さらば平成を振り返るルポ。裏仕事師列伝・今回は軽油密造業者の話だ。※この記事は2005年の話です。当時のものとしてお読みください。
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振り返れば空前の詐欺ブームだった。中でもオレオレ詐欺(現在は振り込め詐欺)の猛威はダントツで、警察庁によると、全国の被害総額は130億円以上。さすがにいつときの勢いはなくなったとはいえ、今なお被害件数は確実に増え続けている。だが、ご存知だろうか。オレオレの他にもう一つ、今、別の犯罪がトレンドとなっていることを。不正軽油の密造だ。と言ってもナンのこっちゃな方もおられると思うので、順を追って説明しよう。そもそも現在市場に出回っている油には次の4つがある。
●ガソリン(1リットル・約120円)車専用の燃料。石油製品としてはもっとも有名
●軽油(1リットル・約90円)ディーゼルエンジン専用の燃料。ディーゼルエンジンは高出力で熱効率が良く、荷重の重いバス、トラック、工事用の重機などが搭載している
●灯油(1リットル・約55円)家庭用の暖房機器向けの燃料
●重油(1リットル・約50円)原油からガソリン、軽油、灯油を取り出した油。A〜Dまで品質別に4種あり、船舶、発電所、ボイラーなどの燃料として幅広く使われている問題の不正軽油とは、軽油と重油を混ぜた混和油や、重油に濃硫酸を加えた精製油のことだ。純正軽油とほぼ同じ成分を持つため、すべてのディーゼルエンジンに使用できる。では、これがなぜ不正と呼ばれるのか。通常の軽油は、軽油引取税
(1リットルにつき・1円)を含んだ価格で売られているが、非課税のA重油から作る混和油や精製油は、どちらも軽油でありながら、税金がかかっていない。【不正】とはすなわち、この脱税行為を指す。不正軽油の販売先は、スタンド経営者や運送会社などの大口需要家である。例えば、軽油の小売価格が1リットル90円のスタンドの場合、粗利は13円が平均。が、不正軽油を相場の60円で仕入れて売ると30円になる。そのスタンドの1日の軽油販売量が20キロリットルなら、実に34万も得をするのだ。