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『タイタニック』のようなデート向け超大作は別にしで、映画はやはりー人でじつくり楽しむべきもの、と僕は思う。特に前記したような単館でしかやっていないようなマニアックなのともなれば、それこそ誰が観ても楽しめるとは限らないし、楽しいデートが一瞬にしてシラける危険すらある。
映画好きの女のコが1人で観にきて不自然じゃない作品が望ましい。都合のいいことに、僕がフランチャイズとする渋谷にはやたらミニシアターが多い。パルコ裏のシネマライズ、パルコのシネクイント、シネマ、ザ・プライム内のシネセゾン等々。これなら映画が終了した後もフォローしやすい。僕はさっそく作品の選択にとりかかった。
女のコがー人で映画を観終わり誰かにしゃベりたくなるとき、誰かに話そうというのが作戦である。当然、場は盛り上がり、その後もスムーズに展開するかもしれない。
駅から徒歩5分と抜群のロケーションながら、実に目立たない場所にあるユーロスペース。平日金曜の午後ということもあってか、開演15分前になっても口ビーには客がいる。
1メンツは小太りの映画オタク風といかにも会社をサボってますといった感じのサラリーマン風。あとは70才くらいの人生リタイヤ爺さん、オバサン2人組だ。若い女性の姿はない。前回の上映が終了したところでみなソロゾ口と館内へ。僕も自分の席を確保した後、後ろを振り返ると、新しく入ってきた何人かの客のなかに若い女性がー人混じっているのを発見。歳は25前後。中山美穂似のかなりの美人である。いや、待てよ、今はー人だが後で男がやってくる可能性はないか押ま、その時はそのときだ、とりあえす、ターゲットはこのコしかいない。
暗くなり本編が始まった。男が現れる気配はない。やはりー人で観に来ているようだ。さて、映画が終わった後いったいどこで、どんな言葉をかけたらいいのだろう。
口ビーで近づくのがいいか、いったん外に出てからか。路上で声かけたら、単なるナンパと変わらないしな…。そんなことを考えていたら作品にまるで集中できない。というか、想像以上のプレッシャーである。ナンパまでに『間』があることで、難妙な緊張が生まれてしまったのだ。しかも暗い空間でたったー人放り出されたような感覚が一層ドキドキを煽る。
上映中はストーリーをただ目で追っているだけ。内容なんかちっとも頭に入って来ない。2時間がこんなに長く感じられたのは初体験ではなかろうか。物語もいよいよクライマックスに差しかかり、感動のラストシーン。が、まったく集中していない僕は涙の一滴すら出やしない。エンドロールが流れ始めた。通常の口ードショーであれば、ここで皆が一斉に席を立ち始めるのだが、この手のアート系シアターだとエンドロールが終了して場内が明るくなるまで席を離れない。
やっど美穂が席を立ち出口へ向かっなーすかさず僕も後を追う。どこで呼び止めたらいいのか。駅へ渡る国道246の歩道橋まで行ってしまったら人通りも多くヤバイ。その前になんとしても声をかけなければ。小走りで彼女の元へ近つき肩を叩いた。
「どうでした、今の映画?」「え」
驚いた様子で振り返る彼女。ま、当然の反応である。
「いや、最近の香港映画にしてはやけに甘ったるい演出だったと思うんだけど」僕は。続ける。スタンスとしては、あくまで観た映画の感想を語る相手を探している、そんな男だ。
「そう思わない?」「うーん。でもこういった題材の方が日本では受け入れられやすいのかも…」
よし、話に乗ってきたぞ。そうなんだ、僕はキミと今観た映画の話がしたいだけなんだ。スカウトやキャッチとは違っんですよ。「よかったら、お茶しながら少し話さない?」「え、うーん・・」
戸惑い気味の美穂(24才OL)を強引に喫茶店へ誘う。まずはうち解けた風囲気を作らねば。しかし、僕の目論見は脆くも崩れた。圧倒的にノリが悪いのだ。確かに映画好きで堅物のOLってのも理解できるが、僕に接する態度が通常バリヤの3倍くらいの厚みに感じられるのだ。
映画の話には真剣に耳を傾けてもくれるし意見も言う。が、そこが限界。さらに進んで
「彼氏はいるの」「お酒とか好き」なんて聞くと、途端に適当な受け答えに変わる。早い話が「なんでそんなこと聞くの」といったかんがありありなのだ。おそらくこれ以上誘ったところで結果は見えている。僕はー時間ほど経過したところであきらめることにした。
次はもっとノリのよさそうなコを…といって春、映画を観終わった後じゃー人に声を掛けるのが精一杯で選択の余地もない。どうやら、これは数打つしかなさそうだ。
翌日土曜はパルコパート3にあるシネクイントにやってきた。
まず館内全体を見渡すために一番最後部に席を取る。ここなら、女性の顔こそ見えないものの、行動が手に取るようにわかる。女のコが席を立った後、追いかけるのも簡単だ。対象の女性それぞれにチェックを入れた結果僕はすぐ右斜め前に座ったショートカツトのコに狙いを定めた。
ちょっといたずらっぽい雰囲気が実に可愛い。例によって、楽しむ余裕のないまま2時間弱。ようやく映画が終了した。よし、行くぞ。ショートカットは、映画館を出響ると公園通りの方へ歩き出した。あまり人混みに出ると声を掛けにくい。僕はパルコ横の細い路地で彼女を呼び止めた。
「やっぱギャスパーは男性に対する眼差しがシビアですよね」?いきなり観た映画の内容に触れるのがミソだ。
「そうですね?なんか可哀そうになっちゃったし」。反応は悪くない。
「ふーん。やっばり女性の眼から見るとそそるのか・・」
とりあえずフックは見つかった。後はどうやって自然に誘うかなのだが、ここで時間ある?なんて聞くのは愚の骨項、聞くならこうだ。「時間あるよね」
有無をいわせぬモノ言いが勝利をもたらすことは経験上わかっており、その読みどおり彼女(19才、フリーター)もすんなり誘いに乗ってはきた。中が、この後不幸にも友だちと待ち合わせがあるらし叫。仕方なくサ店でお茶を飲みい携帯番号を交換しただけでバイバイ。うーん。やはり、昼の日中にフリーの女を探すのは難しいのかもしれない。となれば、繰り出すのは夜か。例えば、最終回なら終わるのが9時から9時半。その後、予定が入っている女性もそういない、だろう。
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