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昨秋、ー年ほど同棲していた彼女が、「さようなら」と書いた紙切れを残して突然いなくなった。仕事もせず無心ばかりしていたのが悪いのか、いつも顔射を強要したのが悪いのか、理由はよくわからないが、とにかく彼女はこつぜんと姿を消したのだ。どうせ親元にでも戻ったんだろうと、彼女の実家(新宿区)を訪ねると、なんとそこもまたもぬけのカラ。一家総出で夜逃げでもしたのか?
興信所に相談したところ、先方は50万円もの料金を提示してくる。そんな大金出せるはずもなく、かといって彼女のこともあきらめきれない。僕は自力で彼女の居場所を見つけ出すことにした。手っとり早いのは住民表を上けることだろうと、まずは実家の旧住所(新宿)の住民表を取ってみたが、あいにく異動の形跡はない
そこで今度は郵便局に間いあわせてみる。
「nさんの家、郵便物は転送扱いになってますか?」こんな質間に答えてくれるとも思えなかったが、なんと局員は「なっていますが」とあっさり言うではないか。そこでさらに問いかける。「転送先を教えてもらえませんか」と、これはさすがに教えられないようで、かたくなに拒否ま、そりゃそうだろう。
しかし、転送届を出していることがわかっただけでも大収穫だ。ならば、旧住所あてに代引き郵便を送ってみるのはどーつか。転送を経て現住所に届いたとき、家族は覚えのない代引きを不審がって、受け取りを拒否するだろう。
結果、差出人である僕の元に、「現住所に書き直された」郵便物が戻ってくるという寸法だ。瞬我ながらグッドアイディアと手を打つ僕だったが、よく考えるとこの方法にはーつ問題がありそうだった。つまり、頼んでもいない代引きを送り付ける行為そのものが詐欺に当たるんじゃないかと思えてきたのだ。
じゃあ、とうしよう。と、考えに考えてひらめいたのが取り消し請求だ。一般郵便物ではまずありえないが、代引き郵便などでは、引き換え金額誤りなどの理由で、配達をストップして荷物を取り戻すことができる。これが取り消し請求だ。旧住所に送った郵便物は、まず新宿の局に届き、そこで転送届を元に現住所が書き込まれた後、現住所の最寄り局に回される。この最寄り局に着いたころ、つまり当人に届く直前に取消請求を行えば、詐欺の心配をする必要なく現住所が判明する。
さっそく僕は、『英会話のイースト』とデタラメな社名を使って、市販の英会話本を代引き郵便で送り、翌朝、金額間違いを名目に取り消し請求を出した。荷物はちょうど新宿局を出て、同じく都内の荻窪局に着いたばかりとのこと。荻窪局で650円の取消手数料と引き換えに取り戻した荷物には、赤ペンでしっかりと現住所が記されていたのだった。余談だが、判明した住所に出向くと、そこはとても一家で住めるような代物ではないオンボロアパート。中から出てきた彼女とお母さんのやつれた姿に、僕は声をかけることもできず引き返すしかなかった。
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