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4万円で掲示板に出して会って値切り交渉する作戦だ。
単純に値をつり上げ、よりイイ女をゲットしようという正攻法だ。むろん実際には4万も払わない。いざ女と対面したあとで値切り交渉だ。
「なんか思ってた感じと違うから1万負けてくんない?」
むろん渋るだろうが、わざわざアポまでしてオケラで帰るか、3万もらっておくかの二択なら悩むのではないか。 
募集文を載せて数分、さっそく反応があった。
〝はじめまして!掲示板見ました。ぜひお会いしたいです!外見は好き嫌いあると思いますけど、がっかりする感じじゃないと思います〞
ぜひお会いしたいです!ってか。この意気込み、4万の魅力ってのは大したもんですなあ。
彼女は千奈美(仮名)といって、現役の美大生だという。にもかかわらず年齢が25なのは、ダブりまくったんだろうか。何通かメールをやり取りした後、新宿へ移動することになった。理由はよくわからんが、渋谷でのアポはどうしてもNGなんだそうな。約束の歌舞伎町ドンキ前に足を運ぶと、事前に聞いていたデニムワンピ姿の小柄な女がすでに立っていた。お、いいんじゃない?
色白でアヒル口の顔がなかなかキュートだ。80点ラインは超えたんじゃないでしょうか。
彼女がひどく緊張した様子で会釈する。
「わざわざ来てもらってすいません。私で大丈夫ですか?」
もちろん「大丈夫です!」と即答したいところだが、その前に値引き交渉をしなければ。
てなわけで、まずは近場の喫茶店へ。ドリンクを飲みながら軽く世間話を交わす。「メールで美大生って言ってたけど、25なんだよね?ずいぶん長いこと在籍してるんだね」
「あ、それ大学じゃなくて専門学校です。1回就職したんだけど、学芸員の資格を取りたかったから辞めちゃって」
「へえ。じゃ収入は?バイトとかしてないの?」
「週5で居酒屋で働いてますけど、かなり苦しいですね。だから、ちょっと出会い系でもしてみようかなって…」
「今まで何人と会ったの?」
「2人です」
しかし千奈美の説明によれば、メシを奢ってもらったついでにほんのちょっと小遣いをもらっただけで、エロいことは一切やってないという。てことは、今日が初めてのワリキリ?
マジか!
「だからホントはどうしようか迷ってたんですけど、4万円ももらえるならいいかなって」
ふうん、そうか〜。でもゴメンね。オジサン、4万もあげられないんよね。だって今から値切っちゃうからね。
ひとつ深呼吸をして切り出した。
「あの、その4万なんだけど、実は千奈美ちゃんが俺の想像していたなんかタイプと違うっていうか。もうちょっとハーフ的な感じのコが良かったんだけど」
「…あ、すいません」 
一気に曇った彼女の顔を見ながら続ける。
「だから、1万ほど安くしてもらえないかな」
「3万ってことですか?私、4万のつもりで来たから、そこまで下げるのは厳しいです…」
「でも、ここで千奈美ちゃんが断れば一銭にもならないよ。交渉決裂だから。せっかく来てくれたんだし、お金持って帰ってよ。お互いその方が得なんだし」
「………」
半ベソをかきながらも立ち去ろうとしないのは、やはり3万に未練があるからだろう。
ややあって彼女が顔を上げた。
「わかりました」
こっちも涙が出そうだ。こんな可愛らしいコを3で抱けるなんて!
