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みなさんの中に、旅先の宿で、こんなトラブルに見舞われた方はいませんかっ
事前にちゃんと予約を入れておいたはずなのに、宿の人間から『予約は入ってない』と突っぱねられた挙句、最終的に他の部屋か、別の旅館をあてがわれた
確かに、原因はアレコレ考えられるでしょう。『不運な事故』だったなんてあきらめた貴方は、相当おめでたい人間です。旅館の予約ミスの裏には、お客様の知らない秘密が隠されているのです。
ドタキャンの自衛策、オーバーブッキング
私が、関東近郊の老舗温泉旅館の5代目を引き継いだのは1980年。それはそれは景気の良いころでした。平日でも部屋は満室、予約の電話をかけられても、お断りすることもしばしば。まさにこの世の春だと言ってよかった。
中でも、いちばん頭を悩ませたのが、ドタキャンの増加でした。我々の業界の場合、連休中日や夏休み冬休みといった力キイレ時には、何力月も前から予約で部屋が埋まることがザラ。あとから予約を入れてきたお客様を、お断りするしかありません。しかし、現実には、来る直前になってお客さまからキャンセルが入るため、すべての部屋が埋まることは稀。キャンセルチャージすらいただけないことも珍しくありません。特に、私のような中規模の旅館の場合、一部屋、空きが出ただけでも大きなダメージを食らうことになるのです。そこで、仲間の旅館経営者たちと話し合った結果、自衛策として生まれたのが、『オーバーブッキング』です。要は、あらかじめ部屋数より多い予約を受け、ドタキャンが入った場合の、保険にするのです。みなさんは疑問に思われることでしょう。
ドタキャンが入らず、予約客が全員、来てしまったらどうするのかと。そんなときは、利益の高い団体客を優先的に案内。個人客に対しては、予約は承っておりませんと突っぱねるのが常。クレームの電話も一切受け付けません。
「当方でもきちんと確認しておりますし。こう言っては失礼ですが、何か勘違いをされてるんではありませんかっ」
当然、お客様は激怒しますが、あくまで、毅然とした態度で、知らぬ存ぜぬを通し続けます。と、不思議なことに、いつしか形勢は逆転、我々が圧倒的に有利になってきます。なにしろ、すでにお客は田舎街に『着いてしまってる状態』。もはや、どうにもならないのです。
「何とかしてくださいよ。お願いします」
「一つ部屋が空いてるんですけど、ちょっと狭いし、汚いんです。とてもお客様をお泊めするような部屋じゃ」
「いや、それでもけっこうです。お願いします」
相手が了承したら、添乗員の宿泊用の、小屋か、宴会場に仕切りを入れただけのユースホステルに案内。多少、料金を下げておけば、文句は言われません。
旅行代理店も同じ穴のムジナ
それでも、収容し切れないほどのお客様がいらっしゃった場合は、仲間の旅館に紹介します。キックバックは料金の30%程度。ちなみにコレ、業界用語で『客を飛ばす』と言います。ヒドイ話だと思われるでしょうが、これも喰っていくため。生真面目にやってる旅館はバタバタと潰れてます。ちなみに、旅行会社を通して予約を入れたとしても、結果は変わりません。彼らの中には、我々、旅館側と「組んで」、当然のようにオーバーブッキングしている会社が少なくないのです。話は単純で、我々の方であらかじめ、旅行会社に「予約客のうち、実際に来るのは70%程度」というデータを上げておくだけ。あとは向こうで勝手にやってくれます。景気が悪いのは旅行会社も同じ。彼らも私たちと同じ穴のムジナなのです。もっとヒドい話をしましようか。みなさんの中に、旅行雑誌の記事を参考にして、旅館を選ばれる方はいますかっ実はアレ、かなりヤラセが含まれています。そもそも、大半の旅行雑誌のライターは、現地までは取材には来ません。こちらが用意した写真と資料を読んで、そのまま記事を書いてるケースが多いのです。場合によっては、旅館側が、原稿を用意し、多少の気持ちを添え、そのまま掲載してもらうこともあるくらいです。ついでに言えば、雑誌に掲載する部屋の写真は、後ろの壁がないところまで下がって、力メラを構えます。こうすると実際よりも格段に広く映る。
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