0101_20181209173535896_201910141841204d5.jpg0108_20190506180711850_20191014184121837.jpg0109_2019050618071226f_20191014184123393.jpg0110_2019050618071412e_20191014184124b70.jpg0111_2019050618071558a_201910141841267b9.jpg0112_20190506180717306_201910141841274e8.jpg0113_20190506180719a8a_20191014184129c2b.jpg0131_201905072336176c9_201910141841301aa.jpg0132_201905072336183bc_2019101418413219d.jpg0133_20190507233620264_20191014184133953.jpg0134_20190507233621995_201910141841353b1.jpg0135_20190507233626b07_2019101418413622d.jpg0136_20190507233630ba5_20191014184138bdc.jpg0137_201905072336349f2_20191014184139def.jpg0138_20190507233639ba5_20191014184141cf1.jpg1週間前に同じ仕事やってる友だちが捕まっちゃったんだ。原因は客のチクリ。大方、捕まった客が「買った先を言えば情状酌量付けてやってもいいぞ」なんて言われてゲロったんじゃないの。
好奇心で1回やってみようなんて手を出したヤツは、肝が据わってないから警察に尋問されるとビックリしてベラベラしゃべっちゃうんだ。そいつ、内偵入って他の客にブツを渡した瞬間にガシャンだよ。知り合いの刑事に様子を聞いたら、調べでオレの携帯番号も挙がってるって言うんだよな。この際、しばらく東京から消えてようかと思ってさ。信じられないかもしれないけど、
こういう商売をやってる以上、警察に知り合いを持つことは必要不可欠なんだよ。オレの場合は飲み
屋でたまたま刑事と相席になったのがきっかけ。ただ、管轄があるから1人だけ知っててもしょうがないの。広域情報を知ってる本庁とか機動捜査隊とかの人間と仲良くなんないとさ。だから、その同期とか知り合いを紹介してもらって広がってったみたいなね。
「この電話番号、お前のだろ。内偵入るみたいだよ。ナニ悪いことやってんの」って、今回情報を流
してくれたのもその中の1人だよ。オレの商売を知った上で自分は関係ないって言い方するのが彼らの悪いクセなんだけど、ネタは確かだから。
実は内偵入るぞって言われたのは2回あってさ、今までは電話番号を変えただけで何もなかった。でも今度ばかりはツレが捕まってるから用心しないと。ちょっと暖かい島にでも遊びに行ってくるよ。
え、信じられない?いや、これが現実よ・知り合いの売人もみんな警察とはツーカーだもん。当然、その代わりそれ相応のことはしてるさ。
例えば、4月には警察も新人とか入ってくるじゃない。先輩としては飲みに連れていったりエエカッコしたいわけ。でも、公務員の給料自体はそうよくないから自分じゃ金は出せない。
そういうとき、ヤシらはオレを呼ぶんだよ。普通の飲み屋やパブのこともあるし、オネエチャンがついて最後には…みたいな店とか。2次会、3次会の後、ソープ、ホテトルでシメなんて場合もね。状
況によってまちまちだけど、金を払うのはぜんぶオレだよ。
って言っても、全部がOKなワケじゃない。用心はしてるさ。少なくとも半年に1回番号は変えてるし、客や売人仲間がパクられても、そいつがしゃべるかもしれないからやっぱり変える。
例えばさ、常連からしばらく連絡来なくなったらこっちからかけてみる。で、通じなかったらトラブってる可能性アリってこと。
初めての客に売るときも慎重にやる。基本的に常連の痴茄介しか受け付けてないけど、警察に事
情聴取受けて、オトリ捜査に協力するってことも考えられるからさ。そういうときは約束の時間より早めに行って、周りに張り込んでるヤシがいないか確かめる。不自然に長居してるヤシがいたりしたら念のため場所を替えたりさ、これでも一応は危ないモノを扱ってるって認識はあるから、それぐらいのことはしないと。
で、相手が1人で安心できそうなヤツだと思ったらこっちから声をかけてタバコの箱に詰めたシャブを渡す。よくさ、マンガなんかでコインロッカーにクスリを入れといて金と引き換えにカギを渡すとかあるでしよ。あんなのやんないって。オレは本屋とかコンビニで待ち合わせて、雑誌を立ち読みしてる客にボンと投げてその場で金をもらい、じゃあって帰る。金を銀行口座、もちろん架空だけど、それに振り込んでくるヤツには、振り込まれたらその分をそいつの家のポストに放り込みに行ったり。普通でしよ。だって内偵が入ったらどんな小細工したって同じだもん。
実録・覚せい剤シャブで逮捕されてシャバに戻るまで
