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処女限定の婚活サイトが登場し、巷で話題になっている。そんなもん男の会員だらけに決まってる。
処女と結婚したがる男なんてキモい。などと否定的な意見も多いようだが、俺からすれば、処女、大いに結構である。婚活はともかく、初めての男になれるチャンスは逃したくないものだ。
 さっそくサイトを覗いてみよう。登録女性の数は全国で数百人程度で、東京都内だけに絞るとまだ140人程しかいない。彼女たちは、処女といっても20才以上限定となる。ざっと見た感じ、20代後半から30代前半が最も多く、40代の女性も2人ほど確認できた。世の中、高齢処女が多いようだ。ちなみにサイトには小さい文字で、『女性会員が処女であることを保証するものではない』と書かれている。自己申告を信じるしかないだろう。
 が、女性たちの自己PR文を読んでみると、なんとなく本物っぽい匂いが漂っている。
『今まで恋愛に対してとても臆病でしたが、素敵な方と真面目に交際できたらと思い切って登録しました』
『女子校が長かったのでまだ男性が苦手で、積極的すぎる人や強めな人はこわいです。まずはメールから、仲良くなりたいです』
 いかにも消極的でおとなしい性格の女性が多そうだ。
 男女双方が「お気に入り登録」しないとメールが送れない仕組みになっているので、こちらのプロフィールは重要だ。相手は男性経験のない真面目な女たち。当然こちらも真面目で優しくて穏やかなキャラでなくちゃダメだろう。職業は派手すぎず、年収は少し余裕のある600万程度。顔写真は日中の明るい場所で撮影した笑顔のスナップショット風を選んだ。さらに、免許証や保険証などのIDを登録すれば、プロフィール欄に「証明書提出済み」のサインが表示される。これがあれば女性からの信用がより高まるというわけだ。
『30代、デザイン系の仕事をしています。性格は穏やかなタイプかと思います。芸術や自然が好きな方と、会話や食事を楽しみながらゆったり過ごせたらいいですね。まずはお友達の関係からよろしくお願いします』
 よし、完成だ。女性のプロフィールを開いて、片っ端から「お気に入り登録」をしていくと、その
日のうちに、24才のOLさんから「相互お気に入り」の通知が届いた。
『こんにちは〜。こういうところは初体験なんですが、最近職場と自宅の往復だけで、病んでいるんですよ…。もしまだ特定の相手とか決まってなかったら、お話しませんか?』掲載されたプロフ写真には、ソファに寝そべった若い巨乳ちゃんが写っていた。まるでグラビアモデルみたいだ。怪しすぎるだろ。でも万が一ということもあるので、一応メールを送ってみよう。
『初めまして。メールありがとうございます。一昨日登録したばかりなので、こうして連絡するのは○○さんが初めてです。こちらこそよろしくお願いします』
 その後、何度かメールのやり取りを交わしたところ、3通目のメールで『ここ退会するので、こちらのサイトから送ってください☆』とURL付きのメールが送られてきた。案の定、出会い系業者だったみたいだ。その後も、新規の処女が現れるたびにお気に入り登録を繰り返したところ、ミーナという28才の女性が「相互お気に入り」になった。
 さっそくプロフを確認。これ以上ないほど地味な細身の女の写真が載っている。業者じゃなさそうだ。さっそくお礼のメールを送ろう。
『ミーナさん、お気に入り登録ありがとうございます。実は何人か出会い系業者のような女性が混ざっていたので心配していましたが、ミーナさんは違うみたいですね。もし良かったらお友達の関係からでもよろしくお願いします』
『こんばんは。メールありがとうございます。出会い系業者ってどんな人達ですか?何故、分かったのですか? 気になります。私は、テレビの『5時に夢中』を見て入会しました』
「5時に夢中」なんてローカル番組を出してくるあたり、なんだかリアルだ。
『返信ありがとうございます。業者の子はメールしてると出会い系サイトに誘導してくるんですよ。でもミーナさんは違うみたいで安心しました(笑)ほかの男性とやり取りしたり、お話したりとかってありましたか?』
『こんにちは。私の事はどこらへんで大丈夫だと思ったのですか? 私はいろんな人とメールしてますし、2人の方とお会いしました』
