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しはらく下校中の女子高生たちをねぶるような視線で見つめていたが、ターゲットを定めたのか、意を決したように地味目の少女サキに歩み寄った。
「小学校の同級生なんだけど、覚えてる?」
何やら恋の告白めいた微笑ましい光景だが、男は重大なウソをついていた。なんと17才もサバを読んだ33才のオッサンだったのである。信じてしまった。よほど気に入ったのだろう、男は次の日もその次の日もサキを通字路で待ち伏せた。
母親は(ちょっとフケてるコだな)と思ったが、とりあえずは成り行きを見守ることにした。ツヨシは横浜市瀬谷区のアパートで母親と兄の3人暮らしだったが、家族に「バイトで知り合った彼女」と紹介し、奇妙な共同生活が始まった。彼の家族は互いに干渉しない主義なのか、サキは彼らとあまり顔を合わせることもない。同居後、すぐにパチンコ屋を辞めていたツョシは、部屋で毎日のようにサキを抱いた。息苦しくなったサキが別れを切り出したとき、ツヨシは刃物を持ち出して、「別れるんだったら手首切って死んでやる!」などと取り乱した。軟禁と呼ぶしかないイビツな生活が続いた。
「ねえねえ、確かサキちゃんって名前だったよね。家に帰らなくても大丈夫なの?」
「そもそもさ、君はいくつなの?ツヨシは26才って言ってたけど、どう見ても20才いってないよね」
「…私は16才です」
「やっぱりな。んで同級生だって言ってるわけだ。アイッさ、実は33才なんだよ」
「え?」
「ホントに知らなかったの?」
「33?…どういうことですか?」
「だから編されたんだよ。もう家に帰った方がいいって」
サキは驚きと困惑が入り交り、しばし呆然とするしかなかった。詳しい事情を聴いた母親は、神奈川県警に被害届を提出。同署はすぐに内偵捜査を始め、今年ツヨシを福祉法違反(有害支配)の疑いで逮捕した。直接の容疑は、7月から9月にかけてサキを自宅に同居させ、みだらな行為を繰り返すなどしたというもの。ツヨシのやったことは法律違反に他ならない。容疑も素直に認めているのだが、捜査員には揺れる心情も吐露している。
「おまえさん、そもそも何で制服なんかで偽装してナンパしたわけ?普通じゃだめだったの?」
「いやあ、ボクは女子高生が好きなんですけど、彼女らに普通に声掛けたって『キモイ』とか言われ
ておしまいですよ。だから同級生ってことにすれば話を聞いてくれるかなと思って」
「なんだかなあ。んで、サキちゃんはタイプだったわけだ」
「タイプっていうか、気が弱そうだったからイケるかなと」