ワリキリ目的のふざけた女に世間をわからせる
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ワリキリ目的でつながったのは29才のミユキさんだ。ワリキリ額はホテル代別で1万から1万5千円の間で考えているという。体型などの簡単な自己紹介をきいたあと、軽く容姿について聞いてみた。
「顔はね〜優香に似てるかな」
 あ〜あ、言わなきゃいいのに。優香がテレクラにいるわけないじゃないの。
「そしたら、値段はお会いしたときに考えるカンジでもいいですかね」
「いいですよ〜とりあえず会おっか」待ち合わせ場所のコンビニ前にいたのは、ネアンデルタール人だった。服は…ヨーカ堂の部屋着売り場で売ってそうなテロテロしたキャミソールだ。髪はプリンだし、顔はテカテカ。おまけに両腕には無数のリストカットが手首から肩までびっしりだ。こっちが1万もらえたとしてもセックスしたくないよ。
●えっと…人通り多いしホテルの方にとりあえず行きましょうか。
○うん、いいよ〜。
●そういえば、ご結婚はされてるんでしたっけ。
○してないよ〜お兄さん、してそうだよね〜!
●いえ、してないです。
○じゃあ彼女は?
●いないですね。
○モテそうなのにね〜!
●いえいえ。ちなみに、今日はテレクラで他の男性にお会いできましたか?
○全然ダメ。1人会ったけど結局ダメだったわ〜。
●あの〜、ワリキリの値段なんですけど…。
○なに、下げてほしいの?(不安げな表情を
浮かべる)
●そうですね〜1万から1万5千円っていうのはちょっと…。
○…。(ジッとこちらを見つめる)
●ミユキさん、なんでこの値段なんですか?
○…そりゃ、払ってくれるから。
●これまで「高い!」って言われたりしませんでした?
○う〜ん、一回すっごいデブの人に怒鳴られたことあるね。「オマエの場合は1万でも高い!」って。
●で、そのときは結局いくらに?
○せめて半分ホテル代払えとか言われてさ、それ払ったから8千円くらいだったかな?
●へぇ〜。じゃあ8千円でワリキリしたってことですよね。
○まぁしょうがないよね。え、全然お金ないの?
●う〜ん…そういうわけじゃなくて、ちょっと思ったんですけど。
○はい。
●優香に似てるって言ってましたよね?
○うん。
●それ、ホントに言ってるんですかね。
○ううん、言われたことあるよ、ホントに。
●正直に言いますけど、それは絶対違いますよ。ていうかヒドいと思いますよ。
○なんでよ。
●優香に似てないっていう以前に、お姉さんは女性として見た目が酷いじゃないですか。それはわかりますよね?
○…。(こちらをジッと見ている)
●お姉さんに1万円なんか払えないって言ってたその男の人の話、もっともですよ。てい
うか、その8千円も高いと思いますよ。そんな価値ありませんって。
○…。
●その腕の傷とか酷いじゃないですか。それに優香はそんなに鼻のアナ大きくないですよ。なんで1万円って平気で言えるのかわかんないんですよボクは。
○…うん。
●言い方悪いですけど、お姉さんって、普通の風俗だったら、絶対出てこない人ですよ。だって身体に傷があって、髪の色もムラだらけで、顔もゴツゴツな人なんてそういう仕事できないですからね。なのに、風俗と同じようなお金でエッチするってヘンなんですよ。
○…いくらなら出せるの?(不安げな表情)
●うーん、だからそもそも値段がつくかっていうレベルの話なんですよね。言ってることわかります?
○…ううん。
●じゃあ聞きたいんですけど、「私とエッチするのに、1万円なんかもらっちゃっていいのかな」って思ったことありません? ブスなのにごめんなさい、みたいな気持ちになったことありません?
○…そっか。うん、たしかに高いよね…。
●ちょっと暴利もいいとこじゃないですかね? お姉さん、普通の女の人じゃないじゃないですか。普通はもっと化粧して髪もそんな適当じゃないですよ。
○うん、たしかに高すぎたかもね…。(地面を見始める)
●そうそう、そうなんですよ。
○うん…もらいすぎてたかもね。じゃあ、いくらならいい?
