1_20191120135537e2b.jpg2_2019112013553878d.jpg3_201911201355417d8.jpg4_20191120135542491.jpg5_20191120135543e1a.jpg6_20191120135544dc4.jpg7_20191120135546ba5.jpg8_2019112013554847f.jpg11_20191120135752daf.jpg22_20191120135753237.jpg33_201911201357546a7.jpg44_20191120135756d39.jpg55_20191120135757269.jpg66_20191120135759415.jpg昨日、依頼をかけてきたのは産婦人科の医者をなんとかしたいって主婦だった。
患者として病院に通ううちなんとなく関係しちゃったんだけど、旦那にバラされたくなかったら言うこと間けって口ープやムチを出してきて縛ったり叩いたりしたらしい。で、「あんなヤツとは知らなかった。あいつの化けの皮を剥がしてやりたい」ってわけ。けど、相手の医者ってのが地元じゃ誰でも知ってる有名人なんだよ。ま、そういう人間の信用を傷つけるにはスキャンダルがいちばんだからさ、サクラの女の子を近づけてSMプレイ中の写真をバラ撒こうかと思って。
CCDカメラをブランドもんのスカーフに包んでソファの上とかに転がしておけば、盗し撮りなんか簡単にできるからさ。依頼人もおもしろそうだって喜んでるよ。
料金?30万。こんなの領収書切るわけじゃなし、相手の懐具合を見ての言い値だよ。ま、普通の主婦が出せる金額ってのはそんなもんでしよ。
さっそく明日、協力してくれる女の子を病院に送り込むよ。手が早いヤツらしいから、ちょっと色目使わせれば一発じゃないの。
金になることを確信した都並氏。といっても「嫌がらせ引き受けます」なんて宣伝文句じゃ客が敬遠する。考えた挙げ句氏はエリア限定のミニコミ誌に冠のもやもや晴らしますと意味深なキャッチフレーズで広告を出す。
すると驚いたことに、恨みを晴らしたいという依頼が堰と切ったように舞い込んでくるようになったという。彼は考えた。ビラを貼るにしてもへタをすれば不法侵入に問われかねない危ない仕事。それをホイホイ引き受けていてはァっという間に評判になり、警察沙汰になるのは目にみえている。
そこで氏は自分の身元を隠すために一芝居つつことにした。問い合わせの段階で事情を聞き、嫌がらせの場合は「うちでは受けられないが引き受けてくれそうな業者をご紹介しましょうか」と、相手の電話番号を聞く。そして少し時間をおいた後、
「紹介を受けました便利屋ですが」
と、別業者を装い連絡を入れるのである。連絡するときはトバシの番号を、ワザと表示させてかけんの。向こうもほとんど携帯だから、番号が出ればなんとなく安心するでしよ。
で、最初に必ず本人と会って面識を取っておく。だって、法に触れるようなことして最終的に依頼人に寝返られたらシャレになんないだろ。だから信頼できそうなやつか見極めなくちゃ。
中には電話で話す分にはわからなくても、明らかに常軌を逸脱したストーカータイプや精神分裂気味の人、あとは相手と刺し違えてもいいなんて言う捨て鉢なヤシもいるからね。そんなのに関わり合ってこっちの身が危険にさらされるようなことしたくないもの。
本当は証拠になるようなものは残さない方がいいんだけど、自衛策として依頼の内容をカセットテープに録音しておく。「申し訳ありませんが今の内容はこちらで録音させてもらいましたので今後はいっさいオフレコでお願いします」って断り入れてさ。裏切るつもりはなくても、ウッカリ洩らしたことばが命取りになりかねないから、依頼人にも共犯であるということをキッチリ肝に命じさせなくちゃ。あと、最大のコツは依頼人にオレを信頼させること。そのためにもへタに罪悪感を持たせない方がウマクいく。だからオレ、絶対「復讐」なんて強いことばは使わない。
「あなたのお悩みはもっともです。けど、その心の痛みは人に言ったところで晴れるもんじゃありません。私が相手の方にお灸をすえましょうか」って、正当化してやるんだよ。
後は予算を聞いて、じゃこういうことができますよってシナリオを提示する。これが大事。ターゲ
ットの動きを読まなくちゃならないし、しかも客の話を聞いてすぐに、これだけの方法がありますよ
って、いくつかの選択肢を挙げられないと。
