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  • 2018/05/16突撃リポート

             ・銀座に「G座の母」という手相占いのバアさんがいる。50年以上の鑑定暦を誇り、よく当たると評判の人物だ。頻繁にテレビにも出演しているため、芸能人を占っている姿をたまに見かけるが、その物言いは実にあいまいな印象だ。「離婚の相がある。色関係には気をつけなさい」「中指が薬指に寄っている。アナタはお母さんのほうが好きでしょ?」「小指の付け根と感情線の間に...

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  • 2018/03/22その他

         占いはインチキである。血液型、手相、タロット…、どれもこれもイカサマなのは明々白々とした事実である。ここまで断定しているのに、バカな女どもは占い師の言説を信じ、行列まで作ってお言葉をありがたくちょうだいしている。彼女らは言うだろう。「インチキの人もいるけど、本物の占い師だっているもん!」と。そこで今回は、世間的に〝本物〞と言われている占い師のペテンを暴き、それによって...

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よく当たると評判の手相占い師のウソを暴く

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・銀座に「G座の母」という手相占いのバアさんがいる。50年以上の鑑定暦を誇り、よく当たると評判の人物だ。頻繁にテレビにも出演しているため、芸能人を占っている姿をたまに見かけるが、その物言いは実にあいまいな印象だ。
「離婚の相がある。色関係には気をつけなさい」
「中指が薬指に寄っている。アナタはお母さんのほうが好きでしょ?」
「小指の付け根と感情線の間に横線がいっぱいあるから出会いが多いね。スケベだよ」
手相なんてもんはタダの手のシワであって未来など絶対にわかるわけないと裏モノ編集部は考える。G座の母も、表情や会話のはしばしから何に悩んでいるか推測し、いかにも当てはまりそうなことを言ってるだけだろう。こういう人物を我々は許さない。
そこで今回は、彼女に次のような検証を行ってみたい。
①まず、協力者のカワイイ女性が占いへ向かう。
②翌週、同じ彼女が特殊メイクでブサイクな顔になり、再び足を運ぶ。
③1回目と2回目の予言を比較する。手のシワに変化はないはずだから、占い内容は完全に一緒になるべきだが、もし違えば…。
人を見かけや会話で判断し、あーだこーだ占う手法であるならば、一回目と二回目では別のことを言ってくる可能性は大だ。日曜の午後、銀座駅前で、今回の協力者女性のユカ(23才)と合流した。「じゃあ今日は普通に今のままの素顔で行ってきて」彼女に鑑定料4500円を渡し、いざ母の事務所へと送り出した。2時間後、ユカが戻ってきた。最初20分くらいは手相を見ず、生年月日による運勢鑑定というカタチで
・あなたはガンコもん
・黙ってきいてるようだけど、内心まったく無視してる
・すぐに人に頼る
・衝動買いの気がある
といったダメ出しをしてきたようだ。ま、誰にでもあてはまるような内容だが、手相よりもさらに眉ツバな生年月日占いなので、これは無視しよう。
「手相を観られたときは、18才から22才までに出会った人がいたでしょ?って聞かれたんです」
「何て答えたの?」
「付き合ってはいないけど、出会った人はいたんで、ハイって答えました。そしたら、今も連絡を取ってるかと聞かれて…」探りを入れてきたようだ。
「たまに連絡取ってますって答えたら、その人が運命の人だから結婚しなさいって言われました」
その男、ただ本当に職場で出会っただけで、恋愛感情は微塵もなく、現在の連絡もあくまで友達としてのものだ。
「今後の出会いは全部ダメだって。合コンや飲み会の出会いは、オシマイとも言われましたよ」また下品なことを言うバアさんだ。この予言、「たまに連絡を取ってる」という答が出てきたので、運命の人に仕立て上げただけだろう。
【一回目の占い】
★18〜22才に出会った男性が運命の人。
