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5年間も使っていた携帯電話をトイレに落とし、中に入っているデータがすべてぶっとんでしまった。バックアップをとっていなかったので、電話帳はすべてバーだ。またーからアドレス登録をしなければならないなんて。
電話がかかってくるたびに登録、登録・・。かかってくるまではこちらから連絡できないので、セフレや女友達とも疎遠にならざるをえない。なんてこった。
1通のメールが届いたのは、数日後のことだった。
〈こんばんわーM元気?>
オマエは誰だ。アドレスにも名前は入ってないし、さっばりわからん。まあ、女なんだろうけど。セフレの一人かなっ事情を説明して「誰だっけっ」と尋ねるのがスジなんだろうが、その聞き方は複数の女ともだちがいることを意味するので、心証を悪くしかねない。ここは話を合わせておこう。そのうち思いだすだろうし。
〈元気だよー。そっちはっ〉
〈私は元気よ。その後どうっ〉
やっばり女か。でも、その後どうって、何についてだよ。
体調のことかな(オレは持病を持っており、少し前まで通院していた)。
〈最近は復活してきたよー〉
〈良かったねー。ぜんぜん会わないから心配してたよ〉
ぜんぜん会わないけど、病気のことは知ってる女。となると誰だろう・…会社の取引先の岡田さんか?
彼女はオレの営業先の担当者だ。携帯のアドレスも交換している。個人的な付き合いはないけれど、半年ほど前に病院でばったり会ったことがあったっけ。
翌日、業務にかこつけて会社から電話をしてみた。
「わざわざありがとうこざいました」「え、なんのこと?」
「んっその、体調を気づかってくれてというか・・」「へっ」
ハズレだった。じゃあ誰だったんだろう。まあ、別にわからなくてもいいんだけど。メシを食いに外へ出ると、雨が降っていた。
(あ、イイこと思いついたかも)
携帯を取りだし、例の女にメールを打つ。
〈お疲れです。〇〇町はいきなり雨で大変だよー。そっちはどう?〉
返答次第で女の住所もおおよそわかるだろう。
〈私のとこも雨だよ。てか、隣町なんだからあたりまえじゃん(笑)〉
隣町なのかよーこれでセフレの線も消えた。オレは結婚しているので、遊ぶ女は家から離れたところで探すことにしているからだ。となるとあまりくだけたメールは打っちゃいけないな。
ある日、また女からメールが来た。
〈ところで奥さんは元気?私と同じ歳だし、気づかってあげなきゃダメよっ〉
嫁のことを知ってるっ同じ歳っ誰だ誰だ。
返信に困っていると、次なるメールが。
〈でもこんなにメールしたの初めてだね。病院で会うくらいだったし、なんか不思議だなあ〉
ハイ、わかった。もうわかりました。入院したときにナンバして連絡先を交換した、患者の女だーあの子だったらすべて辻棲があう。胸のつかえも取れたことだし、たぶん俺のことが気になってメールしてきたんだから、とりあえず下ネタでも振ってみよう。
〈ウチのは元気だけど、ぜんぜんセックスレスだよ。艶っぽい写メでも貰えたら、オレは元気になるんだけどな〉
〈えー困るよお(泣)今までマジメな話してたのに、いきなりどうしたの(笑)〉
(笑)があるってことは押していいってことですね。
〈じゃあ下着の写メでいいから送ってよーそれを見て興奮して、嫁との子作り頑張るから〉
〈はやく子供欲しいって言ってたもんね。わかった、ちょっと待っててー〉
そんなこと言ってたっけな。まあいっか。早くエ口写メ、カモン、力モン、力モン
よし、キターーー
【件名:美智代さんの念願もあるし、頑張りました】
嫁の名前とともに送られてきた写メには、四つんばいでお尻をこちらに向けてニヤリと笑う女が写っていた。微笑の主は、いとこの嫁、佳奈ちゃんだった。・・やっちまった。そうかそうか、佳奈ちゃん、通院先の病院の事務員だったもんな。こんなことが嫁にバレたら大問題だ。クギを刺しておかねば。
〈ありがとう。佳奈さんのこんな姿が見れて嬉しいよ。でもこれは二人のヒミツね〉
〈どういたしまして。初めて岸田さんが身近に感じられたよ。ていうか、意外と大胆なんだね?私もなんだか興奮しちゃった。おやすみなさーい〉
★以降はときどきメールを交わす仲のまま現在にいたっている。にしても、あんな写メを送ってくるってことは彼女はいったい。正月の親戚の集まりにはどんな顔で出ればいいんだろう。
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