最初は「復讐の手引き」とか本を買って勉強したんだけど、実戦には役立たない。やっぱり自分の経験から考えだすのがいちばん。ま、オレって人はいいんだけど悪知恵が働くからさ、次から次へとアイデアが出ちゃうんだ。
警察の手先になって広告主を売るマニア系エロ出版社の弱み
ぼくが、上野にある小さな編集プロダクション(以下、編プロ)に入社したのは今から3年前30才になったばかりのころだ。上野は中小のマニア系エロ出版社が多いため、その編集業務を請け負う編プロが群雄割拠する町である。ぼくの入った社員わずか3人の会社も、読者からの投稿写真をメインに据えたマニアックなスワッピング誌を編集していた。グラビア雑誌のため、仕事はいかに写真を効果的に見せるかといったデザイン作業が主。
中でも神経を費やすのが局部のスミ消し作業である。ご存知のとおり、この国の法律では誌面に性器を出せない。そのため、見開きに10点近く登場する局部をぽくたち編集がチェックして赤ペンで印をつけ、その部分を印刷所が黒く塗りつぶすという、面倒な作業か強いられるのだ。入社してすぐはいろんな性器を見れて興奮していたのが、とにかく毎日のようにチンポとマンコを眺めているとさすがに辟易してくるし(しかもキレイなのはごくわずか)、集中力も失せていく。
本ができあがるまでに、校正と呼ばれるチェック作業を3度繰り返してはいるが、印刷を終えた雑誌をパラパラめくるといつも必ずと言っていいほど消し忘れがあり、「ヤバイなあ、丸見えじゃん」と苦笑いするのがお約東。多少見えていても、部数が少ないマニア誌だからおとがめもないんだろうとのんきに構えていた。
こうしてエロ写真と向かい作業に携わるようになっておよそ1年、会社に一大転機が訪れる。雑誌コードが手に入ったのだ。雑誌コードとは、「版元として雑誌を発行するための権利」のようなもの。編プロはあくまで依頼されたことを黙々とこなす下請けでしかないのに対し、出版元になれば、企画はもちろん部数や定価など、すべての意志決定を行っことができる。
もちろん一切の責任も負わなければならないが、出版のダイナミズムはやはり版元でこそ味わえるものだ。念願の雑誌コードを入手した我が編プロは、新しく出版社として生まれ変わり、これまでのノウハウをそのまま生かしたスワップ誌を隔月刊で創刊することになった。
手入れしないから捜査に協力してくれ
上野署の刑事が会社にやってきたのは、創刊3号目が市場に出回った直後のことだった。
「ちょっと、これはまずいのと違うか?」
雑誌を手に持った彼は、ぼくたちがいつも課題としていたスミ消しの甘さを指摘し始めた。編プロ時代には気づかなかったが、やはり版元となるとお上が直接お見えになられるようである。
「あんまりやったら(雑誌を)出せなくなるよ」「はい、今後は気をつけます」
「派手にやられるとこっちも動かんといかんからな」
やんわりと、しかし、絶対的な権力をちらつかせながら刑事は続ける。
「おたくも会社できたばかりで、本出せなくなると困るだろ」「ええ」
「な、そうだろ。気をつけてもらわんとな。ま、それはそうと、ちょっと気になることがあってな」発売間もないスワップ誌をパラパラめくっていた彼は、末尾の1ページ広告を指さした。秋葉原にあるセルビデオ屋の広告だ。
「ここが裏ビデオ売ってるらしくてな」「え、そうなんですか」
「ああ、もう裏は取れてるから。ただこういうのは現場を押さえんとダメでな」
実のところ、ぼくたちはそこが裏ビデオを扱っていることなどとうの前から承知していた。広告主と媒体という関係上、ちょくちょく店には顔を出していたし、誌面にビデオ紹介コーナーを作る条件で最新のビデオをもらうことも常。馴染みの客に裏ビデオを売っていたことももちろん知っている。「それで、君らに捜査に協力してもらいたいんだけど」
?といいますと
刑事が考える作戦はこうだ。
まずぽくたちの誰か1人が店か訪れ、裏ビデオを見せてもらうよう店主をそそのかす。試写室でビデオを再生してもらい、局部が見えた瞬間、外で待っている刑事に携帯で連絡を入れ、次の瞬問には数人の刑事がドカドカと乗り込んでくる。
「いやー、それはちょっと…」「協力してくれればおたくに手入れはしないから」
「はあ・・雑誌出なくなったら困るだろ」「それはまあそうですが」
スポンサーを取るか警察を取るか。どちらか1つを選べと暗に言われ、社長以下全員はすぐさま雑誌存続の結論を下した。大役を引き受けるハメとなったのは、もちろん新入りのぼくである。