★その他の出会いは、すべてダメ。
★合コンや飲み会での出会いは、オシマイ。
1週間後の日曜、ユカと共にメイクスタジオへ向かった。テレビ番組のコンテストでも優勝経験がある達人に、別人メイクを施してもらうためだ。
「どんな感じにしましょうか?」
「すっごいブスにしてください」
かわいいユカの顔が、どんどん醜くなっていく。目をはれぼったくし、髪をパサつかせ、歯も汚し、安っぽいメガネをかけてオタク臭も出す。1時間後、いかにも幸薄そうなブスが出来上がった。まず前回と同一人物だと勘づかれることはないだろう。 では、2回目の占いへ突撃だ。今回は付き添い役&ツッコミ役としてオレも一緒に行くとしよう。事務所の待合室には、芸能人と一緒に写ったG座の母の写真が大量に貼られていた。一般的にウサン臭い人間ほど権威に頼りがちだが、まさにそんな感じですな。奥の部屋からバアさんらしき女の声がボソボソと聞こえてきた。先客の鑑定が行われているようだ。
「あなたは、意外とガンコ。自分でもわかってるでしょ?」
ユカのほうを見る。
「そうです。私が言われたのコレです」
全員に同じようなことを言ってるのだろうか。ガンコなんて誰にも当てはまるだろうし。にしても、こうして待合室まで声が漏れているってことは、オレたちの鑑定でもそうなるわけか。インチキを暴いたら、後ろの客は全員帰っちゃうかもな。
まもなく「次の方どうぞ」と呼ばれ、順番が回ってきた。張り切って参ろう。奥の部屋に入ると、G座の母が座っていた。
「どっちが占いたいの?」
「…この子です。ぼくは兄なんですが、付きそいで来まして」
バアさんはユカを見つめている。バレてはいないようだが…。
「この子、ウツじゃない?」
「…ウツではないと思います。ま、大人しいほうではありますが」
オレが適当に応じたところ、バアさんが声を荒げた。
「かばうんじゃないよ!私は霊感強いんですよ。ウツの人を見たら、バーンと頭に入ってくるんですよ」初っぱなから眼力を見せつけようと、ボロボロ顔に着目してカマしてきたのか。でもこれ、特殊メイクだからね。 バアさんは、ユカに年齢や生年月日、職業を聞いてから、〝星〞についてどうのこうの書いている本を開いた。
「あなたの星は、小栗旬や森星(モデル)と一緒のタイプ」
難しい表情でページをめくっていく。
「仕事は技術系だから、料理は向いてるわ」
「…そうなんですか」
「でもアナタ、意外とガンコ。素直に聞いてるフリして、何も聞いてない。自分でわかってるでしょ?」これが例のダメ出しか。
「衝動買いをよくする。自己破産、注意。カードは何枚持ってる?」
「…1枚です」
「持ちすぎないように。言っとくわよ」
「はい」
「依頼心も強いわ」
このあたり、前回とまったく同じ流れだが、本を見ながらの生年月日占いだから、同じになって当然である。
「…そうでもないとは思うんですが」
「いや、そうなのよ。だからこうやってオニーさんに頼んで付いてきてもらったんでしょ?あなたは勝手気ままに生きてる」
有無を言わせずって感じだ。ブスだからおかまいなしってか。
「でも、今日は僕が望んで付いてきただけなんで」
バアさんがギロリと睨んできた。
「私が話してるんだから、余計なこと言わないように。どいてもらうよ」
「…いや、ただ僕は…」
「オニーさんはガンコだからな。ぱっと見てわかる。兄姉そろってガンコ」
…まぁ今はのさばらせておこう。あとでギャフンと言わせてやるからな。ダメ出しが15分ほど続いたところで、ようやく手相鑑定が始まった。
「悪い線は入ってないね。シワシワがない」虫眼鏡でジーっと眺めてから、ユカに尋ねる。
「いま、好きな人はいるの?」
「いえ」
「23のころに線があるんだけど」ん?そんな話は前回出てないハズだぞ…。
ユカが尋ねる。「私、いま23なんですけど。ってことは今年中に出会いがあるってことですか?」
「もしくは、過去に好きになった人はいない?」
「…うーん」質問を質問で返されたユカはどう答えていいかわからないという表情を浮かべ、ぼそりと呟いた。
「…ぱっと思い浮かぶ人は特には…」
「ふーん。18才から22才にちょこっと片思いの目が出てるんだけど、この線は、鼻くそね」
「… 18才からのやつがダメってことですか?」
「そう」きた!