 すでに2人と会ってるなら、俺とも会ってくれそうだ。
『ミーナさんはメールの内容が自然なので大丈夫だと思いました。僕も可能ならミーナさんとお会いしてお話してみたいと思ってます。まだこちらのこともよくわからず不安だと思いますので、もし聞きたいことがあれば何でも言ってくださいね』
『私も、ぜひお会いしたいです。私は基本、土日出勤で平日は不定休ですので、休日のシフトを取るのが大変です。棚網さんは、いつお休みですか?』
『ありがとうございます。僕の仕事も平日の休み取れますよ。来週ならいつでも休めます。もしミーナさんのご都合付きそうな日がありましたらお知らせください』
 その後、何度かのメールのやり取りで、待ち合わせ場所と時間が決まった。お酒はまったく飲めないらしいので、彼女の自宅近くでランチデートだ。約束当日、待ち合わせの改札前にミーナさんらしき女性が立っていた。
「ミーナさんですか? こんにちは。今日はわざわざありがとうございます」
「あ、どうもー。こちらこそありがとうございます」
ペコペコと何度も頭を下げるミーナさん。強風のせいで長い髪の毛が顔に巻き付いている。
「あ、あ、前が見えない…すみません、よろしくお願いします〜」
古いアニメにでも出てきそうなおっちょこちょいキャラの子みたいだ。ちょっと雰囲気もオタクっぽいけど、思ったより明るそうな子でよかった。ぱっと見は元ヤクルトの古田選手が激痩せしたような顔だが、メガネを外せばそこそこ可愛いんじゃないか?ひとまず近くのイタリアンレストランに入り、パスタやらピザやらを頼んだところでトークスタート。
「ミーナさんは、今まで付き合った彼氏っているの?」
「ウフフ、いきなりですねー」
「まあ、最初に聞いておきたかったので」
「うーん、なんて言うか、そういう最後っていうか、一線を超えてもいいって思える人がいなくてー、選んでたらこんな歳になってしまって」
「お付き合いはあったんだね。長く続かないのかな」
「ほとんど続かなくってー、皆さん2、3カ月で会えなくなってしまって。運命の彼じゃなかったのかな〜って」
 運命のカレか。発言が処女っぽくていいぞ。
「そんなときに、テレビ観てたらこのサイトのことをやってて」
「『5時に夢中』だね」
「そうです。これなら気がラクかなーって思って」
やはり処女であることに多少のストレスは感じているようだ。
「なんかこのサイトで2人会ったって書いてたよね?」
「はい、1人は東大を出たって人だったんですけど、初めて会ったときに、何人と付き合ったとか、ホテル行って、どうこうしたとか、そういう話ばかりされて、あれれ〜? と思って…」
「いきなりエッチな話をされたってこと?」
「はい。なんか前の彼女がメンヘラだったとか、楽しそうにしゃべってきて、そういうのもちょっとあれ〜? って」
「もう1人は?」
「その人は年下の人で、会ってみたらなんにもしゃべらない人で、2回会ったんですけど、無言に耐えられなくてダメでしたね」
 男運が悪いのかもな。こうして会話していると、そこまでおかしな子には思えないが。このまま恋愛トークを続けていてもキリがない。さすがに今日ホテルに連れ込むのは無理かもしれないけど、なんとか道しるべぐらいは作っておきたいところだ。
「ミーナさんは普段、性的な欲求みたいのは意識したことある?」
「欲求〜ですか。ハハハ。本とか読んだことはありますけど…たぶん〜? 興味はあるっちゃあるのかな、ハハハ」
人並みにセックスについて興味はもってるのかも。ならばもう少し攻めてみてもいいかもしれない。
「さっきから話すときもずっと下向いてるけど、なんで俺の顔見てくれないの?」
「え〜! 恥ずかしいですよ〜」
 ミーナさん、身体をクネクネさせながら顔を上げようとしない。照れてるのか。
「あれ? ちょっと手見せて」
「え? なんですか?」
「いいからいいから」
 と言いながら彼女の手を取り、まじまじと見る。
「綺麗な手してるねー」
「え〜そうですかね?」
 ふむ。この程度のスキンシップは問題ないみたいだ。ハードルはかなり高そうだけど、このまま押していけばなんとかなるかもしれないぞ。お店を出て、彼女の案内で近くのショッピングモールをブラブラすることになった。ウインドウショッピングの途中で、さりげなく手を握ってみる。
