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私の名前は、レイコ。本業はSMの女王様である。といえば、思い出した読者もいるだろう。
ある主婦が「口の達者な女性募集」という三行広告を見て面接に行くと、それはー回のプレイで10万円をふんだくる、SM美人局で、彼女はその片棒をかついだというもの。あそこに出てきた首謀者にしてニューハーフのレイコが、私なのだ。
某国立大の大学院を男としてた私がなぜニューハーフ、女王様で食っていくよったのかは長くなるのでただ、ウラの商売を始め、借金がきっかけである。五反田のSMクラブで働いたが、千万位の金などそう簡単に返せない。追い詰められた挙げく件の美人局を計画したというワケだ。なのに、あの記事のお陰で商売がやりにくなったばかりか、警察に呼ばれるハメに。いろいろ伏線を張っておいたので、事情聴取の結果、違法性は認められないと解放されたが、さすがに同じパクリはできない。そこで新たに考え出したのがAV男優詐欺である。ヒントは知り合いのAV監督の一言だった。
「この前AV男優がいてさ。まともに勃ちゃあしないんだ。あんまりナメたヤツだから、賠償金取ってやったよ」
彼が言うには、機材やらスタッフやらを調達するとかなり費用かかさむため、男優の都合で撮影が中止になった際には、その金を払わせることもあるらしい。これをいただいた。AVメーカーに扮して男優を募集、無理難題を押しつけて撮影中止に追い込み、賠償金をもらうのだ。ただ、美人局で荒らした東京でやるのはリスキー過ぎる。そこで、ちょうど大阪の知り合いから遊びに来ないかと誘われていたこともあった。
仲間4人と一路、西へ向かそれが去年の夏のことだ。マンションに腰を落ち着けた私たちは、さっそくカモを募る。
「私は今度デビューする予走のAV女優です。共演してくれる人が必要なのですが、恋人や友人には恥ずかしくてとても頼めません。だから共演してくれる男の人を募集します。」
タダでヤれて金にもなる。しかも、新人女優なら素人のオレでも手が届くんじゃないか。そう思った男どもからわんさか返事が来た。その中から、金のなさそうなフリーターを排除し、いざとなればサラ金で金が調達できるサラリーマンと、親の金が期待できる学生に的を絞って面接に呼ぶ。最初の力モは、気の弱そうな30代のサラリーマンだった。私がモデルプロダクションの敏腕マネージャーに扮して対面し、身分証明書を確認して身上書を書かせる。実際にビテオを売るワケじゃないから、金が取れそうならどんな男でもオールOKだ。
「やる気があるなら、うち専属の俳優として仕事を回しますよ。ちょうど明日、恋人同士って設定の撮影があるんですけど・・」
当日、待ち合わせ場所には監督とカメラマン、そしてAD役のいかつい男3人が待機。
「じゃあまず単体の撮影を片づけよう」と、カモをカラオケボックスに連れ込んだ。
「共演する彼女を思い浮かべてオナニーするシーンから行こう。はい、オナニーしこいきなりそんなことを言われても、狭いボッグスで照明を当てられたら、勃つものも勃たない」
「なにやってんだ、お前、プ口だろ」
男3人か脱み付け、アタマごなしに怒鳴りまくる。素人男優のアソコは小さくなるばかりだ。30分後、撮影中止を宣言して、マネージャーである私を呼び出した。
「あんたんとこはこんないい加減なヤツを寄越すのか。勃起ひとつ満足にできないんじゃ話にならないよ。今日の人件費と機材費はおたくに賠償してもらうからな」
撮影スタッフが帰ると入れ違いに、貫禄たっぷりのプロダクションの社長役が。彼もまた私をどなりつける。
自分の情けないチンポのせいで他人が責められてるとなれば、良心を持った普通の人間は
「私にできることがあれば」と言い出す。そこで「じゃあ会社が半分持つからアンタも出せるだげ出してくれるか」と話ばスンナり運ぶはずだったのに、現実は甘くはない。男は気弱そうな顔をしながら、ただ座っているだけ。アナタはプロの男優として仕事を請け負い任務を果たせず損害を生じさせた。だったら弁慣すべきでしょうと説得しても「勘弁してください」と、うつむくばかりなのだ。
結局、話してるうちに身上書にデタラメが書いてあったことが判明。
「テメー、ウソつきやがってどう落とし前つけてくれんだコノ野郎」と一喝すると、やっと支払いに応じた。こういう金は時間を置けば置くほど取りにくい。男について銀行まで行き、その場でおろしたての金を受け取る。口座に入っていた全財産、26万で手を打ってやった。
大阪の男は図々しいのか、情に訴えても平気ですっとぼける。ならばビジネスに徹しようと面接の段階でこっちに有利な契約書にサインをさせることにした。
「男優の一方的な理由で撮影が中止となった場合には一切の費用を男優が負担する」という一文はもちろん、男優は肖像権を放棄すること、映像マテリアル(つまりビデオ)の所有権は事務所にあるとの項目も付け加える。これは、万ーカモが金を払わないと居直った場合、ビデオを買い取ってもらうためだ。さすがにオナニーしてる情けない姿を家族や会社の人間に見せると脅せば、誰だって何万かは出すだろう。
そんな内容で契約できるのかと思うかもしれないが、実際のとこ、細かい内容をチェックするヤツなんて皆無だった。もっとも、目に入らないよう小さな文字で書いてあるから読みようがないのだが。こうして無事にサインをさせたら、
「ギャラは即日支払われるから撮影の時は印鑑と身分証を持参してね」と優しく念を押す。金の持ち合わせがないとゴネた際に、その足でサラ金へ直行させるためだ。私たちに「金がない」のいい訳は通じない。さすがにこれだけ用意周到にやれば、取りっばぐれはない。撮影当日になって「やっぱり自信がない」と連絡してきたヤツかりも契約書をタテに賠償金を持ってこさせたし、フリーターでも、多重債務者じゃない限りサラ金で10万ぐらいの金は引っ張れた。それでも「払えん」と突っ張る恥知らずは家に押しかける。親や奥さんの前で、こちらがこんなに困っているとブチまければ払わざるをえないだろう。
と思っていたのに、幸いそんな根性のあるヤツはいなかった。「出るとこ出てもいいんやで」とナメた口をきいた25才の家具屋の二代目の場合、彼の家からほど近くで
「いま、××交番前にいるんだけど」と連絡を入れると、こちらの意図を察したのか直ちに30万のキャッシュを持って駆けつけてきた。さらに相手が学生だと、余計な小細工は必要ない。
「テメエのケツも自分で拭けないなら親に拭いてもらうか」これで一発。いくら親不孝なボンボンでも、チンポが勃たず追い込みをかけられたなんて親に知れたら一生アタマがあがらないと思うのか、わかりましたと親から金を借りて来た。ー力月の間にカモった男は約20人、金額にして400万ほどか。しかし、実はこの方法には致一叩的な欠点があった。最近の男どもはAV育ちのせいか、ビデオカメラの前で堂々とオナニーできるヤツが多いのだ。とりあえず発射までいっても、「出しゃいいってもんじゃないよ。表情がなってないんだよ」と、監督が難クセを付けて怒るのだが、それにも限界がある。ある20代好青年風サラリーマンは、ホモっ気でもあったのか男たちが見守る中、完壁な表情とあえぎ声で2回もフィニッシュしてみせた。さすがに文句のつけようもなく「女優が生理になっちゃって。また連絡するから」と、こちらが慌てて逃げ出す始末だ。
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