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今年7月上旬、こんな雑誌広告を掲載し、応募者から登録料をせしめていた出張ホスト詐欺のグループが静岡県害に逮捕された。被害者は全国で1万人以上、被害総額は4億円にも上るという。
いまどきこんな古典的な詐欺が存在するとは。みなさんの呆れる顔が見えるようだが、さら
に注目すべきは被害届を出した人間の数。なんと実に9990人が泣き寝入りしていた。
確かに、女性絡みの詐欺に引っ掛かったら、極めて恥ずかしい。金を取り戻すより、表沙汰にしたくないという心理が働くのもムリはない。かくいう私も恋人紹介業者に金を編し取られた男だ。通常の
感覚で言えば、編され損で終わるところなのだろう。
しかし、私はどうしても泣き寝入りする気になれず、同じ業者に編された他の被害者たちと協力し、被害金を全額取り戻した。執念の記録、ぜひ聞いてほしい。
ある日の深夜、店で男性向けの週刊誌を立ち読みしていると、こんな広告が目に飛び込んできた。
《理想の恋人を絶対紹介.成功率200%》
読めば、入会金も会員登録料も無料、理想の恋人に出会えるまで専任アドバイザーが面倒を見てくれる恋人紹介所だという。
『いくら何でも成功率200%はオーバーだろう』
いったんはぺージを閉じかけた私だが、なぜかその広告が妙に気になり雑誌をレジに差し出した。
家に戻り、改めて広告の文面を読んでみる。
「当社の場合は、電話一本でやっておりますので、特に事務所に来ていただく必要はありません。この場で、住所、名前、年齢、希望の女性の年齢、タイプ、職業、地域などの質問にお答えいただければ、会員登録が完了となります」
「入会にはおいくらぐらいかかるんでしょう」
「1年間で5万円です。それ以上は一切、いただきません」
最初に女性と会う際、事務所の人間も同伴するので、入会金はそのとき直接、渡せばいいらしい。つまり、1回のデートは保証されているのだ。翌週の金曜の夕方5時、デート当日。スーツを着込んだ私は、指定された上野のホテルのロビーに立っていた。緊張で血が高ぶりっぱなしだ。待つこと数分、背後から声がかかった。
「亀田さんですか?」
振り返れば、水商売風のスーツを来た男が立っていた。促されるまま、ホテル内の喫茶店に入った。
「担当コーディネーターの伊集院です。今日は看護師さんと初セットでしたね。良いお付き合いが出来ますように」
丁寧な対応に恐縮しつつ、さっそく、年会費5万円を支払う。
「では、1時間後の6時に、事務所に電話を入れてください。女性スタッフが出ますんで、そのとき会員ナンバーを言っていただければ、待ち合わせ場所その他、詳しくご案内しますから」
いますぐ紹介してくれるんじゃないのか?釈然としないながらも、伊集院を見送り午後6時きっかりに電話をかけた。と、会員ナンバーを口にした途端、電話口の女が言うのである。
「5時50分と聞いてません?10分過ぎてますよ-看護師さんは、他の会員様にお回ししました」
『ちょっと!ソレはないんじゃないですか?私は6時と指示されたんですよ!』
必死に抗議したが、相手は「受付できない」の一点張り。なおも食い下がると、電話は最初の担当者・川島に代わった。
『最初から約束の時間を守れないような人間に、うちの大切な女性会員は紹介できないね!写真か、身分証のコピー、すぐに送りなさい!とにかく今日は無理だね、無理』
信じられない言いぐさに言葉も出ず、いったん電話を切り、伊集院の携帯に連絡してみた。が、何度かけても繋がらない。再度、事務所に連絡を入れたところ、今度は名乗っただけでガチャ切りされた。何という仕打ちなのだ!
しかし、私という人間はとことん目出度いようだ。翌日には、スピード写真で顔を撮影、配達証明で業者に郵送した。まだ編されてるとは思ってもいなかった。写真が届いたころを見計らい、事務所に連絡を入れると、以前とはうってかわった丁寧な口調で、川島が言う。
『先日は失礼しました。写真を頂きましたので、女性会員閲覧のファイルにアップさせて頂いたところ、亀田さんモテるじゃないですか。複数の女性から交際のオファーが来てますよ。当社で慎重にマッチメイクしたところ、OLさんがベストと判断しました』
なんだ、結構イイ業者じゃないか。顔をにやつかせ、その後の説明を聞き悟然となった。なんと、この女性に会うには新たに10万円必要になるというのだ。
「見知らぬ者同士の交際ですから、万が一事故があってはいけません。そこで、預かり金・保証金として、1ヶ月あたり10万円、3ヶ月で計30万円を頂戴してるんですよ」
5万円ぽっきりという当初の話と全然違う。第一、いまの私に30万円なんて大金、用意するのは不可能だ。悩んだ挙句、私は思い切った。サラリーマン時代、家賃が滞ったとき、一度だけ利用したことのある消費者金融の力ードを使ってみようと考えた。
月収18万円そこそこの身の上には、痛すぎる出費だが、ここで引き下がっては何も進歩はない。目の前には、素敵な女性と付き合う、素晴らしい人生が待っているのだ、私は信じて疑わなかった。
業者に金を振り込んで2週間、9月半ばの土曜日に先の女性と初デートが成立した。待ち合わせは新宿アルタ前に午後5時だ。
時間ちょうどに現れた女性は、チェ・ジウを祐梯とさせる、超美形だった。心臓の鼓動がより速くなった。彼女の案内で、近くのダイニング・バーに入り、ビールで乾杯。その後、カラオケで歌い、さらにもう一軒バーに立ち寄り、この日はお開きとなった。手さえ握ってないが、雰囲気は良好。ぜひ次も会いたいものだ。しかし…。
「すいませんね、お断りのお返事ですね。貴方とは相性が合わないって言うんですよ」
翌日、川島からの電話連絡に私は耳を疑った。なぜだ?彼女、あんな楽しそうにしてたじゃないか。
「ま、相手のあることですから。今回はご縁がなかったということでご勘弁ください。他にも候補者は大勢いますので、すぐにまたご連絡します」
正直、ヘコみまくったが、新たに女性を紹介してくれるというし、ここは前向きに考えよう。その後1ヶ月、紹介所からは何の連絡もなかった。どうなってんだ!
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