前回と話が違いますよ!
「鼻くそだから23の線だと思ったけど、それも(運勢が)下がってるし、あまりよくない」
「…じゃあ、将来的にはどうでしょうか?」
「ないね。あなたは特別いい結婚線がない。25もダメ、28から30はもっと下がっている。アナタは、恋愛ではいい人が出て来ない。合コン、飲み会に行くしかないよ」
ほぉ、合コン飲み会ですか!前回はされるって言ってたクセに!
「でもね、おばちゃんのほうが下がってるからわかるんだよ。あなたはこうやって優しいお兄さんも付いてるし、大丈夫チャンスはある」何だかキレイにまとめようとしているが、ちょっと待て。ここからが本番なんだぜ、バアさんよ。
【2回目の予言】
★18〜22才の出会いは、鼻くそ。
★他の出会いはダメ。
★合コンや飲み会での出会いに期待せよ。
バアさんが満足そうにしゃべり終えたところで、オレはユカの素顔写真を取り出した。
「すみません。ひとつ伺いたいことがあるんですけど、このコを覚えてませんか?」
「誰なの?」 
覚えてないようだ。
「先週、こちらで手相を見てもらった子なんですが、この彼女と、同一人物なんですよね」「……」
素顔の写真とユカを交互に見つめているバアさん。ふふっ、ビビってるぞ。
「で、先週の占いと、今日とでは結果が違うんですよ。どういうことなんですか?」
「…はぁ」
何を言われているのかわかってないようだ。ちゃんと説明してやろう。
「前回は、18才から22才の間に出会った人が運命の人だと言われたんですよ」
「……だからさっき、過去に好きになった人はいなかったか聞いたじゃないの?」バアさんがユカを見る。「本当はいたの?いたのにいないって言ったの?」
「その時期に知り合った人はいます」
「…連絡は取ってるの?」
「はい」言っとくけどそれ、好きになった人じゃないからな。知り合った人だからな。
「じゃあ、その人でいいじゃないの。アンタらもヘンなこと言うわね!」
何だその切り返しは。反論になってないって。
「ヘンなのはそっちですよ。さっきまで鼻くそと言ってたのに、いま話が出た途端、その人でいいって。結局、手相なんか関係なく、テキトーなことを言ってるんですよね?」「適当じゃないわよ。だから私は最初から23って言ってるじゃないの」
「23?どういうことですか?」
「18才から22才の時期に知り合った人と連絡を取り合ってるんでしょ今。23じゃないの。ほら、合ってるじゃないの」なんて屁理屈だよ!
「でも、前回は23の話は一切出てませんよ」
「それは、愛情線と結婚線と違うからよ。ほら、ちょっと見せて」
バアさんがユカの手を掴んで、ボールペンでぐりぐりなぞりだした。
「ほら、ここ、23才の結婚線がちょっと下がってる。だから決定的なことは言えないと思ったのよ。でも、連絡を取り合ってるなら、上手く進んでるんでしょ?それで合ってるじゃないの」
バアさん、「連絡を取り合ってる」という意味を拡大解釈して、恋愛に発展させたいようだが、その「連絡」ってのは、ただの友達としてのそれだから。ま、それにしてもさすがベテラン占い師だけあって煙に巻くのは上手いな。では、合コンの件はどうゴマかすのかな?
