから」ようやくこちらの目的を察したのか、彼女が呆れたように言う。
「あのさ、そういうことしたいなら私じゃなくてよくない? フーゾク行けば?」
「いや、どうしてもキミがいいんだよね。お願い」
一瞬の間があった。
「…で、いくらくれんの? こんくらいは欲しいんだけど」
立った指は2本だ。おいおい、話がまとまりそうなのはうれしいけど、2万って。ドヤ住人のくせに欲張り過ぎじゃね? 1万で十分だろ。
「だってこの前声かけてきたおじーちゃんも2万くれたし」
「じゃイチゴーは?」
「うーん、まあ、いいよそれで」
ふう、交渉成立!コトブキ付近のラブホへ移動する道中、彼女(30才)に尋ねてみた。
「ところで、なんでドヤなんかに住んでんの?」
「親とか友だちとか、いろいろと揉めまくっちゃったんだよね」
詳しくは語ってくれなかったが、どうやら借金絡みのトラブルを抱え、千葉の実家から逃げ出してきたらしい。
「それからいろいろ転々として寿町に来たの。今はここから川崎のピンサロに通ってる」
ドヤに身を寄せる薄幸女を抱く。そんな密かな楽しみがもろくも崩れた瞬間だった。まさか現役のピンサロ嬢だったとは。ガックシ。こちらの落胆をよそに彼女が続ける。
「いま知り合いに捕まったらマジ命やばいんだけど、寿町にいたら絶対に見つからないじゃん?だから、まだしばらくはここにいるつもり」
命って。いったいアナタ、何をやらかしたのよ。望んだシチュエーションこそ叶わなかったものの、彼女とのセックスはそれなりに楽しめた。ワリキリにありがちなビジネスライクさはなく、特にたっぷり時間をかけて全身リップしてくれた点は賞賛に値する。満足感に溢れる一発だった。はぁ、すっきりした。翌朝、荷物をまとめてドヤを出ると、付近にパトカーが数台止まっていた。何事かと足を止めてみれば、取り巻く野次馬の中からこんな声が。
「部屋の酒を盗んだとか何とか言って、隣室のジーサンを刺そうとしたんだってさ。バカだな」
どこまで行っても濃すぎる街だ。もうゲップ出そう。

ドヤ街からマルチ商法で成り上がるまで実録

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当時26才のオレは、大阪の片隅の美容院で美容師として勤めていた。仕事は順調だった。カットの技
術はまずまず、接客態度もそこそこ(自分なりの査定だが)。経営者にも気に入られ、同い年のサラリーマンを少し上回る程度の給料をもらっていた。そんなオレに突然の不幸が襲ったのは夏のある日のことだった。ワケもなく手が震え、心臓がバクバクし、冷や汗を掻き始めたのだ。慌てて病院に出向き、検査を受けると、医師から「バセドウ病」との診断が下った。甲状腺ホルモンが活発になることによって、精神や肉体に影響が出る病気らしい。
 現代医学では治療法が確立されておらず、治るかどうかは本人次第。場合によっては、ずっとこのままということもあり得る…ってホンマかいな!?