店長の前で「協力者は帰っていいから」
捜査当日のタ方、ぼくは3人の刑事と一緒に問題のビデオ屋を訪れた。店長のおっさんはいつものようにのんきな顔でカウンターに座っている。
「じゃあ、行ってきて。表で待機してるから」
そう言って、刑事は携帯電話を手渡してきた。リダイヤルボタンを押すだけで彼の携帯にかかるようになっているらしい。
「(局部が)見えたところで連絡してくれ。見えたところでな」「はい」
ここまでくれば引き返すわけにもいかない。協力しなければせっかく立ち上げた雑誌がつぶれてしまうのだ。ぽくはビデオ屋のドアを開けた。
「どうもこんにちは」「ああ、いらつしゃい」「最近いいの入りました?」「そうだねえ」
狭い店内では、2、3人の客があれこれ物色している。彼らに聞こえないように、おっさん店長は小声でささやいた。
「これなんかどうかなあ、ちょっと見てみる?」いっそのこと「ない」と言ってくれたほうがどれだけ助かったか。ホントにすまない、おっさん。カウンター裏の、控え室兼試写室に招き入れてくれた何も知らないおっさんは、ビデオをデッキに入れて再生ボタンを押した。モニターから流れるのはタイムカウンター入りの荒い画像言わずもがな、裏ビデオだ。
「どう、このコ、結構可愛いでしょ」「ええ、そうですねえ」
いつもならここで再生を止め、格安の値段で譲ってもらうところだが、今日はルックスの確認だけでは帰れない。局部が見えるまでねばらなければ。
「アソコはちゃんと見えます?」「ん、まあそこそこかな」
余分なところを早送りしてくれる優しい店長。まもなく女の下着がはぎ取られ、局部が明らかに。よりによっていつもより鮮明なのが皮肉だ。さあ、連絡を入れなければ。しかし果たしてこんな真似が許されていいものか。広告を入れてくださっているスポンサーを警察に売るなんて真似が。ぽくは胸元に入れておいた携帯電話を右手でさぐり、ゆつくりとリダイヤルボタンをプッシユした。
瞬間「おい、なんだこれは」
4人の刑事が一斉に控え室に乱入してきた。おっさんはあっけにとられる。
「ほう裏ビデオか。こういうのはマズイんだよ」
弁解する余地も与えぬまま3人の刑事は、おっさんはもちろん、店内にいた数人の客も参考人としてしょっぴいていった。そして去り際に、彼らはこんなことを言ってしまう。
「あ、捜査協力者は帰っていいから。ありがとう」
よりによって店長の目の前で。仮にこの店が存続したとしても、次号の広告が落ちるのは明らかだった。
この一件を機に、我が出版社は社長を含め全員が警察の犬として利用されることとなった。警察は、誰を捜査協力者に仕立て上げれば効率がいいかわかっていたのだろう。法律スレスレのところで出版活動を続けている人間なら、「手入れ」をちらつかせれば断りはしないし、また、一見の客とちがって店長が油断してスキを見せてしまう。利用価値ありと踏んでいたに違いない。ぽくたちの協力により、上野や秋葉原界隈で裏ビデオや裏本を扱う店が、1つ1つ摘発されていった。
罰金程度で済んだのか長期間放り込まれたのかまではわからないが、この町で性を売りにする、いわば同業者たちを、次から次へと警察に売ってしまうのは心が痛んだ。しかもそういう店の多てが広告主だったりするから、どうにもならない。そんなことしたくないなら、スミ消しを徹底して足元を見られないようにすればいいじゃないかと思われるだろう。
しかし、コトはそう単純ではない。広告が落ちる実害より、甘いスミ消しがなくなることで読者が離れることのほうが、ぼくたちはよっぽど怖かったのだ。雑誌は、なんとかツーショットやテレクラの広告収入に支えられているから、ビデオ屋ぐらいなくなっても大丈夫。そんな営業上の計算も働いていた。まったくもってとんでもない話である。捜査協力対象は、裏ビデオ裏本業者だけにとどまらなかった。
「今度はここに行ってほしいんだけど」
あるとき刑事が指し示したのは、上野の繁華街にある飲食店の広告だった。この店、表向きは飲食店営業ながら、実際は女性従業員が裸になってのお触りサービスがあるらしい。風俗店の許可があれば、ソノ手のお触りパブごときで摘発される恐れはないものの、飲食店の届けで塗伎2時3時までハレンチなことをしているのが警察の日に止まったのだ。ここもほぼ裏は取れているのだが、しょっぴくには現認が必要だという。
「費用はこっちで持つから、遊んできてよ」