「えっ、え〜、そ、そんな、早すぎますよ〜」
 さすが処女っぽいリアクションだ。
「これぐらい、いいでしょ」と少し強めに握ると、彼女も俺の手を握り返してくれた。よし、一気に距離が縮まった感じだ。
「今日は何時まで一緒にいれるの?」
「明日、すごく早いんで、そろそろ帰らないと」
「そっか、もっと一緒にいたかったけど」
「またお休みの日にでも」
平日の夜に食事に行く約束を取り付けた。とりあえず今日は別れ際にキスでもかましてみようか? まだ早いかな。
「じゃ、私はここで」
 帰り際、バス停まで彼女を送りつつ、「今日は楽しかったよ」と少し長めのハグをしてみた。
「アハッ、恥ずかしいですよ…アハハ」
 照れ笑いしながら下を向くミーナさん。何しろ相手は処女だ。初日はこれぐらいで十分だろう。自宅に着くと、彼女からメールが届いた。
『今日はありがとうございました。棚網さんは、明るい人ですね。お会いできて楽しい1日でした。シャイな私ですけど、よろしくお願いします』
 それから毎日最低1回のメールのやり取りを続け、2度目の食事デートの日を迎えた。
「こんばんはー」
「ああ、どうもー」
「あの、ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいですか?」
「うん、もちろん」
 彼女が向かったのは、クマモングッズの専門ショップだった。
「クマモン好きなの?」
「わ〜、かわいい〜、どうしよう〜」
 もう俺の声は聞こえてないみたいだ。キャラクターグッズにハマる28才。いかにも高齢処女って感じですな。彼女はアレがいいコッチがいいと30分も掛けてクマモングッズを吟味しようやく購入。さ、満足したところでご飯にでも行きましょうか。近くにあった可愛いらしい雰囲気のカフ
ェへ。
「あ〜、ここのお店素敵だね〜。あ〜幸せ〜」
 可愛らしい盛りつけのカフェ飯を美味しい美味しいと食べる彼女を眺めつつ、どうやってセックスに持ち込もうか考えを巡らせる。
「今日も一緒にいれる時間ほとんどないしさ、いつになったらゆっくりデートできる?」
「あ、でもー、再来週長いお休みをいただいたので」
「あ、そうなの?」
「旅行にでも行きたいですねー」
いきなり大胆な提案が飛び出した。男と一緒の旅行が何を意味するか、わかってるんだろうな。
「寒いし、温泉とかいいかもね」
「え〜温泉! それはちょっと〜早いですよ〜」
「なんにも早くないよ。いまシーズンだし」
「そういう意味じゃなくて〜」
「じゃ、温泉じゃなくてもいいよ。どっか一緒に旅行行こうよ」
「そうですね〜、うん」
 これはすごいことになった。バージンはもらったも同然だ。と、ここで彼女の最終バスの時間となり、本日はタイムアップ。今日はこの辺でお開きにしよう。彼女を駅まで送り、別れ際にキスをしよ
うと顔を寄せてみたが「えへへ〜」と下を向かれてほっぺにしか届かなかった。ゴールは近い。次のデートで絶対決めてやる!ところが、その後のメールのやり取りで、改めて温泉旅行の誘いを出したところ、『やっぱり温泉は早いと思います』とキッパリ断られてしまった。しかも、その代わりに彼女から出された案は、『水族館』である。そんなの旅行じゃないだろ! いまどき高校生でも水族館デートなんてしないよ。と、文句を言いたかったけど、本人が行きたいならしょうがない。
 結局、3度目のデートは水族館に決定。都内某ターミナル駅で待ち合わせることに。
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「どうもー」
「あーこんにちはー」
 さすがに3回目ともなると彼女も慣れてきたのか、だいぶリラックスした様子だ。水族館の中は薄暗く、ウブなカップルのデートにはもってこいだった。手を繋ぎ、指を絡ませながら水槽の中の魚たちを眺めていく。途中、隙をみて何度か彼女の頬にキスをした。俯いたままエヘヘと笑うだけのミーナ。水族館を一周するころには、5回ほど頬にキスをかましただろうか。だいぶスキンシップにも慣れてくれたようだ。
「あー楽しかったね」
「うん! すごい癒された〜」
小腹が減ったので、満足気な表情の彼女を連れて、近くのレストランへ。いくら処女とはいえ、これ以上、初体験を先に伸ばすのはあまりに悠長すぎる。今日キメるためにも、ここで言っちゃおう。