「もう一つ疑問がありまして。今回は合コンや飲み会に行ったほうがいいって言いましたよね?」
「23才の線がダメならね。でも出会いがあるんでしょ?だったら行く必要ないよ」
「でも、もしダメになったらいけばいいですね?」
「そうよ」言ったな。言い切ったな!
「でも前回、アナタみたいなタイプは、合コンに行くとされるって言ったんですよ」
「言ってねーから」シラを切るのか!
「それが言ったんですって」
「絶対ねーから、ねーから、ねーから」 
ダダっ子のように首を振るバアさん。そのとき、背中から声がとんできた。
「おにーさん、もう帰ってよ!」
振り向くと、オッサンのスタッフがすごい剣幕で睨み付けている。「うちの先生が、言うわけないじゃないか」ヒートアップしてきたな。こちらも引く気はないぞ。
「言ったんですよ。それに占い自体も適当ですよね」
「適当じゃない!うちの先生はね、有名な方もたくさん見られてるんだ」
「有名人を見てるかどうかの話は関係ない
でしょ」「あなた、失礼だろ!」いまやつかみかかろうとせんばかりの雰囲気のオッサン。一方、バアさんは、ユカに向かって何やらゴチャゴチャ言い出した。
「あなたね、連絡してる相手を大切にしなさい。24までに進展がなければ、合コン飲み会。でもそれじゃなくても出会いのチャンスはいろいろあるからね。大丈夫よ」
おいおい、今までの予言をすべて否定するような、すげー普通過ぎるアドバイスになってんじゃん。さすがはキャリア50年の占い師。うまく丸めこもうってか。
「やっぱりアンタ、適当に言ってるじゃないですか!」 
バアさんが頭を抱える。
「あー、うるさいうるさい。もう頭痛くなってきた。お金返すんで、帰ってちょうだいよ」
読者のみなさん、以上を読んでどうお思いになられたろうか。これでもまだ手相占いなんてものを信じられるだろうか。ちなみに例の言った言ってない問題については、こちらには確たる自信がある。
初回の録音音源があるのだから。

有名な手相占い師と大バトル!特殊メイクによって別人になっても同じことを言えるのか

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占いはインチキである。血液型、手相、タロット…、どれもこれもイカサマなのは明々白々とした事実である。ここまで断定しているのに、バカな女どもは占い師の言説を信じ、行列まで作ってお言葉をありがたくちょうだいしている。彼女らは言うだろう。「インチキの人もいるけど、本物の占い師だっているもん!」と。
そこで今回は、世間的に〝本物〞と言われている占い師のペテンを暴き、それによって占い界全体のデタラメさを証明してみたい。〝本物〞ですらウソならば、その他大勢は言わずもがなだろう。東京に「Sの母」「Gの母」「Oの母」という3人の有名な手相占いバアさんがいる。人呼んで三大母。よく当たると評判で、占ってもらうためには整理券まで必要なほどの人気者だ。しかし、手相によって未来や過去、現在を当てているわけでは決してない。彼女らは人を見る能力に長けているだけだ。表情や会話のはしばしから何に悩み、今後どうしたがっているかを見抜き、適当なアドバイスを送っているにすぎない。手のシワは無関係。シワで未来がわかってたまるか。
とりあえず今回のターゲットは「Oの母」とする。手法はこうだ。まず一人の女性が、素顔のままで手相を占ってもらう。そして翌週、同じ彼女が今度は特殊メイクによって別人になり、また占ってもらう。手相に変化がない以上、占い内容はまったく同じでなければならないはずだが……。
占い一回目。
協力者、23才のナオが素顔のままで「Oの母」の占いへ向かった。料金は2500円だ。2時間後、ナオが戻ってきた。
「最悪でしたよぉ!めっちゃムカつく。あのおばあちゃん、何なんですか」
