0182_20180706102148899.jpg 0183_2018070610214913b.jpg 0184_201807061021510b7.jpg 0185_20180706102152cf9.jpgごくまれに他雑誌の編集者と会うことがある。裏モノ系ばかりではなく、中には大手の女性ファッション誌編集部員なんてのもいるのだが、互いの仕事の話になったとき、ちょっと空気が変わることがいつも気になっている。(なに、この人。エロ本作ってんだ)といった蔑んだ視線を感じるのだ。そしてそのたび、俺は思う。ウチの読者も、あんたらの読者も、最終的な目標はセックスなんだから同じだろと。オシャレになりたい、可愛くなりたい、なんて願望はスマートに聞こえるが、つまりは男にモテたい、いい男とセックスしたいという希望と同意だと俺は考える。
この意見、暴論か否か。ファッション誌を立ち読み、あるいは購入した女性に、その最終的な目的をたずねてみるとしよう。書店から出てきた女子大生風がファッション誌の入った袋を手にしていた。顔面はお世辞にも美人とはいえない。フリフリのピンク色でまとめた格好だけは可愛らしいが。
(●……探偵 ○……女子)
●すみません。
○はい?
●いまファッション誌を買われましたよね?
○はい。
●よく買うんですか?
○まあ、はい。
●ファッション誌を読む理由を教えていただきたいんです。
○理由? えー、なんだろ。
●素直にお答えいただければいいですよ。
○まあ、カワイイ服が載ってるから参考にしようかな、みたいな。
●カワイイ服を着たい目的は何ですか?
○え? ああ、オシャレな格好できたらいいじゃないですか。
●いいとは?
○なんかルンルンするっていうか。
●ルンルンするためにオシャレをすると。
○そうですね。
●ルンルンってのは、いい女になれて嬉しいってことですかね。
○いやあ、アハハ。どうだろ。
●結果的に男性にモテるから嬉しいと。
○まあそれもありますかね、アハハ。
●それ「も」ですか? それ「だけ」じゃなくて?
○それ「も」ですね。
●あの、たとえばこの世の中が女性しかいない世界だとしてもオシャレします?
○するんじゃないですか。
●はぁ、しますか。
○すると思いますよ。
●わかりました。ありがとうございます。
女だけの世界でもオシャレをするってことは、男の目ばかりを意識しているわけじゃないんだな。いったい何のためだ?一冊読み終えてはまた次のファッション誌をパラパラやってる立ち読みちゃんがいた。見た目は田舎のエンコー娘みたいなデブスである。
●ファッション誌を読んでる方にアンケートをしてまして。
○あ、はい。
●どんな目的を持ってファッション誌を読んでるんですか。
○目的?
●はい。なぜファッション誌を読もうと思ったのか知りたくて。
○あー、好きなモデルさんが出てるんで。
●その子に憧れてるとか?
○好きですよ。オシャレですし。
●その人みたいになりたいってことですか?
○まあ。
●その人みたいになりたい理由ってあります?
○うーん。こういう服マネしてたらアガるんで、だから参考にしたいっていうか。
●アガる?
○自分の中でアガるんで。
●テンションが上がるんですか?
○そうですね。
●テンションが上がるのは、男にモテてセックスできる可能性がアップしたからってことではないんですか。
○ええ〜。
●僕はそう思ってるんですよね。
○そんなことないでしょ〜。可愛い服着たいじゃん。そのほうが気分がいいし。男のことなんて気にしてないっすよ。
●いや、でも気分が上がるのはやっぱりモテ度がアップするからで、それはつまり男とセックスできるからって意味になりませんか。
○わかんないけど、それでいいです。それも含まれてるってことにしてください。
なんとか認めさせたが、「それも」って言い方が納得いかん。それだけしかないだろに。
お次はメイクのページを熱心に読んでいたOLさん風情だ。
●ファッション誌を読まれてた方に取材をしてるのですが。
○はい?
●あの、こんなこと言うのもなんなんですけど、ああいうのって結局イイ男をつかまえるために読んでるのかなと思いまして。
○へ……。(口をあけたまま呆然)
●イイ男と付き合ってセックスするのが最終目標ってことではないんですか?
○いや…え…。
●違います?
○違います。
●何のために読んでるんですか?
○可愛くなりたいからですけど。
●可愛くなって、それでどうしたいんですか。
○いや、自己満足っていうか…。
●外出しないときでもばっちりメイクします? 自己満足ならするはずですけど。
○あの、やめてもらえません、そういう変な質問。自己満足。どんな分野であれ目的を尋ねるとよく返ってくる答えだが、ファッションにおいてその回答はどうなんだろう。カワイくなった自分を他人に評価されたくないんだろうか。
ファッション誌を購入した30才前後の女性がいた。スーツ姿のデキる風だ。
●すみません、少し取材させていただけませんか?
○はい、はい。
●ファッション誌をご購入されたと思うのですが、そういう本はよく買われるんですか?
○ええ、月に4、5冊は買います。
●そうなんですか。
○はい。
●なぜファッション誌を読まれるんですか?
○理由ですか?
●僕の考えですが、それはイイ男をつかまえたいからだと思うんですよ。
○え?
●ファッション誌を参考にしてイイ女になって、イイ男と付き合いたいっていうか、セックスしたいっていうか。
○いや〜。私はスタイルを参考にしたいというか。
●スタイルを参考にして、最終的にはどうしたいのかなってことなんですけど。
○フフフ、難しいこと聞きますね。
●あの、たとえば僕だったら、男だけの国とかにいたら、絶対オシャレなんかしないと思うんですよ。モテる相手がいないから。
○ああ、そういう意味ですね。私もしないかもですね。
●ということは、やっぱり男にモテてセックスしたいってことになりませんか?
○うーん。言い方はアレですけど、そういうことになりますかね。アハハ。
●ですよね。
○モテ髪とかモテメイクとかそんなのばっかりですもんね。男性に気に入られたいんですよ、みんな。
●気に入られてセックスしたいと。
○それもあるでしょうね。でもそれだけじゃないと思いますけど。
●いや、それだけじゃないですか?
○んー、それだけにしときましょっか。アハハ。
さすがデキる女は違う。この人の意見こそが全女性を代表しているものと俺は思う。