「ミーナさん」
「ん?」
「いきなりなんだけど、もしよかったら、俺と正式にお付き合いして欲しいんだけど、どうかな」
「エ〜! ウフフフフ。ウーン」
 顔は恥ずかしそうに笑っているけど、下を向いたまま黙ってしまったぞ。
「あれ、ダメだった?」
「あの…うーんと、あの、もう少し時間をください」
「俺とは無理ってことかな?」
「そうじゃないよ、そうじゃないけど。やっぱり、まだお互いのことよく知らないと思うし…気心がしれてないというか…」
デートは3回目とはいえ、出会ってから2週間しか経ってないので、まっとうな意見とも言える。
「でも、あやふやなままこうして会ってても、お互い遠慮するっていうか、気持ちを解放できないでしょ?」
「うん…。それもわかる気もする。でも…イヤなわけじゃなくて…もう少し待って欲しいとしか言いようがないので…ウフフ」
さすがだ。ここでホイホイ付き合ったりしないからこそ、28にもなって処女なんだな。時間はまだ午後の3時だ。またダラダラと喫茶店でお茶をするのは勘弁してほしい。
「カラオケでも行く?」
「え〜ムリムリ!」
「なんで?」
「恥ずかしいもん」
「じゃあ、近くのホテルにでも行かない?どっかでお菓子でも買ってきて、ゆっくりしようよ」
「え? ホテルって? ホテル?」
「そう。カラオケもできるかもよ」
「ムリですよ〜。まだ早いよ〜」
「何が早いの? エッチするのが早いってこと?」
「そうだよ〜」
「じゃエッチしなければいいじゃん。2人でゆっくりイチャイチャしたいだけだし。外でイチャつくの恥ずかしいでしょ?」
「アハハ、でも〜…え〜!」
「絶対エッチしないって。それならいいでしょ?」
「うーん…まあ、うん」
よし! 少々強引だったけどホテル行きの合意が取れた。速攻で会計を済ませ、近くのコンビニでお茶とロールケーキを買い、近くのレンタルルームへ向かった。
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彼女はホテルのフロントで「へーこうなってるんだ〜」と興味津々な様子だ。部屋に入っても何やら落ち着かないみたいで、ベッドの隅の方に座り、テレビをつけたりお茶を飲んだりしている。
「そんな緊張しなくても大丈夫だよ。襲ったりしないから」
 しばらくは大人しいフリして世間話を続け、ベッドの上でジリジリ彼女に近づいていき、軽く腰に手を回してみた。ここまでは大丈夫のようだ。唇にキスをする。唇を開きっ放しで、どうしていいのかわからないような感じだ。ウヘヘ〜と、妙なテレ笑いをしながらうつむくミーナ。もう一度キス。やはり唇は開きっぱなしだ。
 そのまま押し倒そうとしてみたら、
「もう〜何もしないって言ったでしょ!」
「ゴメンゴメン。そうだよね」
 が、結局5分と待たずに、背後から首筋やほっぺにキスを繰り返していくうち、ようやく身体から力が抜けてきた。よーし。手をサワサワと胸の辺りに近づけ、Aカップと思しき小さめの胸を覆う。柔らかい感触が伝わってきた。モミモミ〜、さらにモミモミ〜。よーし、もう一度押し倒してみるか。
「もう〜ホントにダメ〜ですよ! もう帰ります!」
 うっ、ここで拒否するとは、やはり処女の壁は、高く厚い。こうなりゃもう最後の作戦しかない。
「俺、何もしないって言ったけど、興奮してきてココがヤバイことになってきたよ。ほら見てよ」
「えっ? えっ? ちょっと何してるんですか!?」
 ズボンのベルトをハズし、パンツの中から勃起チンコを出した。
「ほら、ちょっと触ってみてよミーナ。ちょこっとでいいから」
「え〜! ホントに何してるんですか! ちょっとしまってください!」
 ミーナは必死に顔をのけぞらせて、見ようとしてくれない。
「お願い。見るだけ。ほら、ミーナのせいでこんなになってるんだよ?」
「え〜やめて〜! もうホントに帰るよ!」
「そんなこと言わないで! ほら、いいじゃんいいじゃん!」
「ホントにやめて!」怒りながら身支度をしたミーナは、そのままひとりでホテルを出て行ってしまった。いいでしょうか、みなさん。いい歳をした処女ってのは、やはりなんらかの理由があるからこそ処女なんです。長期的プラン(結婚も含め)があるならまだしも、軽い気持ちでオトそうなんて考えちゃいけませんね。