「なんとかなりませんか、先生」
「とにかく、通院治療をしてみてください」
 転落はここから始まった。病気は一向に治らず、店をクビになったのだ。そりゃ、手が震える美容師なんて置いてくれるわけがない。しかたなく職安にライン工場の仕事を紹介してもらい、ときどき震える手をごまかしごまかし作業していたのだが、この生活もすぐにままならなくなった。体調のせいで欠勤が増え、クビになったのだ。もはや働く気力も奪われた。完全な無収入だ。そうして半年、蓄えが2万円を割ったあたりで、電気ガス水道も止められ、部屋の中は真っ暗に。家賃すら滞納するハメになった。ある日の夕方、部屋のドアが激しくノックされた。
「管理会社の者ですが! 谷中さんいるんでしょ! 家賃どうなってるんですか」払いたいのは山々なれど、ない袖は振れない。このままここにいたら自分がオカシクなりそうだ。もはや限界。オレはボストンバック一つ抱えて部屋を飛び出した。3日ほど新大阪の駅構内や公園のベンチで眠った。服はぼろぼろ、髪はべとべと。所持金はすでに1万円を切り、のっぴきならない状況に陥っていた。
 ほうほうの体で向かったのは、西成だった。
いわずと知れた、日本一のドヤ街である。借金を抱えた者、追われてるヤツ、わけありの人間が最後の最後に落ちていくところだ。気持ちに余裕があれば、他の選択肢も浮かんだろう。パチンコや違法のポーカーゲーム屋で働く手もあったと思う。でも貯金もなく、手がしばしば震えるような状況では、とても生活を送れるとは考えられなかった。一種の自暴自棄に陥っていたのだろう。西成にいるのは労働者風情ばかりだった。真っ昼間だというのに酒場はすでに開いており、ワンカップをかっくらっているオッサンがあちこちにいる。仕事なんてどこふく風と言わんばかりだ。
 三角公園では、白昼堂々と丁半バクチが行われていた。警察が取り締まらないのが不思議なほどである。ツボ振りの威勢の良い声がとどろく。
「丁ないか〜、半ないか〜」
 集まった6、7人の男たちが、小銭をかけ、サイの目に一喜一憂している。こうして彼らは、なけなしの金をむしり取られていくのだろう。ともかく体を落ち着かせようと、三角公園近くにある1泊700円の安宿に飛び込んだ。案内された部屋は想像以上に酷かった。広さ一畳ほどの室内に、テレビと布団が置かれてるだけ。窓がないせいで陽の光が入らず、やたらじめじめしている。壁にシミついたタバコや酒、汗の入り交じった匂いも、タマらなく臭い。
「テレビは有料やから。隣の部屋の人もおるし、あんまりうるさくせんように」
「は、はい」
「延泊する場合は前の日の夜に払ってな。ほんじゃ」
 オバハンが出て行って、オレはごろりと横になった。ただただ眠りたかった。翌日から仕事に出た。朝の5時ごろ三角公園に行けば、手配師から日雇いの仕事を紹介してくれると、宿のオバチャンに聞いたのだ。
 日雇い仕事のキツサは想像を絶していた。連れて行かれたのは、ビルの建築現場である。オレたち日雇いの仕事は、鉄骨や鉄板などを職人さんに届けるのだが、とにかく重さがハンパないのだ。20キロはあろうかという鉄板をかついで、あっちこっちを走り回らなければならない。ときどき震える手で。あたりには鉄骨などの建築資材がゴロゴロしており、うっかりつまずけばいつ骨折してもオカシクない状況だ。ひるんでいると、若いニーチャンからドヤしつけられる。
「何やっとんねん! オッサン」
 こうしてもらった日当7千円は、すぐ散在に消えた。労働した後のビールというのは、悪魔的なほどに魅惑的である。定食屋に行けば、メシのみならず、瓶ビールや酎ハイをしたこま飲んでしまうのだ。よっぱらって店を出ると、タバコや酎ハイ、エロ本、乾き物やオカシを買い込み、宿に戻って、また1人で酒盛り。当然、金は残らない。
(まあええわ。また現場仕事すればええし)
 こうしてオレは、気が向いたときだけ働き、金がなくなったら、また仕事をするという、典型的な労働者サイクルに陥った。西成でのその日暮らしは1年以上つづいた。病気さえ治ればいつでも抜け出せるとタカをくくっていたが、手の震えは一向に止まらず、オレはこの生ぬるい環境に身をからめとられてしまっていた。その日、日雇いの仕事にありつくべく行列に並んでいたら、手配師の後ろに見慣れない男が立っていることに気づいた。
 イカツイ顔に、ただならぬ雰囲気。明らかにヤクザである。手配師がペコペコしてるところからして兄貴分なのだろう。まあオレには関係ないことだ。と思ったら、その男が「大丈夫か?」と声をかけてきた。ぷるぷる腕が震えていたので、体の具合でも悪いのかと思ったのかもしれない。
「すんません。具合悪いんとちゃうんです。バセドウ病言うて、腕が動かんのですわ」
「そりゃ難儀やのう」