最初40分くらいは手相を見ることなく、あれこれ質問してはダメ出ししてきたそうだ。
「ヌカ漬けつけれないとヨメにいけないとか。バカは豆腐にぶつかって死ねとか」
おそらくOの母の手法は、最初に客を怒らせて素の感情を引き出し、どういう人間かを把握した後、占いのカタチでいかにもな言説を吐くのだろう。こっそり録音させたICレコーダーを確認したところ、手相占いに入ってからのバアさんの予言は以下のようなものだった。
結婚時期
「25〜26いっぱい。それでできないと、32前後。そのあとはないね」
子供の数
「なかなか妊娠しない。結婚して3年くらいはだめ。子供の数は3人。女、男、女」
苦労する時期
「31後半から2、3、4前半までが最悪。苦労のオンパレード。そのあとは44、47〜49、飛んで58〜61。いろいろ苦労あるよー」
出会い
「今年10月はじめ。でもデート2、3回でパーね。次は年末だけど、これは3ヵ月もたないね。たぶんアウト」
結婚後の仕事
「あなたは一生働く。あなたは金に縁がない。結婚して子供ができたら、いったん家庭に入るけど、手が掛からなくなると働く」
抽象的な物言いでごまかしてくるわけではなく、ずいぶんはっきり言い切っている。信じる人は信じるんだろうな。一週間後、ナオと共にメイクスタジオに向かい、テレビ番組のコンテストで優勝経験を持つ達人に、特殊メイクを施してもらった。ニキビやホクロを増やし、眉の太さ、唇の幅も変えていく。最後に髪型をバサバサにして眼鏡をかければ、あんなに可愛かったナオが、醜いオタクに変身だ。よし、では再び「Oの母」の元へ突進だ。今日は付き添い&ツッコミ役としてオレも一緒に乗り込んでやる。Oの母の店は、ごちゃごちゃした喫茶店のようなつくりだった。ポスターや書道の額、怪し気な水晶などが目を引く。白髪のジイさんが奥から出てきた。旦那だろうか。
「こっちのテーブルにどうぞ」
「あ、はい」
ナオが目配せしてきた。
「あのおじいちゃんとは、先週も顔を会わせてるんですけど」
「バレてねーな」
ジイさんに鑑定料2500円を支払って待つことしばし、軽く80才はいってそうなバアさんが現れた。Oの母である。バアさんは、ナオの顔をまじまじと見つめる。
「あなた…」
ま、まさかバレたか!?
「あなた、薬のんでない?睡眠薬とか安定剤とか?」
「…飲んでません」
「ふーん」 
セーフ。バレてない。どうやら初っ端から眼力を見せつけようと、やたらニキビが多いところに目を付けたんだな。
「手相は、タテヨコタテヨコ、網のようにクモの巣のように、線があればあるほど、ご苦労さん人生」
バアさんは何だかよくわからないことをつぶやいてから、ナオに向かってしゃべり始めた。
「あなた、家事はやってる?」
「…あんまり」
「ふーん。掃除、洗濯、炊事、四季折々の漬物つけれないと、女はメよ。あんたダメ」
これが例のダメ出しか。
「あんたの家族はつまんなそうね」
「色気もへちまもない」「百万年経っても結婚できないわ」。
罵倒の嵐だ。ニキビブスだからってよう言うわ。
「あなたカレシは?」
「いません。だから今日は恋愛運を見てもらいたくて。カレシがほしいんで」
「ったく、若い女がカレシほしいなんて口が裂けても言わないで。プライドがないの。あんたみたいな女、金もらってもいらんわ」 
言いたい放題が30分ほど続いたあとでいよいよ手相占いに入った。
「じゃあ、手を見せて」
ナオが手を広げる。
「私は見たまま。見たまましか言わないから。異性関係は、今年はどうかなー。ないね〜」
「結婚時期は?」
「結婚は23、4いっぱい。そのあとは29、30」
「そうですか」
「子供はできにくいけど、男で2人」
「運気が下がる時期とかありますか?」
「32〜4、5はよくない。このあたり、別居とか離婚とか出てくる。あんた短気そうだしな」
