0008_201906161457301f0_20190814231949c48.jpg0009_201906161457312ba_20190814231950dea.jpg0010_2019061614573383f_2019081423195214a.jpg0011_20190616145737ccb_201908142319535e0.jpg0012_20190616145750a6e_20190814231955570.jpg0013_20190616145801f9b_20190814231956046.jpg0016_20190616145806a4a_20190814231958ef5.jpg0017_20190616145813e21_2019081423195960e.jpg0018_20190616145807d45_20190814232001849.jpg0019_20190616145812675_2019081423200217c.jpg0020_2019061614581381f_20190814232004c5d.jpg0021_20190616145809d48_20190814232005dba.jpg死亡時に1億円が出る傷害保険に入れられた
午後3時、新大阪駅に到着。まずは『みどりの窓口』へ立ち寄り、帰りの新幹線チケットを払い戻す。出発前、T氏が「帰りのチケットは好きに使ってください」とオレに向けた笑みは、恐らくこういうことだったのだろう。まったくのスッカラカンじゃメシも食えない。とりあえずチケット換金で元手を作り、仕事で稼いだ金で帰りの切符を買い帰京する。なるほど、それが賢いやり方だ。払い戻し金ー万4千190円を財布に入れた後、電車を乗り継ぎ駅へ。交差点を渡ると街の雰囲気がガラッと変わった。西成の登場である。
ペッぺとタンを吐きながら歩く労働者たち。力ップ酒の自販機横に座り込む酔っ払い。潰れた店の前ではホームレスが丸まっているし、街全体に立ち便のアンモニア臭が漂ってる。野良犬も垂れ流し放題だ。覚悟はしていた。大阪へ向かう新幹線の中でキッチリ腹は括ったつもりだった。が、実際に足を踏み入れると、どうにもそのパワーに圧倒されてしまう。とにかく、今は宿を決めてしまおう。簡易宿泊施設、いわゆる“ドヤ“はいたるところに建っていた。最初にー泊ー千円の宿を尋ねる。
「すいません、部屋ありますか」「なんや、兄ちゃん東京モンかい。表の看板、見いひんかったんか。満室やで」
2軒目、3軒目も同じ調子で断られた。ー泊の相場はー千円ーー800円くらいだが、どこも想像以上に混んでおり、特にピンクビデオ上映中の札がかかっているドヤは壁夫に満室だ。とこか泊まれる場所はないものかと、さらに尋ね歩いていた、そのとき、「おいーオマエー、殴ってええかあー」突然の怒声に恐る恐る後ろを振り返ると、酔っ払いのオヤジがこちらを脱みつけている。なんじゃ、コイツ。目が完全にイッちゃってるじゃないの。身の危険を感じ、すぐ近くのトヤへ駆け込む。と、偶然、そこに空室を発見。料金は700円と格安である。よし、ここに決めよう。
あてがわれた部屋は、ーつのフロアを上下に仕切られた力プセルホテル方式の2階部分だった。垂直の梯子を使って出入りするのが面倒だが、部屋は想像以上に績麗で、テレビも設置されている。十分だよ、これで。安心して一息つくと、途端に憂畿な気持ちになってきた。オレは本当に西成で2週間も暮らすのだろうか。仕事が見つかったとしても、それがタコ部屋行きなんてことだったら、2度と帰って来れないかもしれない。女に押し潰されそうになりながら、どこかりか湧いて来る小さな虫を指でぶちぶち潰す。そして、そのままオレは深い眠りについてしまった。
ジリリリリリ2日目
14日早朝、けたたましいベルの音で目が覚めた。隣室の男が鳴らしてるようだ。腕時計を見ると、まだ朝の4時。まったくウルセーな、と廊下に出てみて驚いた。
多くの住人たちが歯を磨いたり顔を洗っている。そうか、みんな仕事に行くのか。いや、仕事を探しに行くのかもしれん。遅れてなるものか。オレは慌てて着替えを終え、外へ飛び出した。
作業服姿の男たちが同じ方向へ歩いていく。目指す場所は、西成のシンボルとでもいうべきあいりん労働公共職業安定所』(通称、センター)だc巨大なビルの前に、山のような醸
らを連れて行くのか、それらしきバンも4-5台停まっている。オレも職にありつけないだろうか。「にーちゃん、仕事なんかあらへんでえ」隣にいたオッサンが話しかけてきた。仕事がないってどういうことだ。
「あれ、見てみーな」オッサンが顔を向けた先には、仲間と談笑したり、ゴルフのスウィングで時間を持て余している手配師たちの姿か。確かに人を集めてる雰囲気はない。それでも、しばらく様子を伺っていると、数人の作業着男たちがー人の手配師に近寄った。
しかし、彼らは無情にも「あらへんあらへんーしつし」と、犬を追い払うような手つきで退散させられてしまう。この様子じゃ、センターを頼りに来たところで、仕事にありつける可能性は皆無。求人情報は、どこか別のところから集めた方がいいのではなかろうか。
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