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中古車の購入を検討する際、役に立つのが中古車情報誌である。ページをめくればショップごとにピンキリの様々な中古車が掲載されている。そんな中、思わず目を疑うのが、冗談かと見まがうほど激安な車である。上に掲載したのも「カーセンサー」と「GOO」のサイトで見つけた広告だ。ステップワゴンが100円、アコードが1円…。常識を軽くブチ壊す衝撃の価格設定である。
が、だからこその疑問もわく。そもそも、ホントにこんな安い車を在庫しているのか。不動産屋よろしく、客寄せのオトリ広告ではないのか。一方、あったらあったで、表示どおりの価格で買えるのか。なんだかんだと上乗せされるんじゃないのか。さらに、激安で買えたとして、ちゃんと動いてくれるかも怪しい。車として機能しないなら鉄クズも同然だ。中古車情報誌からめぼしい商品をピックアップし、実際に店へ足を運んでみることにした。まず目をつけたのは「カーセンサー」に大量の広告を載せている埼玉の大型ショップ「E」。1000万以上の車も多く扱う一方で、1万円以下もチラホラ。オデッセイ5千円、エスティマ5千円…。在庫はかなり豊富のようだ。
果たして、店の展示スペースには、確かに広告に掲載の1千円レガシィW2.0GTも置いてあった。年式は平成6年、走行距離14・3万kmだ。まずは店員に聞いてみよう。
「これって千円で買えるんですよね」
「まぁ、あくまでも車体価格が千円ということで、他にいろいろ諸費用がついてきます」
えっ?じゃあ、総額は?
「だいたい30万くらいですね」30万!表示価格の300倍じゃないか。ツッコミたい気持ちを抑えて、内訳を尋ねる。店員によればこの車、すでに車検が切れており、改めて整備して2年車検をつけねば売れないとのこと。プラス、税金、ナンバー登録の代行費用が加わるらしい。
「車を買われたことがある方ならわかるはずですけど」
うっさいわ!待て待て。では、車検がまだ残っている車はどうなのか。これなら整備代もかからないはずだ。情報誌で車検付きを探し、神奈川の「F」で車検2年付きのカリーナを見つけた。店に電話をかけると、まだ在庫アリで、試乗もOKらしい。行くしかない。1時間半近く電車に揺られ、国道沿いのショップへ。
「9千円の車があるって聞いたんですが」
「はいはい、試乗もできますよ。これ、ずっと年配のオーナーが乗ってて、ウチでも代車で使ってたんだよ。足代わりなら全然問題ないよ」
目当てのカリーナは、走行距離5.5万kmと少なめで、車検も来年9月まで残っている。平成5年式だけあって見た目はちょっと古くさいものの、さしたる傷もナシ。いざ試乗してみると、これが拍子抜けするほどちゃんと走る。むろん、キビキビとしたステアリングなどとは無縁だが、ジャスコに晩飯を買いに行くか…ってときにはいい足になりそうだ。
 ボンネットを開けてもオイル漏れはないし、タイミングベルトもヒビが入っていない。これで9千円は買いかもしれん。が、見積もりを出してもらうと、それなりの額になっていた。乗り出し価格が税込み16万円ナリ。「名義変更も整備も自分でやる」と値切っても、譲る様子はない。
「これ以上引いたら、ウチの儲けがほとんどないよ。今日は後2人、この車、見に来る予定だから、マケらんない」確かに、車検付きでちゃんと動く激安車があるのはわかった。ただ、やはり表示価格とのギャップがありすぎる。せめて乗り出し価格が10万を切ってくれれば、十分に納得がいく。と、ここで見つけたのは、東京多摩エリアの「J 」なるショップ。この店が掲載していた日産パルサー( 平成4 年式、走行距離7.1万km、修理歴ナシ)は、車体1万円。車検も付いている。電話をかけてみると、
「パルサーですか? 普通に動きますよ。試乗してもらってもいいです」
「これ総額、いくらでしょう」
「うーん、ちょっと抑え目で9万円くらいです」
出た、最安値。もっと値切ってみよう。
「自分で名義変更しますから、もっと安くならないですか」
「だったら…乗り出しで5万円でいいですよ」
 5万! マジか!
「あ、でも車検が10月1日で切れちゃうんだよねぇ。えーと、あれ? 明後日で切れちゃいますね」
 な、なにーーーーーー !
「広告に書いてありますよね」
本当だ。よくよく見たら、平成19年10月と表記がある。完全に見逃していた。たった2日しか乗れないんじゃ激安の意味がないよ。金額にかかわらず、車ほど表示と実際価格に開きがある商品も他にない。もっとも、購入後の故障の有無を考えれば、その車の価値は手放すときにわかるんだろうな。