「この腕のおかげで、こんなとこまで落ちてもうて。ホンマやったら今ごろカリスマタ美容師になって女とヤリまくっとったのに」
「なんやそれ?」
「カリにスマタのダジャレですわ」
「はは、兄ちゃんアホやのー」
 このヤクザが一本の糸を垂らしてくれた。
「まだ若いんやから、こんなとこにおったらあかんで。仕事紹介したるわ」
「仕事ですか」
「知り合いのスナックがオープンしたばっかで人手が足らんねん。大した金は払えんけど、住み込みで店員やってくれへんか」
 どこの誰とも知れぬヤクザの提案を二つ返事で受け入れたのは、だいそれた希望があったわけではなく、ただ西成から離れたかっただけのことだ。スナック店員の仕事は、手が震
えても問題なくできた。住み込みで給料は15万。とても満足できる内容じゃないが贅沢を言える身分じゃないことはわかってる。このスナックは、関西の有名芸人が経営していたため、彼と親しい芸人が毎日のようにやって来た。元来がミーハーに出来ているオレ。店のカメラを使って、彼らとのツーショット写真を個人的にぱちぱち撮りまくった。
「はい、笑ろてください」
「なんや、リクエストかいな。おれの笑顔は高いで」
「いいですねえ。はい、チーズ」こんな調子で、有名どころからマイナーまでおよそ50人分は撮り溜めたろうか。西成暮らしだった男が、有名芸人とツーショット写真に収まれるなんて、こんな環境でしかありえないことだろう。そのスナックは1年で経営が立ちゆかなくなりあっさりつぶれた。どうするか。手元に残ったのは、10万円ばかりの現金と、芸人とのツーショット写真だけ。この持ち駒を使っていったい何が出来るのか。芸人と親しい男だとはアピールできるが………。ひらめいたのは、マルチ商法だった。有名人と交流があることを(といっても写真を持ってるだけだが)武器にすれば、アホなカモを捕まえられるのでは。さっそくオレは『ビジネスチャンス』というマルチ専門雑誌に広告を載せていた会社に片っ端から電話をかけた。
「すんません。芸人とのツーショット写真を持ってるんですけど…」
 使えると判断したのか、化粧品を扱うマルチ業者、X社が興味をもち、営業マンとしての採用が決まった。報酬は基本給15万円+歩合である。X社のシステムは他のマルチ同様、客をみつけて商品を買わせれば、そしてその客がまた新たな客をみつけるたびに収入が上がっていくシステムだった。オレの最初の客になったのは、40代後半のサラリーマンだった。彼と出会ったのは、X社がマンションの一室で主催するマルチの説明会場だ。のっけからオレは武器を使った。
「不安はよ〜くわかります。ただ、例えば、私の知り合いには芸人さんが大勢いらっしゃるんですがね。彼らもこの化粧品を愛用してるんですよ」「ホンマですか?」
「ええ。成功者というのは、本物がわかるものなんですよ。それこそが商品が素晴らしいという証拠じゃありませんか」
カバンの中からアルバムを出し、嘘八百を並べ立てる。
「これは僕の馴染みの会員制のバーなんですがね。よくこの方とご一緒するんですわ」
「え?き●しさんじゃないですか?」
「ええ。この方もウチの商品をつこてますわ。あと、こちらの方ととか」
「よ●●ちさんですよね!」
「彼もウチの商品の大ファンなんですよ。他の芸人さんにもすすめてくれていてね。ありがたいですわ」
「は〜〜」
 芸人さんには申し訳ないが〝証拠〞の効果は絶大だった。大阪という町は、芸人のお墨付きに弱い土地柄なのだ。契約はまとまり、この一件だけでオレの元には32万円が転がり込んだ。以降もオレは、交渉を行うたびにツーショット写真を使った。例えばある客はマルチそのものに関心がなかったはずなのに、●●さんもやってるんですわ、●●師匠もですわと口説けばだんだんと目の色が変わり、即日、入会を申し込んだ。
 例えばある客は●●師匠の肌がキレイなのはこれのおかげやったんかと感心し、商品の効果を信じた。マルチビジネス成功の鍵は、結局のところこちらの人間性をどう信用させるかに尽きる。オレ自身はうさんくさい人物でも、その知人に有名芸能人がいれば、彼ら彼女らはいとも簡単にオチてくれた。多くのマルチ会社が有名人を広告塔に持ってくるのも、つまりはそういうことだ。オレの月収は半年で100万円を突破し、周囲には取り巻きのようなグループができた。成功者にあやかろうとする連中だ。
 このあたり、憧れや損得勘定がないまぜになったマルチ独特の人間関係で、彼らはこの人に付いていけば自分も金儲けできると信じ、そして実際に必死に子を勧誘して、オレを儲けさせてくれた。こういうピラミッド関係ができあがれば、マルチは勝ちである。いつしか収入は200万を超えていた。
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