俺と後輩2人は、イラン人の売人からネタを買うべく、クルマで東京・品川区の一角へ向かっていた。待ち合わせ場所である中原街道沿いのファミリーマート前に到着。さっそく電話をかけてみたが、留守電でつながらない。
「じゃあ、ここでとりあえず待ってよぜ」
車内でタバコをふかしながら売人は一向に現れない。
「おかしいな、あいつ約束は守るヤツなのになぁ」
「もうすぐ来るんじゃねえ?」
車内にイラついた空気が漂い始めたそのとき、1台のパトカーが近づいてきた。スッと後ろに停まり、出てきた2人の警察官が両側の窓ガラスをコンコンと叩く。ヤベエ…。って顔はしない方がいいよな。単なる職質だろ。平然としてろ平然と。「何やっての?こんな夜中に3人で。(車のナンバーを見ながら)キミたち横浜から来てんの?」
「そう、友達待ってるんすよぉ」
連れの1人がシレーッと答えると、おまわりが言う。
「じゃあさ、免許証とクルマの中ちょっと見せてくれないかなぁ」
「あ、いいつすよ」
ここで拒否したらかえって不審がられるってもん。っていうより、俺たちネタが切れてここまで買いに来てるんだから、どこをどう探られても証拠なんぞ出てくるわけがない。ケシの穴まで見たってア
ンダらが思ってるブツは見つからねえよ。しかし、
「オイ、なんだこりや」
警官の1人が後輩のバッグがら注射器セットを見つけるや、事態は一変。みるみるうちに3台のパトカーが応援にやってきて、俺たちは警視庁荏原警察署へ連行されるハメとなった。
「おめえやってんだる」
ええ、実は、なんて答えるバカはいない。
「やってないっすよ」
「じゃ腕見せてみろ」
注射器を打ちすぎて青タンのようになったヒジを差し出すと、アニマル刑事は呆れ顔で言う。
「あのな、カラダはウソつけねんだよ。まぁいいや。ションベン採ってもらうから」
ゲゲ、それだけはカンベンだ。
「いや、今全然小便出ないんで、明日か明後日でいいすか」
「ションベンぐらい、いくらなんでも2時間くらい待てば一滴ぐらい出るだろが。やってねえなら、
いいじゃねえか」
一昨日喰った(シャブを打った)ばかりだ。反応が出るのはわかりきっている。が、ここで逆らうわ
けにもいかない。
結局、その日は検査だけ終えて帰ったものの、ションベンはきっちり陽性反応。3,4日たつと逮
捕令状が出ることとなった。
なぜか手錠はかけられなかったが、ショックはでかい。
この後、指紋(ソレ専門の機械で取られた)や身体測定、写真撮影などを済ませ、3階にある留置所へ。消灯後の暗い広さ8帖ほどの部屋に、6人くらいの男がグースカ寝ていた。ここが留置所ってやつか。なんかクセエなぁ。ひとまずはフトンを被ってみたものの、落ち込みとヘンな体臭でなかなか眠れなかった。留置3日目の翌日も再び地検へ
今度は裁判官に対面して勾留申請。検事の調書を読みながら、じいさんの裁判官が聞く。
「…以上の事実を認めますか」
「ハイ、認めます」
午後から始まって実質5分ほど。あっさりしたもんだった。夕方4時、警察官に書類を渡された。
『あなたの勾留は14日間に決まりました』とあり、その勾留理由として「逃亡の恐れあり、証拠隠滅の恐れあり、再犯の恐れあり」と記されていた。唯一ホッとしたのは建物がキレイだったことか。拘置所といえば相当ポロくて汚いイメージしかなかったが、俺が入れられた北舎は最近改築されたばかりで冷房もばっちり、メチャクチャ快適である。
最初は通称「教育房」、北舎の第7房で、所内のルールや決まり事を学んだ。「刑務官にしゃべると
きはひざまづいて」「昼間は寝っころがってはいけない」等々、教えてくれたのは、房長と呼ばれる
模範囚で、インテリっぽいオジサンだった。何でも、さる有名百貨店の役員で、横領の罪に問われているらしい。新人房で最初の2日間を過ごし、3日目には第9房、俗に言う雑居房へ移った。と、ここで俺はいきなりベテラン達の洗礼を食らう。
「シャリあげ」だ。配給されたメシを米(バクシャリといって麦メシ)からオカズから、たんまり横取りされてしまったのだ。部屋に平和が訪れたのはいいが、にしても拘置所はヒマである。留置所と違って取り調べも無ければ、刑務所のように労務もナシ。日々、バカ話や読書、将棋などで時間を潰す。ちなみに将棋はなぜかハサミ将棋はNGで、本将棋、詰め将棋のみ。ケンカになったり賭けたりするから周りにギャラリーを作るのもNGで、対局は1対1で向かい合わなければならない。変なルールだが、実はこっそり賭けていた。
西成シャブストリート
地下鉄堺筋線、動物園前駅を7番出口から地上へ上がると、両側に「ドヤ」と呼ばれる日雇い労働者向けの簡易宿泊所が建ち並ぶ通りに出ます。このあたり、陽が落ちて暗くなって来ると、日雇い労働者とはちょっと違う雰囲気の小汚いおっさんがポツポツ現れます。彼らは終始、通りをを見ています。時折、クルマに向って指を1本立てて見せたりして。様子を伺ってると、ソッとおじさんの元へやって来るバイクが一台。大学生風の普通のお兄ちゃんでした。なにやら2言3言、言葉を交わすとおじさんは近くの苗木の下へ行って引き返しお札と引き換えに白い粉が入った小さな包みを渡しました。この間約20秒。言うまでもなく中身はシャブです。その後も20〜40才前後の男たちが車やバイクでやって来ては同じことの繰り返し。なぜ捕まらないのかよくわかりません。場所柄ってやつでしょうか。