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ギャグ漫画によく見られた「驚いて目玉がビョーン」という表現は、いまや「興奮して鼻血がブー」と同じぐらい古典的だ。そんなお寒いシーンを使えば、たちまち世間の失笑を買うに違いない。しかし、この世に実在する現象ならばどうだろうか。ご覧の2枚は、アメリカのテレビ番組に出演した、「目玉飛び出し兄妹」の動画である。
かの技の名はボップアイ。アメリカの見世物小屋などを舞台に、数十年前から演じられてきた伝統一武で、創始者は《ミスター・ボップアイ》の愛称で親しまれたレオナルド・ペリーという。彼が登場するまで、目を使った芸人は「涙腺から牛乳を2メートル飛ばす男」しかおらず、瞬く間に大評判となった。しかも、他人には決して真似できない点が人気に拍車をかけた。実はボップアイを行うには、目の周りの眼輪筋を思い通りに動かさねばならない。読者のみなさんも試してみればおわかりだが、通常この筋肉は、そんな動きはできない。いくら訓練を積んでも不可能な生まれもっての体質なのだ?その意味で、レオナルドは芸達者というより、単なるプチ奇形だったといえよう。
だが、そんな彼の栄華も長くは続かなかった。なぜならボップアイには、目玉が飛び出す以外のバリエーションがないという、致命的な欠陥を抱えていたのだ。涙腺から液体を発射する芸ならば、
「液体をマトに当てたり、客に飲ませる」こともできよう。
しかし、目ん玉が飛び出るだけでは、しょせん応用など利かない。次第に出演の依頼は減り、レオナルドは悩んだ。一時期は「飛び出す眼球で並べたドミノを倒すのはどうだろう・・?」とまで考えたほどだが、すぐにただの「風変わりなドミノ倒し」だと気づく。
レオナルドはとことん落ち込んだ。彼の目の前には無邪気な2人の子供。自分は立派な父親にならなければならない。はたしてボップアイを続ける価値はあるのか。結局、彼はショービジネスの世界から足を洗い、同時に『目玉芸」も終罵の時を迎えた・・かに思えた。が、レオナルドの存在が人々の記憶から完全に消えたころ、彼は自宅で驚樗の光景を目にする。
当時小学になっていた息子と娘が、互いの顔をつきあわせて目玉を出して遊んでいたのだーなんと、「ボップアイ」は、ペリーー族の遺伝子だったのである。もうおわかりだろう。レオナルドの実子とは、他ならぬ「目玉芸」を披露している写真の兄妹のこと。
彼らは父親以上の人気者になり、再び「目玉芸」の伝統を酷らせた。かつて挫折した一族の無念を晴らしたのである。応用が利かない欠点はいまだに解消されないが、兄妹は活躍の場を世界に広げることで、そのハードルをクリアした。特に兄のほうは、1年前に来日、「世界びっくり人間大賞」に出演したほどだ。いまや順風満帆なこの兄妹。
現在は2人とも結婚して子供もいる。当然、周囲から「いずれはこの子たちも…」と期待されるわけだが、まだ2才程度のため、なんとも言えないようだ。ただし、可能性は十分にある。1年前に出演した番組で、兄は次のようなコメントを残した。「子供?もちろん跡を継がせるよ。最近なんだか、ウチの子の目玉が、よその子よりも大きくなってきた気がするし……」親バカなのか、なんなのか。ペリーー族が続く限り「目玉芸」は永遠に不減だ。
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