刑事の説明によれば、この店は入り口で1枚千円のチケットを数枚購入し、横についた女性にチップとして1枚ずつ渡して服を脱がせていくシステムらしい。ー枚で上着、もう1枚でスカート、さらに2枚でブラジャーという具合にどんどんはぎとって、最終的に1万円ほど使ったところですっぽんぽんになるわけだ。
「女がパンツを脱いだところで連絡してくれ」「パンツですか」
「ああ、全部脱ぐまでチップを払い続けてくれ」
どういう基準があるのか、乳首を見せる程度ではダメで、局部丸出しで初めて踏み込めるようだ。つくづくマンコにうるさい日本警察である。
膝にまたがられ携帯をプッシュできない
ある平日の夜、刑事たちと打ち合わせを終えたぽくたち社員3人は、問題の店に入った。任務はマンコを丸出しにさせることである。
「いらつしゃいませー」3人がそれぞれチケットを1万円分購入してボックスシートに座ると、すぐさま全員の隣に女の子がピッタリはりついてきた。
「どうもー、エリでーす」ぽくの横に座ったのは、ケバ目の上野系女。純粋なキャバクラでは通用しないがお触り系ならやつていけるレベル、とでも言おうか。
「ここ、お触りありなんでしょ」「えー、チップくれなきゃダメーー・」
「私うよ払うよ、ほら」「はーい、じゃあ脱ぐねー」
刑事の下調べどおり、千円では上着のみ。プラス千円でスカートがはぎとられた。
「もっと脱いでよ、ほら」「ええ、なんでそんなにあせるのよー」とかいいながらも、チップを渡されて断る術は彼女らにはない。シラケながらもブラジャーとパンティをもぞもぞと脱いでゆく。写真で見るのと違い、生のマンコはやっぱりいいもんだ。おっと、喜んでる場合じゃない。表の刑事に連絡しなければ。携帯は確かポケットの中に…。が、ポケットに手を突っ込むより先に、全裸の女が膝の上にまたがって、股間をすりつけてきた。目の前には白いおっぱい。イカン、こいつは勃起もんだ。とりあえず乳首吸っとくか。「ねえ、触ってもいいよ」
そういわれれば触らぬわけにもいかぬ。ぽくは彼女の背中に回していた右手を、茂みへと滑り込ませた。うん、やっぱり本物はいい。どうしてぽくたちはこんなに素晴らしいものをスミで消しているんだろう。
膝の上に乗っかったまま身体をくねらせる女。こいつは楽しい、いや、イカンイカン、任務を遂行せねば。ポケットに手を突っ込んで携帯をプッシュ。ゴメンよ、エリちゃん。ドカドカと刑事たちが入ってきたとき、ぽくは揮身の力を振り絞ってリエの胸を吸っていた。楽しまなきゃ損である。
「はい、協力者の方ありがとうー」そんなこと知らしめなくていいってのに。
当時爆発的に流行していたため警察も呪みを効かせていたのか、摘発の対象はしばらくの間、上野
界隈のお触り系パブがメインとなった。どこもパターンは同じで、チップ攻勢で女が全裸になったところで、表の刑事に連絡
そしていつも最後に「協力ありがとう」と、大きな声で謝辞を述べられて退散する。周りから見れば、ぽくたち3人は実に鼻持ちならない連中だったに違いない。何か復讐でもされるんじゃないかと社内では不安の声もあがった。
遠方ならまだしも、地元上野の店をつぶす先鋒を担っているのだ。噂にならないはずがない。が、結局はいつも、国家権力が味方についているんだから大丈夫だろうという意見が勝り、ぽくたちは平気な顔で上野界隈をうろついていた。創刊1年ほど経ち、ようやく軌道に乗り始めたウチの雑誌に新たな問題が浮上した。
投稿者がいつも同じなのでモデルが変わりばえしないのだ。そこで、いつまでも読者投稿に頼っていてもいけないだろうと、新聞広告でモデルを募集し、応募してきた女性をハメ撮りして掲載する運びとなる。撮影は無事終了、誌面では巻頭のカラーを飾ってもらうことになった。しかしこの女がクセ者だった。バックにヤクザが絡んでいたのである。やれ女が妊娠した、やれ傷ものにされたと、金を要求してきたのだ。こんなときのための警察。普段から何度も協力しているんだから助けてくれるだろうと、いつもの刑事に電話を入れてみた。
と、「それは別問題」とあっさり足蹴にされ、結局ヤクザと女性に50万円ずつ払って許してもらうことに。この日を境に、警察は味方でもなんでもないことをぼくたちは思い知らされた。それでいて、雑誌が発売されるといつものように「今月の消しもマズイのと違うか?」と、今後の協力もよろしくとばかりに牽制球を欠かさぬ抜け目ない刑事。ぽくたちはこれからも彼らの手先として、あちこちの店に潜り込むことになるのだろう。創刊2年目を迎えたマニア誌は、今も微妙なスミ消しで発売を続けている。