「そうなんですか」
「それから43、49。あとは苦労らしいものはない」
「わかりました」
「旦那になる人が金運強いから、子供できるまでは働くけど、できたあとは家庭に入るね」
占いが一段落したところで、オレはおもむろに切り出した。
「質問があるんですが。彼女の手相鑑定、この前見てもらったときと、だいぶ違うんですけど?」 
ポカンとした顔のバアさんに、ナオの素顔写真を見せる。
「この子に見覚えはありませんか?」
「…うちは毎日10人以上見てるから」
「この写真は、彼女なんです。同一人物なんです」
バアさんは写真を手に持ち、今のナオと見比べている。
「ぜんぜん違うわね」
なんだよ、その反応。こっちの意図にまだ気付いてないのか。
「あなた、うちに来るのは初めてっていったわよね?」
「あれ、ウソです」
バアさんの顔つきが明らかに変わった。
「実際には1週間前に来たんです。なのに、前回と今回の鑑定結果が違うってどういうことですか?例えば結婚の時期は、前回と比べると違うんですよ」
「そんなことないでしょ」
「あるんです。前回は25〜26いっぱい。今回は23〜24いっぱいだって」
「24いっぱいってことは、ぎりぎりオマケで25じゃない」
オマケって何だよ!
「じゃあ、子供はどうです?
この前は3人と言いました。今回は2人です。これもオマケですか」「ちょっと見せて」バアさんはナオの手を取った。
「ああこれは、うーん、3人目はかなり薄いなあ」
「何ですかそれ?」
「手が見にくいときがあるのよ。開き方によって見えにくいときがあるから」
そんなシンプルなごまかし方で来たか。
「ふーん、性別はどうですか。前回は女男女で、今回は男2人ですけど」
「言葉が足りなかったかも。人間は中味は女でも、気性が激しい人っているでしょ。手の開き方で線が見えにくかったから、そのへんで男に見えたのね」
すげー強引な理屈が出てきたぞ。
「適当に言ってません?」
「適当なんか言わない」
「まだ違いはありますよ。前回は仕事はずっと続けると言いました。でも今回は専業主婦になるって」
「子供の手がかからなくなったら、ちょこちょことパートとか。バリバリ働くとは言わなかったはず。ほとんど変わりない」
キビシいね〜。言っててツラくないんだろうか。
「苦労の時期も前回と違うんですけど」
「苦労の時期は変わる。1週間でも苦労は変わる。3日でも変わる」
「苦労の線が変わると?」
「変わる!」 
バアさんがタメ息をついた。
「あなたたち、今日はなんできたの」
「確かめにです。占いが信じられないんで」
「じゃあ、他の占い師のとこにも行きなさいよ」
「いや、有名な方が気になるんですよ」
「有名な方はいるじゃないの。一番は細木さんよ。新宿も古いわよ。あそこでも聞いてきたらいいじゃない」
「他の人の話は置いといてください。今はあなたの話をしてるんです」
「だから新宿のほうが有名だからあっちで…」
「あっちの話はいいんです。今はあなたの話をしてるんです」
「占いは、当たるもはっけ、当たらぬもはっけ。みんなお遊びみたいなもんだから。女の子たちはうちにもよく来るわよ。キャキャー言いながら、ほんとー?なんて。みんなほとんどそうなのよ。全部、信じるっていう人はいないんじゃない?ってこと」
お遊びだから矛盾があってもかまわないってことか。自分の商売を根本から否定してる気がするけど、どうなんだろう。
「極端いうと、占いなんてどうでもいいって言ってる。左右されるような人間じゃちっぽけ。悪いことは気をつけて、いいことは大事に。左右されるような人間はたいしたことないと。これは私の主義主張。左右されたらダメ」
これ以上は平行線をたどるのみだ。そろそろ帰ろう。
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