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ゴルフもパソコンもできるスタイル抜群の超美人
先日、取引先の社長からー通の封筒をもらった。
「なんか、秘書の案内みたいなんが届いたんやけど君にやるわ」
俺がスケべなことをよく知っているこの社長、わざわざ捨てずに持っていたらしい.
それにしても、エッチくさい秘書って何や?社長から受け取った封筒の中には、レターが3枚入っていた。まずー枚目は挨拶文。
「これかり伸びる会社の経営者の方に"超美人スタッフ"をご紹介させて頂いております」とある。超美人スタッフとは、「美人秘書」「接待ゴルフのできる美人」「パソコンをわかりやすく指導できるスタイル抜群の女性」らしい。2枚目には紹介職種の詳しい説明があり、それによると、例えばゴルフコンパニオンは容姿端麗なお嬢、美人秘書は「4年制大学卒の超美人ばかり」、商品説明のコンパニオンにいたってはコマーシャルに出演できるほどだそうだ。そして極めつきが3枚目。なんと十数名の女性の写真が並んでいる。それがかなりのレベルであることは、目線があってもよくわかる。オレの頭でスケべな妄想が広がっていく。タイトス力ート、胸のあいたブラウス、真っ赤な口紅とマニキュアを付けた美人が指先で電話のコードをクルクル回している。そんな女を言いくるめて、会社細の机の上で…うーん、たまらん。オレは自営業だから秘書など必要ないが、このままDMを捨てるのも忍びない。とりあえず、電話で問い合わせてみることにした。
「すんません、DM見たんやけど、どういう仕組みなんですか」
「はいはい。どんなご希望なんですか」電話にはオッサンが出た。いきなりどんなご希望といわれてもなあ。
「いや、ちょっとコンピュータ使える女の子が欲しくて」
「いますよ、超美人でコンピュータ使えるコが」
「あの…DM読んだら仕事してもらうだけっていうより、それ以上のことが期待できそうなんやけど・・」
「そりゃもちろん。2つのコースがあってやね。ーつは秘書とかの仕事だけのコース。もうーつは、まあわかりやすくいえば仕事プラス愛人コースやね。超美人ですよ」
「愛人コース?」「そちらの方がよろしいんですか?」
「いや、まあ…。で、いくらかかりますのんフ」「うちはあくまで紹介業なんで、払ってもらう金額は女のコと交渉してください。あと詳しいことは来てもらったら説明しますわ。写真見たらわかりますけと、ほんまに超美人しかいないんで」
超美人、超美人と事あるごとに口にするオッサン。ここまで言われたら、事務所を訪ねてみるより他ない。
「不景気ゆうたかてお金ある人はあるんや」
待ち合わせのホテルの口ビーに現われたのは、長身でバリッとしたスーツ姿の50代の男性だった。もっと怪しけな感じかと思っていただけにちょっと意外だ。
「いやー、どうもどうも。忙しくってねえ。今も女のコの面接してきたんやけどね。タ方にも2人会うことになってるんですわ」
オッサンは歩きながら愛想よくペラペラしゃべる。お若いのに口ータリーに入ってるんや?口ータリークラブとは会社の社長とか金持ちが入る会のことだが、どういう意味だ。もしかして口ータリークラブのメンバーにあのDMを送っているのか。
「いや、僕は口ータリーに入ってませんけど、取引先の社長に紹介してもろたんで」
「ああ、そうですか」しゃべっているうちに、ここが事務所だとマンションに到着。奥の部屋に案内され、大層な革のソファに腰かけた。
「まあ、見てください。超美人揃いですよ。現役モデルも何人かいるしね」
オッサンが引き出しからファイルを2冊取り出し、テーブルの上に広けた。見れば、プロフィールを書いた用紙と女のコ40、50人。全身と顔アップの2枚組で、そのほとんどが事務所で撮ったものと思われるが、中にはモデルだろうか、スタジオで撮影した水着写真のコもいる。
いやあ、それにしても美人ばっかりだ。一方、プロフィールには名前、住所、電話番号と学歴、スリーサイズ、そして希望条件が本人の自筆で記入してあった。希望条件を見ると、
「3時間で5万円、月3、4回希望」とか「月30万希望」などと書かれている。これはかなり手強そうだ。
「皆かわいいでしょ。お薦めはこの2人ですわ」
オッサンが推薦する2人のコのプロフィールを見ると名字、生年月日が同じ。といっことは、もしかして双子?
「双子ですよ。2人ともモデルやってるしね」
「こんなきれいなコばっかり、どうやって集めたんですか」
「求人誌とDMやね。今就職難でしょ。」
オッサンの言う「超美人」にウソ偽りのないことはよくわかった。で、いったいいくら必要なんだ。女のコに払う金額は交渉しだいというが、希望金額を見る限り、月に最低30、40万はかかりそうだ。それに、オッサンにも紹介料なりを払わなければならないだろう。
オッサンが「会員規定」なるものを見せる。と、そこには入会金や紹介手数料、成功報酬等で30万円強の金額(愛人コース。秘書コースは20万強)が記されていた。ということは、仮に女のコが月40万として、最初に70万以上の金が必要…。いやあムリムリ。こんな大金、単なる町の自営業者であるオレが払えるワケがない。何となく予想していたとはいえ、やっぱりお呼びじゃなかったようだ。そんな様子を察したのだろう、オッサンがリストを取りだし、興味なげな顔でいった。
「これ、高額納税者のリストですわ。うちはこういう人とか口ータリーの会員とかにしか案内してません。なんぼ不景気やゆうたかてお金ある人はいくらでも持ってるんや。」