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2015年には『歌舞伎町に本物のJKと普通にヤレる店があるらしい』という噂があった。これはその当時のレポートだ。その店、個室で女子高生とお話をする『JKコミュニティ』なる業態をとっているのだが、実際には店内で、やってはいけないことをやっているというのだ。にわかには信じがたい。出会い系サイトなどでJKがエンコーしている事実は全国各地にあるとは思うが、店が管理して、店内で行為に及ぶだなんて無法ぶりは、このご時世で考えにくい。
 新宿歌舞伎町、夕方6時。区役所通りの雑居ビル前に到着した。この、1階に飲食店が入るごく普通の建物の7階に、件の店が入居しているらしい。周囲の客層はサラリーマンや学生、水商売の女性やちょっと怖い兄さんなどなど、ザ・歌舞伎町といった感じなのだが、気になるのはこのビルにパラパラと単独男性が入っていく点だ。背格好はバラバラながら、多くがエレベータで7階に向かっている。しれっと、まるで漫画喫茶にでも行くような顔つきで。
 意を決して7階で下りてみれば、そこにはちょっとした行列ができていた。一室の扉の前に3人の男が並んで立っている。看板などは出ていない。だがドアから漏れ聞こえる音でその活況が窺い知れる。ときどき「ありがとぉー」とか「うそ、マジでぇ」などと若い女の声が響くのだ。
 行列の後ろについたところでエレベータが開いた。
 コツ、コツ、コツ。
 降りてきたのはなんと制服姿の女子高生だ。明るめの茶髪で化粧も一丁前にしている。オッサンたち(俺も含めて)とのギャップが凄い。
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 彼女は我々に目線をやるでもなく、扉を開けて店内に入っていく。はたして彼女が
〝ホンモノ〞かどうかは別にして、この店でその種の女性が働いているのは間違いなさそうだ。
 先客が順々に入店していき、ついにオレの番がきた。中に入ってみれば壁にズラっ
と貼られた女の写真、料金表が。どうやら30分4千円の『カウンセリング』なるおしゃべりコースが一つあるだけのようだ。
「えーっと今日の出勤はこの子たちですねー」
こもった声の受付の男が、並べられた写真群の上のほうに手をやる。何十人か所属している子のうち、出勤中の10人ほどの写真を上部に掲示してるらしい。その写真、自撮りしたようなものなのだが、ほとんどの子が制服を着用している。中には茶髪や金髪のギャルっぽいのもあるが、あらかた黒髪の子が多いみたいだ。どうしたものかと悩むオレに店員が口添えする。
「2番は20時半からですね。こっちの15番は19時からいけます。で、この●番はすぐ入れますよ」
 女の子を番号で呼び、矢継ぎ早に時間案内だ。もうこれ、モロ風俗の指名パネルじゃん。2番は予約でその時間まで埋まってるってことか。すごい人気だな。ひとまずすぐに入れる女の子を指名して
4千円を支払う。それ以上の説明はなく、カーテンで仕切られた部屋のひとつに案内された。個室は8つあるみたいだ。
「じゃあ女の子すぐ来ますんで」
 靴を脱いで部屋に入れば、わずか1畳半ほどのスペースに座布団が2枚置かれ、真ん中にテーブルが。とりあえず座布団のひとつに腰をおろす。店内にガンガン流れている音楽のおかげで、隣の部屋の様子は聞こえてこない。すぐに、入口のカーテンがゆらゆら揺れ、女子の声がした。
「はじめましてぇ」
 入ってきたのは長い髪をツインテールに結わいたJK制服の子だ。彼女が席につくまでの間、その短いスカートから下着が見えてしまっている。テーブルを挟んで着席した彼女をまじまじと見る。あどけない表情や肌の質、そして制服姿も相まって、本当にJKにしか見えない。テーブルに置かれたタイマーを彼女がセットし、会話がスタートだ。
「よろしくですぅ」
「どうも。ずいぶん若いけど何才なの?」
「17です。仲良くしてください!」
 そう言って目を見つめてきた。
「今日は何されてたんですか?あ、お仕事かぁ」
「そうだよ。キミは?」
「学校行ってから来ました。夏休み前なんでけっこう早く終わるんですよー」
 彼女は高3。埼玉に住んでおり、学校が終わったら上り電車で新宿までやってきて、ここには週3、4日出勤しているらしい。今日はオープンの夕方4時から働いて夜8時に帰る予定なのだとか。
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 彼女の指先が目に入った。何も手入れされていないまっさらな爪に、ホンモノJKっぽさを感じさせる。この後「お家は近いんですかぁ」とか「雨降っててイヤになっちゃいますよね」などのいわばフーゾク嬢トークみたいのが続き、一瞬の間が空いた。まだ彼女が入ってきて2分と経っていない。
