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その女、ユミと初めて出会ったのは合コンの席上だった。安めぐみ似のルックスにひかれてアタックを仕掛け、ー力月後には彼氏彼女の間柄となった。
しかし後日、合コンの幹事が俺を呼び出し言うのだ。
「あの女は止めといた方がいいぞ。有名なオリキだから」
何でも、彼女、数年来の熱狂的なジャニーズファン(通称オリキ)で、いまは定期的にFなるグループのリーダーを追っかけているという。って、それぐらいなら別にいいじゃん。
「いや、あいつは半端じゃないんだって」
「大丈夫だよ。俺、そういうのは理解があるほうかだら」
それから2カ月が過ぎたある日、彼女がマンションの鍵を差し出しながら言った。
「これ、なーんだっ」「えっ鍵だよね」「実はねー、Kクンの部屋の合い鍵なの。いいでしょ」「ええっー」Kといえば、近ころドラマでブレイクしたばかりの売れっ子だ。そんなもの、どうやってっ問い質す俺に彼女は言う。半年前、ネットでKクンの実家を突き止めたので、何度か遊びに行って、家主のお爺さんと打ち解けた。やがて中に。入れてもらえるようになったので、スキをついて合い鍵を作った。
「まさか、本人の部屋に忍びこむつもりじゃないよなっ」
「違うよ。ただのお守り。持ってると嬉しいじゃん」
無邪気な顔で微笑む彼女。信じていいのか。
さらに半月後、キンキキッズのコンサートへ彼女を送り届けたところ、会場の近くにたむろっていたファンのー人が話しかけてきた。
「すいません。アナタ、ユミさんの彼氏ですよね。ウチラ困ってるんですけど」。「はっ」
「あのコ、自分勝手に担当(自分の好きなアイドル)を追いかけ回してるんですよ」
「それって、君も同じじゃ。ないの」
「違います彼女は、やらかしですー」
’やらかし“とは、オリキ同士のルールを守らずに追っかける人のことらしい。はい一はい。
内輪もめはヨソでやってくれ。。
「こないだなんか、Kクンのマネージャーと寝て、スケジュールを聞き出したんですよ」
「えっっ」
思わず耳を疑った。バ力な。たかがスケジュール調査でそこまで。頼む、ユミ、ウソだといってくれ。
「えっなんで知ってるのっでも、Kクンってあんまテレビ出ないから、やっぱ押さえておきたいじゃん」俺は、その場で彼女に別れを申し出た。
もちろん全てのアイドル好きが同じだとは言わない。が、俺はジャニーズファンと付き合うのだけはもうゴメンだ。
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