●いえ、だからホントに値段つかないんですよ正直。
○あぁ、そうなんだ。じゃあ、やらないのね。
 最終的には口数が少なくなり、反省の表情すら浮かべているようだった。これをきっかけに現実と向き合えるようになったに違いない。やっぱり、言ってみるもんだな。
援助交際女は適正価格に引き下げましょう
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電話でつながったのは31才の独身女性だ。ワリキリの値段はホテル代別で1万5千円。どいつもこいつも思考停止的に横並びにしやがって。こちらが電話での即決はできないことを伝えると「じゃあすぐ近くにいるし、会いましょう」とのことだ。テレクラ店舗から待ち合わせ場所までご丁寧に道案内するあたり、かなりのエンコー慣れした女とみてよいだろう。待ち合わせに指定された駅の階段前には、濃いアイシャドウにファンデーションと、悪趣味な化粧をした鈴木その子が立っていた。ピンクのミニスカートは街行く人のなかでも圧倒的に目立っている。
●あの、さっき電話で話したスズキです。
○あら〜おしゃれさん!
●あ、どうも。でもお姉さんもけっこう個性的なファッションされてますね。
○友達にそういう人が多いからかな? 私の友達、みんな個性的なのよ〜。
●はぁ。
○話してたときから思ってたけど、お兄さんお行儀いいわよね。
●そうですかね。
○第一印象でマナーとか悪い人ってすぐに断ることにしてるのよ。
●どういう方だと断るんですか?
○待ち合わせでガム噛んでたり、音楽聞いてたり。
●えっ、待ち合わせ中に音楽聞いてるのもダメなんですか?
○だって相手に失礼じゃない。私ね、育ちのいい家庭で育ったもんだから、そういうのホントに許せないのよ。
●あの、電話でお話ししたワリキリなんですけど。(スズキ、ホテル街で立ち止まる)
○うん、もうホテル近いし入っちゃおうか?
●いや、ちょっと待ってください…。
○なに、どうしたの〜?
●1万5千円でしたっけ?
○そうだよ。
●それはちょっと…。
○手持ちないの? じゃあ、全然お金下ろしてきてもいいよ〜。(ニコニコしてる)
●いや、そういうのじゃなくてですね、1万5千円はおかしいですよ。
○やめたいの?
●いえ、値段の設定がおかしすぎると思うんですよね。
○高いって? みんな払うよ?
●はぁ。
○2万円払う人もいるよ?
●いや、そうじゃなくてですね…。
○なに、冷やかし? でも違うよね、お兄さんは。
●ちょっと、1万5千円っていうのはお姉さんには高いかな…って。わかりますかね?
○でも〜さっき言ったのよりは値段は下がんないかな〜。
●う〜ん…。あの、一つ聞きたいんですけど、お姉さんの年齢でそのスカート履いてるのって、かなりおかしな人に見られるってわかりますかね?
○…なに言ってんの?
●わかんないんですか? だって、そういうのってせいぜいハタチくらいの若いコが履くもんじゃないですか。お姉さんって見た目も明らかにオバサンじゃないですか。
○ちょっとね、あなた…。
●はっきり言うとですね、こんなブサイクな人が1万5千円なんて強気でいることが許せないんですよ。500円ならわかりますけど。
○あははっ、そういう人もいるんだね〜。
●だって1万5千円って肉体労働2日分ですよ。
○それで?
●2日間必死で働いて稼いだお金が、お姉さんとのセックスで消えるなんてどう考えてもおかしいですよね。
○それは人それぞれだからね〜。で、どうすんの? 入るの? 入らないの?
●絶対に入らないですね。価格設定がオカシイので。そのヘンな化粧でよくそんな金額を言えるなあと思い…。
○うん、もういいや。他の人探すからね。
 言いたいことは山ほどあったのだが、途中で話を切られてしまった。悔しい。
こんな勘違い女たちがのさばっているのは、すべて言い値で払ってしまう男たちのせいだ。格付け委員長のオレもその一人なのだが。みなさん、今後は協力しあって適正価格に引き下げましょう!
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