「あのー、どーします?」
「ん?」
「何したいですかぁ?」
 何したいって、それは…。
「ワタシ2・5から3ぐらいで最後までできますよぉ」
 3本指を立てている。いきなりだ。ていうか客からじゃなくて、女の子自ら持ちかけてくんのかよ。目をパチクリしながらオレの答えを待つ彼女。当然、そんな危ない橋は渡れない。
「いやー、うーん」
「あ、手だけだったら、コレ(指を5本立24てる)。口だったらコレ(指1本)で大丈夫ですよっ」
 手コキ5千円、フェラ1万円。JKの口からさらっと飛び出す言葉に頭がクラクラしてくる。
「どうしようかなー。いつもその金額でやってるの?」
「そうですね。だいたいお客さんの9割がエッチ目的で来るんで。話だけで帰る人なんてほとんどいないですよ」
「へえ。他の女の子も同じ?」
「みんなしてますよ」
「エッチを?」
「あー、最後までするかどうかは人によるんですけどね」
 彼女は何が可笑しいのか、アハハと笑って話を続ける。
「ていうか聞いてくださいよー。ここって一人お客さんについて千円しかもらえないんですよ。だからあとはそういうコトしないと稼げないんですよ」
 客が店に払う4千円のうち千円が女の子の取り分で、個室内エンコー代はまるまる自分の稼ぎになるわけだ。
「ていうかゴム持ってきてます? じゃないと最後まではできないんで。あとティッシュも」
 ゴムって当然コンドームだよな。ティッシュは精子を拭くためか。そういえばこの部屋にはティッシュがない。客が自分で用意してくるのが暗黙のルールらしい。
「ときどき隣からオジサンの『イク』とかって声が聞こえてきて笑えますよ」
 客も女も声をあげるのはご法度で、そういった音をさえぎるために音楽が大音量で流されているそうだが、ときどきよからぬ声が聞こえてくるのだとか。マジでここ、JKヤリ部屋じゃん。ヤバ過ぎだろ。
「一日にどれぐらい稼ぐの?」
「だいたい10万ぐらいかなー」
10万円。本番だったら4、5人で到達する額だ。全員が本番ではないだろうから、それだけこの店に客が入ってる証拠と言える。オレがそういうコトをしないと伝えたら彼女は「そうなんだー」と明らかにトーンを下げた。残り時間、好きなバンドや学校で先生に怒られた話、あとは客のグチを聞いて過ごす。
「こないだフェラしてたときにね、ぜったいクチに出さないって約束したのに出したヤツがいたんですよー。ムカツイて、プラス5千円もらっちゃった」
 帰り際、「ね、今度はティッシュとゴムを持ってきてくださいよぉ」と甘えた声を出してきた。
「ワタシは●番だから、受付の人に●番お願いって言えば予約できるんで」
 この歳にしていっぱしのプロ根性だ。
「なんでこの仕事しようと思ったの?」
「やっぱお金かな。好きなバンドのライブとか、やっぱカネかかるんですよ。洋服とかも買いたいし」
 親には定食屋でバイトしてると伝えているらしい。とんだ定食屋があったもんだ。店を出たら、ドアの外にはまたオッサンたちが並んでいた。こんな危険な店に平然と並ぶだなんて、どこか狂ってるとしか思えない。エレベータに乗りこむ直前、店から客が出てきた。少し話を聞いてみようか。
「僕ここ初めてきたんですけど、なんかスゴイですね」
「あー、だよねー。こんな店、他にはないでしょ」
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40代だろうか。パリっと着こなしたスーツからして仕事のできそうな男性だ。
「よく来られるんですか?」
「ときどきね」
「やっぱり最後までしちゃうんですか」
「うーん、まあ、そこはね。アハハハ」
 ニヤニヤしながら答えた直後、怪しんだのか、無言で立ち去っていった。ヤバイ店に来てるという自覚はあるのだろう。ビル前でエレベータの階数表示を眺めていると、7階でいったん止まってから降りてきた箱から、一人の男性が出てきた。客だろう。これまた仕事のできそうなサラリーマンだ。
 さりげなく話しかけてみる。
「あの、ここすごいっすね。また来たいんですけどオススメの子います?」
「あーそれなら●番とか●番がいいよ。マジ可愛いからオススメ」
「その子たちに入ったことあるんですか?」
「あるある。いやー、最高だよ」
 脂ぎった顔を手で仰ぐ男性。心の底から『最高だよ』と言ってるような下品な表情だ。
「ちなみに今日入った子は最後までできました?」
「うん、うん。2でね。ちょっと安くしてもらって」
「現役(JK)ですかね?」
「ここ現役しかいないでしょ。そりゃそうだよ。俺ロリコンだからいろいろ探してるんだけどさ、ココ以上の店はないよ。潰れないことを祈るだけだね」
彼の調べによればこんなシステムのJK店は都内はおろか、日本全国どにもないそうだ。そりゃそうだろう。男性はまるでスキップするかのような軽やかな足取りで歌舞伎町の雑踏に消えていった。